目次
概要
第34回は「問題解決していますか~問題に追われないために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第34回は「問題解決していますか~問題に追われないために」です。
問題解決に取り組む手法ですね。
次から次へと問題がおきてその対応に追われるのが「あるある」ですね。
会社を経営していると、どうしても問題が発生します。その都度解決して事なきを得るというのがパターンです。ある程度の規模で会社を経営していると、同じような問題が起きていると感じてきます。そこで問題解決を指示することになります。しかし、このやり方で問題を解決したとしても、同じことの繰り返しになってしまうというのが実情です。そして、売上が伸びていないのに、やたら忙しいという状況が生まれます。
たしかに、経営者の方は同じ問題に長い間悩み続けることがありますね。この繰り返しパターンに陥らないことを目指すわけですね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
問題解決の発生型と設定型
実は問題には日々発生する発生型の問題と、理想の姿に近づくために設定する設定型の問題=課題があります。そして、発生型の問題解決がうまくいかないと、繰り返し発生する発生型問題に追われることになります。会社の成長のためには、設定型の問題=課題も欠かせませんが、手が回らないことにもなります。また、問題解決の手法も、この問題のタイプを理解しないといい解決につながりません。
日々の問題解決はトラブルシューティングですね。
よく言う「いたちごっこ」ですね。
問題解決において問題の分類は以下のようになります。
1.発生型問題
日々現場で発生する問題です。緊急性が高いのが特徴です。
2.発生する問題から設定された問題=課題
繰り返される発生型問題に対して共通の問題があぶりだされると、課題として設定されます。経営者からの指示というケースが多くなりますが、現場主導もあります。
3.理想から設定する設定型問題=課題
発生型問題とは別に、高い理想を実現するために設定される課題です。すぐには実現できないのが特徴です。現状からはすぐには実現できないようなものでもかまいません。企業の、ミッション、ビジョン、バリューなどから導き出されます。この設定型問題=課題に取り組まないと、企業の成長は望めません。主に経営陣が主導する項目です。
戦略的に取り組まないと、1と2の問題解決に終始するわけですね。
1と2だけでもしっかりとできれば、いい経営にはなりますよね。
問題解決がうまくいかない理由
問題解決がうまくいかない理由としては以下が考えられます。
1.同じ解決策をとろうとする
よく分析せずに、似たような問題でとった解決策をとってしまいがちです。
2.対症療法になりがち
緊急性のために、症状を抑えることを優先しがちです。そして症状が治まれば忘れるというパターンになります。
3.個人の責任、精神論、または偶発的事象で終わる
原因はミスによるもの、あるいはたまたま悪い条件が重なっただけだから、今後は十分注意しようなどと考えてしまいます。
4.原因がみつかると安心する
原因がみつかると安心して対処を終えようとします。その原因を起した原因までは考えない傾向があります。
5.予防策を考えない
対処が終えると、予防策をとるべきなのですが、次の問題に移ってしまいます。
また、予防策もミスが起こることを前提とした予防策まで考える必要がありますが、できないことが多いです。
6.外部に原因があるとあきらめる
社外に原因がある場合は、それ以上追究しないことが多いです。
7.上記を含めて原因分析に問題がある
原因が真因までたどりつけない場合があります。
8.実行力に問題がある
せっかく作った対策が実行できない場合あります。
偶然が重なったという分析はよくみますね。原因はもとから絶たないといけませんね。
解決策が暗黙知になってるパターンがありますね。個人のノウハウで解決してしまうと、個人頼みになってしまいます。
発生型問題の正しい対処法
発生型問題は以下のように対処します。
1.問題の確定
発生した問題の問題点を確定します。
2.目標の設定
解決の目標を設定します。数値化できる場合は決めます。
3.原因の分析
原因を分析します。
注意点1)網羅されていること
原因がもれなくあらいだされていることが必要です。
同2)論理的であること
原因と結果が論理的である必要があります。
同3)定量的であること
原因の発生確率も考えて、重み付けをします。
4.対策の立案
対策を打つべき原因を特定して対策を立案します。
原因を除去する対策と予防策も立てます。
5.実行
よくあるのが対策が徹底されないで起こる再発です。
しっかりと組織全体で対策の重要性を理解したうえでを対策を実行する必要があります。再発を防止すれば、「貧乏ひまなし」から解放されます。
6.評価
実行された対策が効果があったかを評価します。対策に問題点があれば修正することになります。
原因分析ができてると対策も有効になりそうでうね。
対策の趣旨や理由を理解していないと、徹底されないケースがありますね。
問題から課題へ
発生する問題から、共通点を抽出して課題を設定することも効果的です。この場合は、設定の仕方が鍵となります。応急措置や対症療法だけではない対策の立案を目標として設定する必要があります。
いい課題に昇華させるわけですね。
どうしても発生型だけでは効果が期待出来ないから、必要ですね。
設定型問題で理想の姿を目指す
発生問題から切り離して考えます。理想の姿から設定する課題です。この場合は、環境の変化、市場の変化、競合の変化などの要素から、あるべき理想の姿を考えて課題を設定します。現状からスタートする発生型とは全く異なるアプローチになります。リスクや阻害要因も分析します。
設定型問題は以下のように対処します。
1.理想の姿の確定
ミッション、ビジョン、バリューなどを参考に理想の姿を確定します。
2.現状分析
理想の姿に対応する現状を分析して確定します。
3.目標設定
理想の姿となるための目標を設定します。リスクや阻害要因も分析します。
4.実行・評価
実行と評価は発生型と同じです。ただ、経営陣主導となる規模の目標が多くなります。
大きな成長のための取り組みですね。
これは、あえて意識的に大きな目標を作らないと効果がありませんね。経営者の方でも躊躇されることもありそうですね。
設定型問題の解決・実行法
設定型問題の解決法としては、トップダウン型が多くなりますが、最終的には、組織全体で取り組む必要があります。組織の変更や体制の変更などおおがかりの対策もでてきます。大きな理想に向かって社員教育も全社的に変更することもあります。
全員参加ですね。
理想の姿が高いと中長期になりますね。
発生型と設定型の課題を解決する集団へ
発生型の問題解決だけでもうまくいきませんし、設定型の問題解決だけでもうまくいきません。全体を管理して取り組む必要があります。
日々発生する問題解決と、理想に向けた問題解決をバランスよくですね。
勇気をもって取り組んでほしいですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。発生型問題に追われる日々は会社が暗くなります。大きな理想に向かう設定型課題解決も必要です。分析と実行に留意して全員参加で課題解決を行えば、いい会社に近づいていきます。
発生する問題に追われないためにですね。
発生型問題への正しい対処と設定型問題の解決・実行がうまく組み合わされると、活気あふれる会社になりますね。
まとめ
会社の問題には日々発生する発生型の問題と、理想の姿に近づくために設定する設定型の問題=課題があります。発生型の解決がうまくいかないと、繰り返し追われることになり、会社の成長のために必要な設定型に手が回らないことになります。発生型問題と設定型問題をうまく組み合わせ、分析と実行に留意して全員参加で課題解決を行えば、いい会社に近づいていきます。
今日も難しい課題でしたが、「発生型問題の対処のし方」「設定型問題の設定・解決のプロセス化」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)