目次
概要
第65回は「ギャップを意識しよう~世代を越えて一つにまとまるために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第65回は「ギャップを意識しよう~世代を越えて一つにまとまるために」です。
塾長の悩みは、カラオケの持ち歌が若い人にうけないことでしたよね。
こないだヒゲダンって聴いて、Official髭男dismじゃなく髭男爵山田ルイ53世のことだと間違えちゃったし。
私たちの若い頃も上の世代とのギャップを感じてましたけど、今はとくに時代の流れが速くなっていて、ギャップが大きくなってる気がします。ちょっと前から、どっちが曲名なのかどっちがアーティスト名なのかわからなくなっていますけど。
会社の中でも、ギャップが激しいでしょうね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
ギャップとは
ギャップとはgoo辞書によると
1.すきま。間隙 (かんげき) 。
2.大きなずれ。懸隔。食い違い。「世代間の―を感じる」
この言葉は、世代間ギャップとして使われることが多いのですが、企業の中ではコミュニケーションをとるうえで、大きな障害になります。世代間のギャップもありますが、立場の違いによる「上司と部下」のギャップもあります。
問題となる場合は、意見の違いや認識の違いがうまれたときに、「ギャップのせいだ」と感じるわけです。
たしかに、年齢の違いイコール立場の違いという場合も多いですしね。
年齢の違いはどうしようもない部分もありますよね。
世代の移り変わり
人にレッテルを貼るのはよくないのですが、一般論として、世代の違いによって、ある程度の特徴づけが行われます。
1.団塊の世代
大戦後に「生めよ増やせよ」で、世代人口が多かった時代です。ほぼ引退されています。パソコン・ITは無理な人が多かったです。
2.昭和世代
団塊から以降は少し落ち着いてわりと裕福になって育っています。かなり働いた世代です。徹夜自慢やマージャン話が好きです。新人類もはいっています。こちらも半分以上は引退です。ワープロをしています。パソコン・ITは人によって差があります。
3.バブル世代
経済成長の最後のときに生まれています。「24時間戦えますか?」の栄養ドリンクのコマーシャルが大ヒットしました。今は50代の上司層でしょうか?
4. 氷河期世代
景気後退局面へ突入して求人を絞ったために正規社員として就職できず、契約や派遣などの非正規の仕事しか得られなかった人も多かった時代です。就職できても、業績悪化、経費削減、リストラの波にもまれました。団塊ジュニアもはいります。今は30代後半から40代ですね。
5.ゆとり世代、ミレニアル世代
「詰め込み教育からゆとり教育へ」時代の学校を卒業しています。深夜まで働いて残業代を稼ぐよりも、ワークライフバランスを重視します。学生時代からスマホを使いこなし、SNSを駆使して横のつながりや「共感」を大切にします。今は20代から30代前半。
6.Z世代
家庭にもパソコンが普及してから生まれたデジタルネイティブです。ITリテラシーが高く、SNSの情報収集、情報発信、人とのつながりが得意です。今は10代から20代ですね。
ITリテラシーやSNSが影響を与えてる印象ですね。
育った環境も世の中の景気も大きく違ってると、違う人類のように感じますよね。
世代間ギャップを感じるとき
世代間のギャップを感じるのは次のような時です。
年齢だけでなく、常識や時代背景が違います。
1.日常会話の話題があわない
日常会話や雑談は会社の中で重要な役割をもっていますが、そこが盛り上がらないことが多いようです。逆に上の世代だけとか下の世代だけで盛り上がると、取り残された感が出ます。
2.仕事への姿勢や有休
出世、昇級・昇格などに関する熱意に差があるようです。同時に、有給休暇もあたりまえの権利のように感じるかどうかで差がでます。
3.口頭・面談連絡と電話、メール、SNS
とにかく口頭・面談での報告にこだわると煙たがれます。電話、SNSやメールの活用はコロナで一気に進んでいます。
4.紙にこだわる
ペーパーレスなのに、紙のほうがいいと思いこんでいると、ギャップありと感じます。
5.言葉使いが古い
言葉は流行しますので、逆にいうとあっという間に時代遅れの言葉になります。いつの時代も若い世代は、上の世代との差別化として新しい言葉を使いたがるものです。それにしても、理解不能となっている死語はやはりギャップを感じてしまいます。「がっちゃんこする」「音頭をとる」などはもう理解できないかもしれません。
言葉や話題はある意味しょうがないですよね。
これだけワークライフバランスの時代になると、有給休暇はとるのがあたりまえですかねえ(ちょっと不安)。
上司と部下のギャップを感じるとき
上司と部下にギャップがあり、それを感じるときは、以下のようになります。
1.率直な意見
上司は、どんどん意見をいってほしいといってるのに言ってくれないと感じている
部下は、意見をきいてもらえないと感じている
途中で遮ったり、意見を言わせるだけ言わせて採用しなかったり
2.経営戦略・事業計画
上司は、部下にもっと経営の目線で考えてほしいと感じている
部下は、上司にもっと部下の目線で、やる立場になって考えてほしいと感じている
