目次
概要
第100回:「コンサルを利用しよう~自走できる経営のために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第100回:「コンサルを利用しよう~健全経営のために」です。
経営コンサルタントもうまくいかない事が多いですよね。
金額もいろいろありますしね。
経営者の方は売上が伸び悩んだり、赤字が続いたりしたときに、経営コンサルタントを利用しようと検討されることも多いと思います。しかし、なかなか導入に踏み切れないこともありますし、導入してもこんなはずじゃあなかったと思う例もあります。
その会社にあってるかもわからないですしね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
経営コンサルタントと利用シーン
経営コンサルタントとは、企業に対して、戦略、組織、人事、マーケティング、業務改善などを提案する専門の職業です。大手企業を中心に、M&Aや事業戦略や業務オペレーション改革、システム構築などを提案するコンサルティングファームから、中小企業を中心に活動する中小企業診断士などまで幅広く活動しています。かくいう私も行政書士ではありますが、経営相談に携わっています。
利用する場面はさまざまですが、何か特別な事情があることから依頼することが多いです。中小企業では主に下記のきっかけがあります。
1.融資に伴う事業計画書の作成
2.補助金・助成金の申請のための計画の作成
3.事業承継のための相談
4.官公庁が行う経営相談
5.人事制度の導入
6.人手不足の解消
7.技能継承。後継者育成
8.税務相談
幅広い業界ですね。
金額もかなり差がありそうですね。
コンサルタントが必要な理由
経営コンサルタントが必要な理由は次のとおりです。
1.第三者の目線でアドバイスできる
2.得意な専門分野の知見を利用できる
3.経営コンサルタントの経験からアドバイスできる
4.経営者の相談相手として心理的にも支えることができる
5.自社内で足りないノウハウを移植できる
6.公平公正な目で組織や人材を評価できる
経営コンサルタントもうまく行くと効果はありそうですね。
求めているものと食い違う場合がやっかいですよね。
コンサルタントの導入が失敗する理由
経営コンサルタントの導入が失敗する理由は下記のとおりです。
1.仕組みを変える・導入することが目標となってしまう
コンサルタントも効果を上げたいので制度改革の提案をします。制度を変えると大きな効果が得られと思いますが、思うようにいかないケースが多いです。制度導入自体が目標となってしまいます。
2.課題が本当の問題点とずれている
課題と思っていることが実は本当の課題ではない場合には解決しても効果があまり出ません。経営課題の設定から、現状分析する必要があります。
3.型にはめようとする
大手コンサルともなると、一定の型を持っています。型にはまるといろいろなことが実現できそうですが、型にはまらないケースが出てきます。一過性で定着しない改革を押しつけられる結果が生まれます。
4.短期的な成果を出そうとする
コンサルタントも結果を出さないといけないという意識から、短期的な成果に結びつく提案をすることが多いです。経営者にとっても、成果があがればいいと思いますが、長期的な視点を欠くと逆効果もあります。
5.コストダウンばかりする
コストダウンも要注意です。健全なコストダウンはいいのですが、無理にコストダウンばかりを推進したせいで、顧客離れが起きたり、サービス低下が起きたりすると逆効果です。
6.マンネリ感
長期的なコンサルタント契約をしていると、契約の打ち切りが怖くなります。しかし、コンサルタントもマンネリ化してしまい、何も提案できなくなっているケースがあります。
7.理論と実践
理論的な裏付けもなく、見た目がよさそうな改善策を提案するケースもどうかと思いますが、理論ばかりで実践からかけ離れることも失敗の原因となります。パーパス経営、デザイン思考、人的資本経営などと流行に振り回されるのも問題です。
バランスが難しいですね。
派手な改革が空回りするケースもありますね。
コンサルタントの選び方
コンサルタントを選ぶ際には下記の点の注意が必要です。
1.コンサルタントを必要とする理由を明確にする
コンサルタントにもいろいろな専門分野や手法をもっているものがいますので、自社のニーズを明確にする必要があります。
2.理由に合う得意分野を持っているか
