目次
概要
第98回は「システム思考をしよう~未来を創造するために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
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第98回は「システム思考をしよう~未来を創造するために」です。
難しい言葉ですね。
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確か学習する組織で出てきたような。
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経営者の方はいろいろな問題に悩み考えることが多いと思いますが、そのときのヒントになると思います。
仕事で悩み考えるときに、この考え方でいいのか、という観点ですね。
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そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
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システム思考とは
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システム思考とは、解決の対象や問題を「システム」として捉え、多面的に原因を探り、問題解決することです。システム思考の対象には様々なシステムが含まれます。自然界の生態系、組織論のシステム、システム工学、平和学などで使われます。ここでは、組織のシステムです。
ピーター・センゲは「The Fifth Discipline『最強組織の法則』」で、第5の法則としてシステム思考を論じました。ベストセラー「学習する組織」では、システム思考で未来を創造すると語られています。
簡単にいうと「風が吹けば桶屋が儲かる」という因果関係の法則で、考えようということですね。
因果関係を忘れるなというわけですね。
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桶屋かどうかは別として会社組織もいろいろと影響しあってますけどね。
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システム思考をしない悪い例
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「学習する組織」の中で、代表で紹介されるビールゲーム(ビール販売の失敗)は以下のとおりです。
1.ある銘柄のビールがいつもの倍の8ケース売れたことに小売店が気づく。
2.納入業者はいつもと同じ4ケース持ってきた。また8ケース売れた。
3.在庫が心配なので余分をみて12ケース注文した。
4.銘柄が売れている原因は流行歌の歌詞だった。12のうち5しか届かなかった。
5.ビール銘柄の取り合いかもしれない。16注文しよう。
6.また5しか届かなかった。今度は24注文しよう。
まだまだ続きます。小売店と卸売業者とビール工場の物語があります。実態の需要は2倍なのに、6倍まで注文してしまいました。小売店がビールを奪い合ったためか、全体に過剰生産、過剰在庫の悪影響が生まれるわけです。
全体がみえない不安からくる混乱ですよね。
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SNSで全体像が見える時代には少し対策ができそうですけどね。
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さまざまな思考方法の基本
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システム思考はどちらかというと応用の思考です。
その前に思考法の基本を押さえましょう。
1.因果関係
原因と結果です。相関関係と混同しやすいです。関連があるだけなのに原因と思われる例です。
2.演繹法と帰納法
演繹法は一般的な法則から特定の結論を導く方法で、帰納法は特定の事例から一般的な法則を導き出す手法です。
演繹法では、前提に間違いがあると論理展開が正確でも結論を間違えます。
帰納法では、複数の事象の共通点に着目しますが、その事象のどれかが間違っていると結論も間違えます。
3.定量思考
ビジネスでは常に数字が重要視されます。数値化して検討しないとビジネスとして成り立ちません。数値化とそれを読解する必要があります。しかし、ムダなデータ集めや根拠のない数値化は無駄な思考となってしまいます。
4.MESE(ミーシー)
整理するときに「もれなくだぶりなく」という意味で使います。
たとえば、試合結果の整理で、「勝ち」の反対は「負け」だと思っていると「引き分け」や「試合中止・延期」などが漏れてしまいます。正確には「勝たない」が反対ですね。
5.ロジックツリー
ロジックツリーは、問題をツリー状に分解し、その原因や解決策を論理的に明らかにするフレームワークです。思い付きや関連性がない要素を書いてしまうと、使いものにならなくなります。
思考法もいろいろありますね。
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どれもみんな落とし穴があるんですね。よくわからないで採用すると失敗しそうですね。
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システム思考をしない場合のデメリット
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システム思考をしない問題解決策のデメリットは以下のとおりです。短期的・近視眼的・対症療法的な解決策は悪影響があります。この逆がシステム思考となります。
1.問題解決策が新たな問題の原因となる
局面だけで作る解決策は、その悪影響を見落とすことがあります。
たとえば、原因となる事象の移動による解決策では移動先で再現します。
2.問題解決策を強引に行うと相殺力がある
組織には現状維持の慣性があるので、現状を変えると相殺力が生まれます。
貧困対策の効果で人口が増加してさらに貧困となる例です。
3.一時的に改善するがあとで悪くなる
相殺の力は時間がかかって遅れて生じます。
4.治療が病気よりつらい
解決策が問題より大きな悪影響となる可能性があります。
5.両立しないと決めつけ
低コストと高品質は両立しないと決めつけるのは悪例です。
失敗するパターンですね。
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どれもありがちに見えますね。
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システム思考の方法
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システム思考の方法は以下のとおりです。
1.新たな視点を持つ
時間的、空間的に視野を広げます。
2.原因と結果の因果関係
広い視野で原因をみつけます。
3.中長期的な効果
対策が及ぼす結果についても、時間的、空間的に広く捉えます。
4.ボトルネックを探す
影響しあうシステムのボトルネックを見つけ対策します。
5.切り離す
短期と中長期の対策では、切り離しておくこともありえます。
しかし、短期に偏る対策とならないようにすることです。
6.因果ループ図にする
全体を因果ループ図にまとめるとわかりやすくなります。
7.ループ図原型を利用する
代表的なパターンが原型としてありますので、利用すると相互に影響する作用に気づきやすくなります。
なれないとループ図はかなり難しく感じますね。
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書くほうも読むほうもなれるといいですね。
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システム思考の原型
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システム思考には原型が用意されています。
1.自己強化型プロセス
2.バランス型プロセス
3.遅れ
4.成長の限界
5.問題のすりかえ
うまくいかないケースも類型化してあるわけですね。
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スタートアップ企業では成長の限界がありがちですね。
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システム思考から未来を創造する
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システム思考から未来を創造する方法は以下のとおりです。
1.戦略策定時の応用
中長期的な観点や、顧客、販社、社員などへの影響の予測した戦略立案と実施をします。成長の限界なども考慮します。
2.問題分析・対策時の応用
問題の原因を視野を広げてしっかりと分析します。対策も対策に伴う悪影響も考慮して対策をたてます。問題のすり替えに注意します。
3.新商品開発時の応用
新商品開発においても、中長期的な視野や、既存製品に与える影響、生産現場に与える影響、原材料の確保なども考慮して開発計画をたてます。遅れなどの要素も把握します。
理論から応用もハードルが高そうですね。
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繰り返して慣れるしかないですね。
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中小企業とシステム思考
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中小企業は、少ない人数で運営します。内外の影響のプロセスも比較的に小さくみえます。だからこそ、全体を把握しているという錯覚・思い込みも生じやすく、システム思考の考えが必要だともいえます。急成長した中小企業が「成長の限界」で伸び悩むケースもあります。「遅れ」に対策できずに、商機を逸することもあります。
失敗するケースはあてはまりそうですね。
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簡単だと思ったら複雑にからみあっていたというわけですね。
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笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。システム思考は全体を考えるので、社員に与える影響も大事な要素になります。無理な生産計画など、社員に悪影響を及ぼすことは、考慮することになります。結果として社員を大切にする会社になります。
こじつけっぽいですが、わかります。
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企業が成長するときの大切な要素ですね。
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まとめ
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システム思考とは、解決の対象や問題を「システム」として捉え、時間的、空間的に視野を広げ、因果関係をみつけ、問題解決することです。短期的・近視眼的・対症療法的な解決策による悪影響を防ぎます。因果ループ図にまとめるとわかりやすくなります。戦略策定、問題分析・対策、新商品開発において、システム思考で未来を創造しましょう。
今日も難しい課題でしたが、「システム思考研修」「システム思考による戦略づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
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これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)