目次
概要
第33回は「毎日決めていますか~集団編」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第33回は「毎日決めていますか~集団編」です。
個人と違って集団で決めるのはいろいろとありそうですね。
会社で決めるときは単純な多数決とはいきませんね。
会社で集団で決断するとなると会議になります。会議でよくあるのが、次回への先送りです。会議の運営方法も含めて、会議での決断のしかたを見直す必要があります。
日本の会議の特徴は、その場では意見をいわずに、会議のあとに不満をいうケースが多いと思います。そのあたりが改善ポイントでしょうね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
集団の意思決定の特徴
集団思考あるいは集団浅慮という言葉があります。集団で意思決定する場合には、個人の意思決定より質が劣る傾向があります。
強いリーダーがスピード感を持って意思決定する会社に比べると、なんでも会議で決めようとすると、民主的な感じはあるんですが、スピードが落ちるかもしれませんね。
あるいは、腹のさぐりあいのような、無駄なプロセスが生まれそうです。
集団の意思決定の特徴は以下のようになりますので、こうならないように注意して会議を運営する必要があります。
1.楽観主義
集団であるために、危機意識が麻痺して、楽観的になる場合があります。
2.無反省な前提
意思決定に目が行くため、その前提を疑わない傾向があります。
3.過去の合理化
過去の事実は正当性を疑わずに、合理的に見てしまう傾向があります。
4.ステレオタイプ
ものごとをステレオタイプで決めつけて、議論する傾向があります。
5.異論への圧力
異なる意見を会議の場で話すことには圧力がかかります。
6.多数意見を全員一致と思い込む
多数意見で決めたことを全員一致して決定したと思い込むことがあります。
7.無責任感
集団での意思決定ということで、参加者個々の責任感が薄れる傾向があります。
いろいろと問題がありそうですね。同調圧力がありますからね。
楽観的になるのは、「赤信号みんなで渡ればこわくない」という傾向ですね。
正しい決断のプロセス
集団浅慮にならないための、決断にいたる正しいプロセスは個人の場合と同じです。
1.課題と目的を決める
2.選択肢を考える
3.決める基準を考える
4.選択肢を比較する
5.一番良い選択肢を選ぶ
これらの一つ一つを話し合いで決めるわけです。
参加者が各プロセスにしっかり参加する運営をします。
1~4までは合議して、最後の5だけ個人が決めるパターンもあります。
集団で行う場合は、このプロセスをしっかりとステップを踏むようがよさそうですね。
このプロセスのどこにいるのか、迷子になる会議もありますね。
意思決定マトリックスとプロコン表をつくる
決定のツールは個人と同じです。ただ、それを集団で話しあって作成することになります。
◆意思決定マトリックス
複数の案の比較表をつくるときに、評価点をつけ、その合計点で比較します。項目にウエイト付けをして数値を変えることもあります。この重み付けで結果がかわるので重要です。また、合計点が多い案が平均的な案でものたりないこともあります。そういうこともあらかじめ議論しておくといい結果につながります。
◆プロコン表
テーマまたは候補案の是非を決める場合に使用します。項目毎に賛成と反対の理由を書き出していきます。ここでも、理由の数で決めるのではなく、重みをつけて比較することが重要です。
重み付けでひっくりかえしそうです。
集団で項目をあげさせるとたくさん出て効果がありますね。
発散と収束
プロセスを単純化すると、発散と収束になります。発散でたくさんの選択肢をだし、収束の段階で決めるわけです。このプロセスがいつも混乱してしまう会議が多いです。司会進行役の腕のみせどころです。
発散が終わってないのに収束したり、収束に入っているのに発散しようとする人がいたりしますね。
これも慣れの問題ですね。慣れていないと、収束段階で発散の意見が出て、結局は決断先送りパターンがありますね。
対立の解消と合意形成
意思決定マトリックスなどを使用して、発散から収束へのプロセスを踏むとしても、あくまでも合理的な判断のプロセスですから、この合理的な判断プロセスでおさまらないことがあります。感情や価値観などが影響して対立する場合です。この場合には、感情や価値観などにも配慮した対話などによる合意形成が必要となります。
「正しいのはわかってるけど、従うのはいやだ」みたいな感情ですね。
対立から衝突までいく可能性もありますから、熟練のスキルが必要ですね。
会議以外の行動
会議意外の行動が習慣となっているケースもあります。その典型的なものが、「根回し」です。会議では波風はたてないという習慣です。八方に根回ししたために、平均点な案しかでてこなくなることがあります。
個別に事前説明するというと聞こえがいいですけどね。
大企業病ですね。
合意事項を実現する方法
合意した事項は実現する必要がありますから、実現する段階まで視野にいれた実現性のある選択肢をもつ必要があります。合議の段階で納得感を高めることにより、実現性も高まります。
多数決などの数の論理ではなく、参加者の納得感を高めるわけですね。
発散の段階からしっかりと実現性を視野にいれるほうがいいですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。集団での意思決定によって会社が運営されるといっても過言ではありません。発散と収束の集団意思決定が繰り返されると、個人の表情も明るくなり、会社の雰囲気もよくなります。大きな目標に向かって、納得感の高い集団意思決定ができれば、会社はよくなります。
経営者の方の決断と集団的意思決定の使い分けも必要ですね。
個人の決断と集団の意思決定がうまく組み合わされると、活気あふれる会社になりますね。
まとめ
会社では集団の意思決定が重要な地位を占めます。集団浅慮にならないために、正しいプロセスで決める必要があります。しっかりと発散してから、収束にはいります。意思決定マトリックスやプロコン表をつくることも効果的です。感情的な対立は対話で解消します。決断したあとの行動のためには、意思決定過程での納得感が大切です。スピード感ある個人の意思決定と、納得感の高い集団意思決定ができれば、会社はよくなります。
今日も難しい課題でしたが、「正しい集団意思決定のし方」「計画と決断と実行のプロセス化」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)