行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第26回:いい経営していますか~経営品質向上へ

第26回:いい経営していますか~経営品質向上へ



目次

概要

第26回は「いい経営していますか~経営品質向上へ」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第26回は「いい経営していますか~経営品質向上へ」です。

いよいよ経営の品質ですね。最初からやればよかったと思いますけど。

とても大きな課題ですし、難しい印象しかありません。

経営者の方は、いい会社にしたいと思っていても、どうしていいかわからないで手探りをしているのが実態だと思います。私は、ある会社で経営品質向上の活動をしていました。そのときは、経営品質の専門用語はあまり使わずに、その枠組みを利用して、「いい会社にしよう」という形で推進しました。会社は、どうしても、発生してくる課題の解決に追われてしまいます。たちどまって、本来あるべき姿や、理想の姿を考える機会をとることができません。この、経営品質向上の活動は、経営のあるべき姿に照らし合わせて、日常の活動や課題解決を図ることができます。

経営全般にわたっての改善活動になるわけですね。

「いい会社」「いい経営」という形の活動をとるんですね。そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

経営品質とは

さまざまな定義がありますが、日本では経営品質と品質経営の二つに分かれると思います。
1.日本経営品質賞(経営品質協議会)
アメリカのMB賞(マルコムボルドリッジ)を日本に逆輸入したもの
JAPAN QUALITY AWARD(JQA)と呼ばれますが一般財団法人日本品質保証機構(JQA)ではありません。MB賞自体は、アメリカが日本の経営に学ぼうとして作ったものです。
2.TQMとしての品質経営(日科技連)
1996年に「TQC」を「TQM」に変更しました。
製造品質からスタートして、経営全般に枠を広げた感じですね。

流派があるんですね。スタートが違うから内容も違うんでしょうね。

両方とも、さまざまな経営事例から導き出された枠組みでしょうから、きちんと系統的に経営の品質を向上させてくれる気がします。

私が利用した枠組みは日本経営品質賞でした。「経営品質向上プログラム」を実行するうえで、セルフアセスメントという制度を使います。自分たちで経営品質の自己評価をするわけです。セルフアセスメントで重要な役割を担うセルフアセッサーの養成プログラムが用意され、支援をしています。ただ、賞をとるのが目的ではありませんし、時間と労力と資金がかかると感じたので、枠組みしか使用しませんでした。アセッサーは実際には改革推進担当者として活動してもらいましたので、アセッサー教育も受講しませんでした。そのかわり、私が経営に関する本を200冊ほど読んで、枠組みに沿った形で改善プログラムに反映させました。
なお、枠組みは下記のとおりです。(当時)
1.目指すもの 卓越した経営
2.基本理念を構成する4つの要素
(1)顧客本位
(2)独自能力
(3)社員重視
(4)社会との調和
3.7つの重視する考え方
(1)顧客から見たクオリティ
(2)リーダーシップ
(3)プロセス指向
(4)対話による「知」の創造
(5)スピード
(6)パートナーシップ
(7)フェアネス
4.組織プロフィールとカテゴリからなるフレームワーク
(1)経営幹部のリーダーシップ
(2)経営における社会的責任
(3)顧客・市場の理解と対応
(4)戦略の策定と展開
(5)個人と組織の能力向上
(6)顧客価値創造のプロセス
(7)情報マネジメント
(8)活動結果

あいかわらす臨機応変ですね。枠組みはさすがに網羅されていますね。

リーダーシップが「みそ」ですかね。顧客本位とかプロセス指向とか対話とか、項目を見ただけでだいたいの方向性が見えてきますね。しかし、これはコンサルがいないと実際には展開するのは難しいかもしれませんね。

目標の設定と推進                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

最初は、経営の目標設定から始めました。
発生する課題の対応に追われていてはできないような、理想の姿と高い目標を設定します。
◆主な内容は下記のとおりです
1.理想の姿と目標
2.経営環境分析。環境の変化。
3.SWOT分析
4.個別の課題、目標

環境分析などをしっかりするといいですね。

上記の8つのカテゴリのうち、結果以外は目標設定で盛り込んだほうがいいですね。

経営理念があっても、あまり社員は知らないということが多いのが実情です。そこで、この目標設定時には、キャッチフレースも考えてもらいました。そして浸透のための施策を数多く採用しました。

早速カスタマイズしてますね。

浸透しないと意味がないですからね。

すすめかた

各部門には、アセッサーという形で担当者をおいてもらいました。しかし、リーダーシップが重視されていますので、リーダー:上司が率先して社員を巻き込む体制をこころがけました。ワークショップなどを通じて、経営品質の枠組みを落とし込んでいきました。主なすすめ方は以下のとおりです。
1.全社目標の設定と部門目標の設定
2.職場の改善活動などは、表彰制度も含め経営品質向上の活動として強化する。
3.全社幹部社員会の場で、活動報告(表彰)とワークショップ
4.各事業所で社長を含めた出張対話会(車座)
5.幹部社員の毎月2回経験学習対話とテーマ学習を20回(実践塾)
6.全社アセッサー会でワークショップと表彰された現場見学
7.年一回の新任幹部社員教育でワークショップ
8.アセッサーによる対話会と学習(コーチング20回とファシリテーション20回)
9.ブログの連載
10.社内報で報告

こうしてみると、活動が多岐にわたっていますね。ワークショップをこんなにやったら、中身を考えるのも大変だったと思います。

経営品質の向上なので、最終的には全社の活動になったんですね。改善活動などの下地があったのも良かったんですね。

ワークショップでは、毎回違うテーマで皆さんに考えてもらいます。これから新規で経営品質の向上に取り組む場合には、枠組みの項目(独自能力、プロセス指向など)に照らし合わせて、その企業の問題点をしっかり把握して、その課題解決のためになるワークショップを提案していくといいですね。組織の人数、規模、ビジネススタイルなどにあった形で、すすめ方を工夫していかないといけませんね。

かなりの数で全社にわたって対話が行われている印象ですね。課題も会社によって違うのを見極めていかないと効果的ではないですね。

ファシリテーションが駆使されているんでしょうね。でも、対話中心に目標を実現するスタイルはいいですね。上から「目標を達成しろ」と尻をたたくスタイルは、どうにかしないといけませんからね。

いい組織風土

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。顧客本位、独自能力、社員重視、社会との調和という観点から経営品質の向上を進めることが大事です。経営品質の向上の枠組みには、これからやるべきことの項目が、網羅されています。この活動を組織風土として定着させることで、組織能力が高まり、社員やお客様の笑顔にもつながります。

経営品質の向上というのは、これまで自分たちなりに考えていて、経営の向上について、一つの枠組みを提供してもらうんですね。

その枠組みが一部の人の取り組みではなく、組織風土にまでなると経営が向上しますね。

まとめ

会社経営の品質の向上には近道はありません。経営品質向上の構成要素「顧客本位」「独自能力」「社員重視」「社会との調和」を利用して、課題をあぶり出し、高い目標の達成に向けて取り組みことが大事です。リーダーが率先してワークショップ、対話会などを通じて、経営品質の向上を図ります。この活動を組織風土として定着させることで、組織能力が高まり、社員やお客様の笑顔にもつながります。

今日も難しい課題でしたが、「経営品質向上の進め方」「目標をおとしこむワークショップ運営」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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今回のお話はいかがでしたでしょうか?

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(了)