行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第8回:仲のいい喧嘩をしていますか?

第8回:仲のいい喧嘩をしていますか?



概要

第8回は「仲のいい喧嘩をしていますか」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第8回は仲のいい喧嘩をしていますかです。

「喧嘩をするほど仲がいい」というのと一緒ですか?

「夫婦喧嘩は犬も食わない」といいますけどねえ。

「仲のいいけんか」というのは、私が愛読する柴田昌治さんの著書に出てくる言葉です。
日経ビジネス人文庫「なぜ社員はやる気をなくしているのか―働きがいを生むスポンサーシップ」柴田 昌治著
第6章 「仲のいいけんか」ができる組織―チームで内発的動機を喚起する

夫婦喧嘩ではなく、組織改革ですね?

組織内でも平和は大事だと思うのですが、組織改革では波紋を投げかける必要があるということでしょうか?

そうですね。ある相手の人とケンカをしてしまうと、会社内ではその人と接触するたびに、それが影響してギクシャクしてしまいますよね。いわば「敵を作る」ことになります。何でも反対されてしまうなんてことにもなります。「尖ってるほうがいい」と言われて失敗するサラリーマンもいます。だから、ケンカは避けるほうが賢明だと思います。上下関係では、上司のいうことに部下が従ったほうが組織運営はうまくいきますよね。

私も「喧嘩をするほど仲がいい」という言葉はあまり信じていません。

本人同士がじゃれ合う喧嘩は周りもわかりますが。そうでないときに喧嘩をすると、全体の雰囲気が悪くなりますよね。

率直な意見交換が必要

柴田さんは、組織改革の際にチーム内の動機づけのために必要なこととして提唱されていますので、是非著書を読んでいただきたいと思います。私は、意見を主張しないで周りに忖度する日本型の組織には、あえて波風をたてて、率直な意見交換をする必要があるというのは、大賛成なのですが、それを「仲がいい」という形で実施するのは、どうやればいいんだろうとずっと興味がありました。

普通に考えれば、日常的に「波風をたてる」のは、組織としてムリがある気がします。毎日の業務でいちいち異論を挟む理屈っぽい人がいたりしたら、議論ばかりで前に進まない感じもしちゃいますよね。たしか、警備員さんと話したときに、警備という業務は上司の指示に従うのが基本で、議論はふさわしくないといわれました。

日常の業務ではなく、そういう「組織改革の議論の場」を設定して、その中で「仲のいいけんか」をするということでしょうか?

もちろん、組織改革というのは日常業務から改革しないと効果はないでしょうが、組織改革を進めるうえでは、「場づくり」が大事ですね。明日からけんかをしなさいと言われても困りますよね。組織改革自体も抵抗勢力が出るのは目にみえていますので、組織改革をする場合には、よく説明して納得してもらう場をつくって、安心してもらうのが大前提です。

安心して発言できるというのは必要ですね。発言した人が、「反対勢力」「要注意人物」「うるさい奴」などのレッテルを貼られて、損するというのは勘弁です。

そういう安心して発言できるのが、特殊な場だけでなく、日常的に前向きな意見を出し合う状態=企業風土までいくのが理想なんでしょうね。

場づくり

「場づくり」にもノウハウがあります。一般的な日本の会議は、会議中は異論なくまとまって終わっても、終わったあとからブツブツと不満をいうパターンになります。建設的な意見を出し合う「場作り」だけで一つのテーマになるくらいです。まとめていうと、発言のルールを作って徹底するということになります。その場だけでなく、その場を離れても、悪影響にならない工夫も必要です。ワークショップなどでは、アイスブレイクといって、ゲームをしたりします。

会議で発言すると「空気を読めよ」といわれる会社もあるでしょうね。

「情報共有」という名の一方的な「情報伝達」も多いですね。

仲のいい喧嘩の作法

私は、「場づくり」の場の中だけでなく、日常的に健全な組織としての企業風土までもっていくと考えると「仲がいい」ということの本質的なテクニック=「仲のいい喧嘩の作法」みたいなものが必要なのかなあと思っています。

もともと仲がいいじゃれ合いではなく?

漫才のミルクボーイではありませんが、そこのところもう少し詳しく教えていただけますか?

例えば、「怒り」に焦点を合わせるとヒントがあると思います。
NHKヒューマニエンス 40億年のたくらみ「“怒り” ヒトを突き動かす炎」
「未来を予測し、過去を記憶、さらに他者との公平性を重んじることで生まれる怒りの火種」とあります。複雑な感情がありますね。
心理学的な観点から、怒りを分析するとヒントになりそうです。また、アンガーマネジメントという手法も経験されるといいかもしれません。

アンガーマネジメントは講習を受けたことがあります。6秒我慢しろと言われました。それがムリな人が多いんですけどね。

怒りというものを理解できると、発言が怒りに結びつかないような工夫ができそうですね。

もう一つは、ゴリラやサルの喧嘩の作法が参考になると思います。動物の世界では、権力争いが必然です。そこで力と力の争いになりますが、必ずそこには、勝敗を決したあとの和解があります。ゴリラとチンパンジーで違いがあるようですが、群れはその一連の流れを経て維持されます。

ゴリラのほうが戦争で殺し合う人間より賢いですね。人間に置き換えると必ず「仲直り」をするということですね。それが難しいんですよ。謝りたくないし。

いろいろやり方はあるとしても「仲直り」できれば、また安心して喧嘩できますね。

人間ですから、怒りの原因は複雑です。仲直りだけでなく色んな工夫もありそうです。いずれにしても、日頃から意見を出し合って、「仲のいい喧嘩」ができることを目指したいですね。

今日も難しい課題でしたが、「安心して発言できる場作り」「仲のいい喧嘩の作法」などでお手伝いさせていただくのが一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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今回は、「仲のいい喧嘩をしていますか」について、ご理解いただけたと思います。

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(了)