概要
第7回は「後継者を育てていますか」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第7回は後継者を育てていますかです。
中小企業の経営者の方も、高齢化が進んでいますからね。アメリカのツイッターを買収したイーロン・マスク氏が、新たなCEOに値するような「愚かな」人物が見つかり次第、CEOを辞任すると表明したばかりですしね。
経営者だけでなく、あらゆる部門で高齢化が進み、次の時代を担う人を育てる必要があるかもしれませんね。
中小企業の経営者の方の悩みは、「お金に関する悩み」「社員に関する悩み」「未来に関する悩み」で大きく3つになります。その中で、未来に関する悩みには、「売上が外部要因に左右される」、「後継者がいない」、「客層の変化が不安だ」があげられます。今日はその中で、「後継者がいない」という悩みについて考えてみたいと思います。
後継者問題は、わかっていてもなかなか解決できないといいますよね?
しっかりと、着実に進めないといけない気もします。
後継者問題を意識するきっかけは、経営者が病気になったり、売上の減少、離職の増加、倒産の危機などが考えられます。こういうときに、銀行などから、後継者について考えるようにアドバイスされるケースがあり、考え始めるのではないでしょうか?特に新型コロナウイルスの蔓延で深刻になる場合があります。
最近取りざたされているように、日本電産は2018年に社長交代を実現したのに、わずか2年で「経験不足だった」などの理由で、交代させました。後継者選びの進め方があまりよくない事例だったんでしょうね。
そうですね。気づいたときは、すでに状況が悪いときが多いかもしれませんね。
気づいたら早めに準備して、慎重に進めるのがよさそうですね。失敗してやり直すと深刻になりますからねえ。
後継者選びの課題
この経営課題に関しては、経産省がまとめた「経営人材育成」に関する調査 結果報告書
が参考になります。
一般的な課題としては、「後継者になる人材不足」「後継者の選び方がわからない」「企業そのものに後継者育成を阻害する原因がある」ということが考えられます。
経産省の調査では、取り組みの検討をしない理由としては、「誰を対象にするか、選抜の判断が難しい」という理由がもっとも多いそうです。
単純に「現場の仕事が一番できる人」などというわけにもいかないでしょうしね。
社長が選びたい人(息子など)がいて、その人をどう育てるか、邪魔されないようにどう進めるかという形の課題もありそうですね。
後継者育成のパターン
後継者育成にはいくつかパターンがあります。
1.外部からの人材登用
2.社内からの選抜
3.経営者の親族
それぞれについて、進め方も違いますし、課題も違います。
親族の登用では、「親心」が阻害要因になってしまうこともあります。
後継者にしたい息子をかわいがるあまり、厳しく育てられないようなケースですね。
外部からの登用では、日本電産のようなことが起こる可能性もありますね。
後継者の育成方法
後継者を育成することとした場合には、次のような手順が考えられます。
1.会社の経営方針の明確化、再確認
2.後継者の人物像を明確化
3.後継者の選出。複数の競争もあり。
4.その後継者候補にあわせた育成計画を作成
5.育成計画の実施とフォロー
育成には時間がかかりますし、候補者が期待はずれのこともあります。あと戻りしたり、途中でぶれたりしないように、経営方針の作成から、人物像明確化などの最初のところをきちんとしたうえで、フォローも大事ですね。
なるほどね。選抜の場合は、選抜基準を公開するかどうかも課題ですね。
社内で反対者が出ないように、みなさんが納得するような形が望ましいですね。
育成のポイント
育成のポイントは次のようなことが考えられます。
1.早めに始め計画的に進めること
2.現場体験も含めて修羅場を体験させること
3.支える体制をつくること
4.その会社の実情にあわせること
5.経営者が本気になること
なかなかうまく進まないから悩むわけですから、強い決意をもって計画的に進めることが大事ですね。
修羅場も大事ですが一番は経営者の本気ですか?
漫才のミルクボーイではありませんが、そこのとろろもう少し詳しく教えていただけますか?
当社が進める「フロネシス経営」では、暗黙知を形式知にすることが大事だと考えています。経営者の方は、「後継者はこうあってほしい」という思いがあるはずです。しかし、明確になっていないことが多いものです。これを経営方針や後継者人物像などを作成するときに、ヒアリングしながら形式知として作成していきます。また、社内の事情についてもよく配慮しないと失敗します。時代も変化しています。パワハラやセクハラはすぐに問題になってしまいます。新しいコミュニケーション手段も発達しています。会社の内情がSNSで拡散されることもあります。経営者の方のご意見を聞きながら、その会社にふさわしい「後継者育成プロセス」を作成して、実行しなければなりません。
こんなところで、お得意のフロネシスが出ましたね。コンサルが勝手に育成方針を決めるわけじゃあないんですね。
実は、後継者の育成は、会社全体を発展させるいい機会かもしれませんから、経営者の方には本気になってもらいたいですね。
一つは、経営者が本気になること。二つ目は、後戻りや、ぶれたりしないように、経営方針や後継者像をはっきりさせることが成功の鍵ですね。
そのうえで、早めに計画して進めることですね。
人材不足というのは言い訳で、しっかりと育成すればいいかもしれませんね。
大事な未来を託す後継者ですから、しっかりと「経営者の思いをつなぐ」ことを目指したいですね。
今日も難しい課題でしたが、「経営者の思いをつなぐ経営方針・人物像造り」「計画的な後継者選抜・育成プログラム」などでお手伝いさせていただくのが一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
まずはお問い合わせください
今回は、「後継者を育てていますか」について、ご理解いただけたと思います。
経営コンサル、社員育成は当事務所・リーガルフロネシス株式会社にお任せください。
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(了)