行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第71回:信頼される会社になろう~長く愛される会社になるために

第71回:信頼される会社になろう~長く愛される会社になるために



目次

概要

第71回は「信頼される会社になろう~長く愛される会社となるために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第71回は「信頼される会社になろう~長く愛される会社になるために」です。

今、中古車販売の会社の不祥事が毎日ニュースになってますからねえ。

そんな会社でも急成長してるから驚きますよね。

昔から「安かろう悪かろう」という言葉があって、安い製品は悪い製品かもしれないというアラームはありましたけど、それにしても不祥事は繰り返しますね。

売上が上がるだけでなく、それが続くことのほうが大事かもしれませんね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

「信頼される会社」とは

信頼とは、相手や対象に対し自分の期待した通りの結果が帰ってくることが信じられることです。「信頼される会社」とは、通常は「お客様から信頼される会社」のような形で使います。
たとえば、セブン&アイホールディングスの社是は「私たちは、すべてのステークホルダーに「信頼される、誠実な企業でありたい」です。また、ヤマト運輸は「社会から一番愛され信頼される会社を目指して」います。
お客様よりもっと広い方々からの信頼をめざしていますね。
東洋経済は、CSRランキングを発表しています。CSR(企業の社会的責任)への取り組みと財務データを基に、毎年発表しています。総合ランキングは富士フイルムホールディングスが2017年以来、6年ぶりのトップで、人材活用37位、環境29位、企業統治+社会性8位、財務16位とバランスよく得点し、総合でトップとなりました。
社会的責任の国際規格であるISO26000もありますね。
また、法令を守り、会社のルールや人の倫理などに従って、公正・公平に業務を実施することをコンプライアンスといいます。コンプライアンスを遵守することで、外部の取引先や株主から信用・信頼されることにもなります。コンプライアンスを有効に機能させるための仕組みの1つが「内部統制」です。

国際規格があるとはしりませんでした。セブンやヤマトは客商売ですから、信頼が大事ですよね。

ランキングで一喜一憂はしたくないですね。今ではSNSですぐ評判が悪いのはわかりますが、好評価はねつ造もあるらしいですから、信用できないですね。

信頼されない会社になる原因                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

信頼されない会社になる原因は以下のようになります。
1.製品の信頼性がない
 故障が多い、性能が表示どおりでない、梱包が悪い
2.社員の信頼性がない
 約束を守らない、すぐに回答しない、電話に出ない、嘘をつく
3.会社の評判が悪い
 事件、事故、訴訟などが報道され、全体的に信用できない
4.売上至上主義
 しつこい勧誘、ノルマ達成の販売活動、遵法精神がない
5.癒着体質
 過剰な接待など
6.下請けいじめ
 下請けに負担を押しつける体質

いずれもあってはいけないことですが、大なり小なり会社にありがちですね。

4番目以降は経営の方針の問題ですが、その他はまじめに取り組んでいる会社でも、日常の努力が必要ですね。

なぜ信頼される会社になる必要性があるのか

なぜ信頼される会社になる必要性があるのかは以下のようになります。
1.性能の優劣が少ない
 競争が激しい時代なので、製品の性能の優劣が少なくなっています。信頼のある会社の製品がえらばれることになります。
2.情報があふれている
 すぐにSNSで書き込みされる時代です。お客様との接点が貴重な信頼構築の場となっています。
3.人材不足
 社員が定着することや、有能な人材が集まるためには、会社の信頼度が必要です。
4.長いつきあい
 会社は継続することも大事ですから、結局はお客様と長いつきあいをすることが重要です。そのためには、毎日いうことが変わるよりは、いつも同じことを言うほうが安心を与えることができます。革新も必要ですが、継続も大事です。時間をかけて信頼関係を構築するほうが、長い目でみると効果があります。

ここでもSNSですね。

老舗と呼ばれるようになるやりかたですよね。

信頼される会社の要素

ISO2600の7つの原則は以下のとおりです。
 1.説明責任
 2.透明性
 3.倫理的な行動
 4.ステークホルダーの利害の尊重
 5.法の支配の尊重
 6.国際行動規範の尊重
 7.人権の尊重
そのほかにもよく言われる要素は次のとおりです。
 1.顧客との長期的な関係性を持つ
 2.顧客と双方向の関係性を持つ
 3.ブランドを大切にする
 4.社員を大切にする

今でいうと、SDGSにコミットメントすると、よさそうですね。

単純に「顧客第一主義」だけではなさそうですね。

信頼できる製品のつくりかた

信頼できる製品づくりは基本に立ち返ることですね。
1.製造過程での品質管理を徹底する
2.顧客の要望どおりの製品か確認する
3.故障や苦情は天の声であり、迅速な対応をするとともに、原因を究明して次からの製品づくりに反映させる。
4.納期と価格と性能のすべてでご満足いただくことをめざす