コンサルタントにも得意分野があります。その得意分野と自社のニーズが合っている必要があります。
3.実績と理論的な裏付け
どのような実績を持っているか、どのような理論的な裏付けを持っているかを知っておく必要があります。
4.コンサルタントの関わり方と姿勢
自社のために提案をして実践してくれるかどうかが一番大事です。コンサルタントの姿勢や能力で、課題分析から提案と実践に至るまでで、大きく差がでます。コンサルタントが型にはめようとしているかどうかを見れば、そのあとの展開が想像できます。
5.経営者との相性
経営者との相性がいいほうがベターです。
あたりまえですが、相性があるわけですね。
得意分野が合うと思っても失敗することもありますからねえ。
コンサルタント手法の種類
コンサルタントの手法としては大きく二つに分かれます。
1.ハンズオン型(伴走型)
経営者あるいは企業とともに改革を実践します。企業に入り込むこともあります。
中にはいることで、本質的な課題の把握や実践するうえでの工夫ができます。
2.ハンズオフ型
提案だけをして、問題解決は企業に任せる手法です。
入りこまないので、客観的あるいは大胆な提案ができます。
オカネ次第ですかね。
費用の問題がなければ伴走型がありがたいかなあ。
伴走型支援とは
伴走型支援とは、経営コンサルタントのあり方でもありますが、国をあげて支援していく活動でもあります。
1.中小企業庁
経営者・企業の自己変革、自走化による成長を目指す「経営力再構築伴走支援」を全国に幅広く普及するため、その基本理念や具体的な支援の進め方、留意点等をとりまとめたガイドラインを策定しました。
2.関東経済産業局
官民合同による伴走型支援を始めました。
3.経済産業省
「伴走支援の在り方検討会」の報告書を取りまとめました。
国をあげた取り組みですね。
なかなか広い活動ですね。
伴走型支援から自走へのステップ
伴走支援から自走へのステップ方法は以下のような手法が提案されています。
1.対話による傾聴
対話を通して、信頼の醸成と本質的課題の把握ができます。経営者の内発的動機づけも得られます。
2.「傾聴型ギャップアプローチ」、「強み発見型アプローチ」いずれのアプローチが有効か見極める。
3.多くの壁に直面するが、伴走支援によって乗り越えることで自走化に導き、自己変革力の会得を促す。
自己変革への「5つの壁」が示されています。
(①課題が見えない②現実に向き合わない③解決策が実行できない④現場がついてこない⑤知見が足りない)
国が作るものはよく分析されていますね。
対話が基調ですね。
中小企業とコンサルタント
中小企業は、少ない人数で運営します。経営者が孤独を感じることもあります。人材不足や専門分野の知見不足もあります。そういう場合に経営コンサルタントは、経営者のよき相談相手になることが理想です。成果も求められますが、企業の継続的な発展を前提としてコンサル提案が求められます。
まさに伴走型支援が必要ですね。
コンサルタントのアドバイスから、自走できる組織になるといいですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。経営コンサルタントも、会社の雰囲気を大切にするという前提で提案活動をしていけば、企業経営改革もうまくいくと思います。結局ムリな改善策は定着しません。
経営改善の施策に賛成してもらって、そのうえで実際に行動してもらうことが大切ですね。
おしつけは逆効果ですね。
まとめ
経営コンサルタントは、第三者目線で専門的な知見をアドバイスできるので経営改善に有効な手段です。しかし、短期的な成果を求めすぎるなどの失敗例も多いです。「伴走型支援」をおすすめします。対話と傾聴で、真の課題をみつけ、現場を巻き込んだ改善を経営者とともに実践します。伴走型コンサルを利用し、自走できる経営を実現しましょう。
今日も難しい課題でしたが、「課題発見の研修」「伴走型コンサルで戦略づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
まずはお問い合わせください
今回のお話はいかがでしたでしょうか?
経営コンサル、社員育成は当事務所・リーガルフロネシス株式会社にお任せください。
経営理念の展開を通じての売上・業績向上、社員の育成を通じての組織改革には、計画的・長期的な改革推進が欠かせません。まずは、現状把握から始め、お客様にぴったりの方法をご提案します。
まずはお問合せください。より良い経営のために、戦略経営・人材育成のお手伝いをいたします。
(了)