概要
第28回は「お客様の声を聴いていますか~CS向上へ」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第28回は「お客様の声を聴いていますか~CS向上へ」です。
CSは顧客(CUSTOMER) 満足 (SATISFACTION) ですね。
お客様の声を聴くのは大切だとわかっているのですが、なかなかできないんですよね。
経営者の方でも、サービス業で毎日お客様と接している方はともかく、そうでないとなかなか難しくなりますね。
製造業でも、製品にお客様のご要望を活かすわけですから、大事な点はかわりませんよね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
お客様の声を聴くとは
「お客様の声を聴く」というのは、あまりにも言い古されていますから、逆に誤解を生じる可能性もあります。簡単にいうと以下の点に要注意です。
1.お客様の声はさまざまで統一されているわけではない
2.不満の声も満足の声も両方聴かないとわからない
3.お客様自身が自分の本当の満足理由、不満理由がわかっていない場合もある
4.お客様に直接接してない場合には、努力・工夫をして集める必要がある
5.声を集めても、分析しないと活かせない
6.お客様でも、発注する人(買いにくる人)と実際に使用する人(買うことを頼んだ人)で満足する場面・理由が違う
7.販売代理店などでは、販売代理店と最終顧客とで満足する理由が違う
以上の点を踏まえて、単に声を聴くだけではなく声を聴いて顧客満足を向上させたいと意味がありません。
なるほど、以外と奥がありそうですね。
集めるのも大変ですが、集めたあとも大事そうですね。
お客さまの声を集める方法は以下のようになります。
1.営業マン、保守担当者、接客係が直接自分で聞き取る
(メリット)生の声を聴くことができる
(デメリット)それぞれ直接お会いする場合、お話する場合だけに限定される
直接にはいえないこともある
2.質問形式のアンケート
(メリット)質問で聴きたいことを聴くことができる
(デメリット)面倒なので回答しない人もいる
質問が悪いと、アンケートそのものが悪材料になる
3.モニタリング、または覆面調査
(メリット)普段の飾らない状態を把握することができる
(デメリット)多数の店舗などでは、時間とお金がかかる
4.店舗などに置く自由形式のアンケート、サイトの問合せ機能
(メリット)気づきにくい不満などを集めることができる
(デメリット)こだわりの少数意見など採用しにくい声も集まる
5.定期的・継続的に行う調査
(メリット)時系列的に改善傾向などを把握できる
(デメリット)時間と費用がかかる
6.顧客の購買データ管理による分析
(メリット)お客様の購買行動から満足度、理由などを把握できる
(デメリット)分析結果を推測するだけになる
それぞれ一長一短がありますね。
中小企業ではなかなか取り組みにくいですから、自分の身の丈にあった工夫が必要ですね。最近のSNS時代では、購買履歴、閲覧履歴などのデータがどんどん活用されているイメージですね。
サービス業の場合
サービス業では、対人接客や、対人のサービス提供が多いので、お客様の満足度がすぐに経営の結果につながります。提供するサービスが、毎日人によって作られるために、安定した質の高いサービスを提供するためにも、お客様の声を常に把握する必要があります。
スカンジナビア航空で有名な「真実の瞬間」を意識しないといけませんね。
飲食店などでは、ホール作業員の接客プロセスを分析すると、改善につながります。
飲食店なんかでも、接客担当の印象がその店の印象になりますね。
リピーターがほしいですから、毎日が真剣勝負ですね。
「顧客の期待どおりでは満足ではない。顧客の期待を超えて初めて満足だ」ともいいますね。ただ、過剰な要求をする人もいるので、そこは注意が必要ですね。サービスの規模によっては、コールセンターという形で、電話応対のサービス向上のために、応対をプロ化してしまうこともあります。
顧客満足で重要な考え方は、抽象化と具象化の繰り返しだと思います。一人一人のご意見の中で採用すべき平均的な項目を抽象化する作業もありますし、実際の店舗などでは、「いつもの」といわれてわかる常連対応も求められます。