基本は徹底していきたいですね。

ものづくりの基本ですね。

信頼できる社員の育成法

信頼できる社員の育成法は以下のようになります。
1.企業理念に信頼される会社になりことを盛り込む
 経営者から内外に宣言することになります。
2.企業理念に沿った社内研修を行う
 理念を実現するために社員に徹底します。
3.評価制度の中に盛り込む
 売上だけで評価していたら、信頼性は忘れられていきます。信頼性向上のための活動を評価する必要があります。

評価にいれるのが肝心ですね。

そうそう、評価にいれないと浸透しないよね。

ブランド戦略

信頼性を大切にすることを内外に示すとともに、その信頼されたブランドを作り、維持することも大切な戦略になります。
信頼されたブランドを確立し、企業の宣伝やウェブサイトでも統一されたイメージをうちだします。会社の透明性も必要です。悪い情報も隠さないほうがいいですね。常に最新の情報を発信し続けることも大事です。

企業名のブランドと製品のブランドが一体となるといいですね。

アメリカで最も信頼されているブランドのトップはジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)の、バンドエイド(Band-Aid)だったそうです。切り傷にはピッタリで、あまりほかに思いうかびませんね。

社員からも信頼される会社

お客さまからだけでなく、社員からも信頼される会社になってほうがいいですね。社員を大切にする会社は信頼できますよね。
1.退職金、企業年金、福利厚生などが充実
2.社員の働く環境を整備
3.業務の効率化への投資を怠らない

社員には定着してもらいたいですからね。

経営者がそこを見誤らないといいですね。

信頼性を保ち不正を防ぐ取り組み

企業の不祥事は、信頼性を失わせますから、不正を防ぐ取り込みも大事です。通常は監査役がその任務にあたりますが、形骸化しています。そこで、会社法327条の2において、公開会社かつ大会社である監査役会設置会社が有価証券報告書提出会社であるときは、社外取締役を置くことが義務づけられています。また会社法362条5項では資本金5億円以上または負債額200億円以上の企業(大会社)で取締役会がある株式会社では、内部統制システムの設置義務を明記しています。条件に適合しない企業でも導入している例は多くあります。ただ、経営者から余計なことはしてくれるなと暗示されたり、現場部門の責任者から内部監査に強い反発や有形無形の圧力が加えられることもあり、内部統制は骨抜きになることが多いと言われています。

ここでも経営者次第ですね。

内部統制をまじめにやれば、費用も時間もかかるわけですから、会社全体での取り組み姿勢が大切ですね。

中小企業と信頼される会社

中小企業では、内部統制が義務づけられていないため、会社の中の状況は外部からはわかりにくいです。しかし、大きな会社と戦うためにも、信頼性は大きな武器になります。信頼される会社を目指すことは、非常に有効な戦略です。是非「信頼第一」という企業理念をもってほしいですね。
東京商工会議所の「勇気ある経営大賞」とは、“勇気ある挑戦”をしている中小企業を顕彰する制度です。この受賞を契機に積極的な情報開示により、代表者の個人保証なしに資金調達を行う企業もでました。
また、中小会計要領(中小企業の会計に関する基本要領)に基づいて決算書を作成すると金融機関から高く評価されています。

企業理念も大事ですね。

税理士さんも第三者としてみてますから、ある意味透明性ですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。信頼される会社をめざす企業は社員も大切にします。社員にとっても、お客様の信頼を得るために仕事を行うことは、充実感を感じることができます。信頼される会社は、長く愛される会社になります。

正直経営みたいな感じですね。

売上至上主義や成長至上主義は限界がありますからね。信頼を勝ち取りながら、売上も伸ばし、成長するのが理想ですね。

まとめ

「信頼される会社」とは、「お客様」だけでなく、社員も含めたすべてのステークホルダーに信頼される会社です。信頼される製品・サービスと信頼される社員が、信頼されるブランドを作ります。信頼されるためには、「説明責任・透明性・倫理行動・関係者利害の尊重・法の尊重・行動規範の尊重・人権の尊重」の各要素が欠かせません。売上至上主義ではなく、信頼されるブランドをつくり、長く愛される会社になりましょう。

今日も難しい課題でしたが、「信頼される会社となるための研修」「信頼ブランド造り」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

まずはお問い合わせください

今回のお話はいかがでしたでしょうか?

経営コンサル、社員育成は当事務所・リーガルフロネシス株式会社にお任せください。

経営理念の展開を通じての売上・業績向上、社員の育成を通じての組織改革には、計画的・長期的な改革推進が欠かせません。まずは、現状把握から始め、お客様にぴったりの方法をご提案します。

まずはお問合せください。より良い経営のために、戦略経営・人材育成のお手伝いをいたします。

(了)