3.主体性
上司は、部下にもっと主体性をもってほしいと感じている
部下は、上司のもっと任せてほしいと感じている
上司と部下はその関係性そのものが原因になっていますよね。
放っておいたら、ギクシャクしますね。
なぜギャップが生まれ、それを感じるのか
ギャップが生まれ、感じる理由は、以下のようになります。
1.年齢や世代と違いと立場の違いが重なりあう
年齢や世代が違うと考え方や姿勢に違いが現れます。そこへもってきて、その世代ごとに会社でも立場も重なり合うように違うと、ギャップを大きく感じることになります。
例えば
経営層:仕事熱心があたりまえの昭和世代からバブル世代
例)イケイケの指示を出すが、下はわかってくれないと悩む
中間層:上も下もわかる中間的な立場の氷河期世代
例)イケイケの指示を無理だと半ば感じてもいいだせない
上も下も自分をわかってくれないと悩む
若い層:ワークライフバランスがあたりまえのゆとり世代、Z世代
例)イケイケの指示は時代錯誤だと感じていて従う気がない
2.平均以上効果で自分に甘い
心理学でいう平均以上効果がありますので、自分は平均以上だと思っていますから、自分に甘くなる傾向があります。そのため、ギャップを感じても相手のせいにしてしまうところがあります。
3.ITで仕事の仕方まで大きく変化している
上の世代が持っている仕事の経験値、能力は大きいのですが、仕事のしかたが変わってきてついていけない状況がうまれつつあります。逆に若い世代にITを活用する場面では遅れをとってしまいます。その点を理解さえしない世代もあります。
4.立場が違うと認識がずれる
立場が違えば感じ方も認識もずれがでます。その前提を忘れると、「相手が理解してくれない」と感じてしまいます。
5.ギャップが生まれる理由はたくさんある
世の中は、多様性の時代といわれています。男女差別だけでなくLGBTになっています。国籍の違いで文化も違います。性格や気風も個人差があります。
厳しい状況がうまれてるんですね。
政府の戦略にDXがありますが、そこに世代間ギャップ解消施策もいれてほしいですね。リスキリングはちょっと重い気もしますので。
ギャップを乗り越えてひとつにまとまる方法
ギャップを乗り越えて一つにまとまる方法は以下のようになります。
1.ギャップがあることを認める
ギャップがあることを認めないと対処できません。
2.上司から歩み寄る
立場的には、上司から歩み寄る姿勢が大事です。
3.共通の価値観を確認する
ギャップがある者同士で共通に守るべき価値観を確認します。
4.社内の戦略・計画・指示などでは説明をする
ギャップがあるわけですから、「わかってくれるはず」と省略しないで、しっかりと説明することが大事です。
5.一つにまとまるために場をつくる
ギャップのある者同士は放置するとコミュニケーションが不足します。日常会話がなりたたないわけですから、共通の話題となるイベントなどをあえてつくることが効果的です。
6.こだわりを捨て学ぶ姿勢をもつ
上の世代がもっているこだわりが、ある意味では企業成功の理由となっているものもあります。しかし、そうでない単なる時代錯誤のこだわり(紙がいいとか口頭がいいとか)もあります。そういうこだわりは捨てて、ITの良さを認め、学ぶ必要があります。そうしないとITを活用する企業と差がついてしまいます。
オーソドックスな対策ですが、現状を認めるところから始めるのがいいですね。
社内運動会などもありましたね。
中小企業とギャップ
中小企業では、世代もまとまっている場合もあります。しかし、立場の違いによるギャップは、ありえるものです。いずれ世代交代が必要になるかもしれません。お客様のほうがどんどん変化しているかもしれません。ギャップはみえにくい場合があり、社内に潜んでいるギャップを見過ごすと機能不全におちいる危険性があります。ギャップを認識することは中小企業にとっても大切です。
立場の違いによるギャップはありそうですね。
働き方改革は、上の世代の理解が必要ですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。会社の中のギャップを意識することで、相互理解の第一歩が始まります。お互いに違いを認めることは一つにまとまるために必要です。ギャップを越えてまとまることで、社内の雰囲気のよくなり、業績向上にもつながります。
夫婦円満の秘訣みたいですね。
無理して若い曲を覚えなくてもいいでしょうかねえ。
まとめ
ギャップとは「大きなずれ。食い違い」のことで、世代間ギャップとして使われることが多いですが、コミュニケーションの障害・機能不全の原因になります。「上司と部下」のギャップもあります。理由は、「世代と立場が重なりあう」「自分に甘い」「ITで仕事が変化」「立場で認識がずれ」「多様性」などです。一つにまとまる方法は「ギャップを認める」「上司から歩み寄る」「共通の価値観をつくる」「社内で説明」「場や話題をつくる」「こだわりを捨て学ぶ」などです。ギャップを越えてまとまり、業績向上につなげましょう。
今日も難しい課題でしたが、「社内ギャップを認識する研修」「ギャップを越えてまとまる組織造り」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)