顧客満足は千差万別かもしれませんね。
サービス業では、社員教育がますます重要になりますね。
おもてなし経営で表彰された「四国管財」という会社があります。
高知県のビルメンテナンス会社です。お客様の声=クレームを大切にするために、「ラッキーコール」と呼んでいるそうです。お客様の声を年間300件集めてるようですが、24時間365日の専門受付体制を構築したようですね。クレ-ムを社員のせいにしないで、会社に問題があるととらえているために、社員の自己申告も多いそうです。社員もお客様ととらえており、子供のいじめの相談も放置しないという姿勢です。夢の実現をめざす「ドリームカード」を全社員が所持しているのも特徴です。「笑顔と挨拶と報連相」が経営理念だともいっています。
ほんとうに社員やお客様を大切にしているという感じを受けます。
夢をもって仕事ができるなんて素晴らしいですね。クレームは宝の山ですね。
製造業の場合
製造業では、「いい製品をつくれば売れる」という発想になってしまうケースがあります。プロダクトアウトの発想です。しかし、買う側の要望を取り入れて初めていい製品を作ることができるわけですから、製造業でも顧客の声を聴くことは大切です。例えば、
「使いやすさ」も重要な機能です。ISOの要求事項の中に顧客満足が入っていますので、製造業での取り組みは多いです。
ただ、以下の点に注意です。
1.一般消費者向け製品では、販売店舗の声も聴く必要がある
2.法人向け製品では、発注担当者だけでなく実際の使用者の声も聴く必要がある
3.販売代理店経由では、販売代理店だけでなく最終顧客の声も聴く必要がある
4.外注する場合は、外注先に顧客の声を届ける必要がある
5.製品の使用方法のヘルプデスクなどには重要な声が集まる
6.ユニバーサルデザイン、高齢者の使用など少数意見も聞く必要がある
その場で消費する製品と、長い間使用する製品では、顧客の声の聞き方も変わってきますね。
店舗、代理店、外注先と、顧客満足の重要な鍵を握っているのが、外部のパートナーである場合には、巻きこんで、顧客満足を図る必要がありそうですね。
製造業でも、抽象化と具象化があります。共通スペックとして採用する項目と、カスタマイズで対応する項目です。また、修理作業が満足度の鍵をにぎる製品もあります。その場合は修理に関する分析・解決能力が鍵になります。
実際の使い方に故障の原因があったりするわけですね。
故障しないのが一番でしょうが、修理がスムースだと満足度があがりそうですね。
顧客の声は宝の山
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。お客様の喜びは社員の喜びになります。そのためにも、お客様の声を聴く必要があります。もちろん声を聴いて放置したら逆効果ですから、対応をしなければなりません。また、お客様の声はビジネスチャンスです。隠れた意見や、少数意見の中に、「付加価値」「改善項目」などのおもいつきにくい「経営のヒント」が隠されていることもあります。成功した企業の多くは、顧客の声から真の顧客満足向上を図り、さらに新たなビジネスにつなげています。
顧客が感じる価値の気づきですね。
価値は、商品を作っている側からは気づきにくいですからねえ。
まとめ
お客さまの声を集める方法は、(1)直接聞き取る(2)質問形式のアンケート(3)モニタリング(4)自由形式のアンケート(5)定期的調査(6)顧客データ分析があります。不満の声も満足の声も両方聴かないとわかりません。サービス業では、安定した質の高いサービスを提供するためにも、お客様の声を常に把握する必要があります。製造業では、販売店などと共に最終顧客の声を聴くことは大切です。顧客の声から顧客満足向上につなげる必要があります。お客様の喜びは社員の喜びになります。顧客の声から真の顧客満足向上を図り、さらに新たなビジネスにつながります。
今日も難しい課題でしたが、「お客様の声を聴く体制の構築」「お客様の声を経営に活かす仕組み作り」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)