目次
概要
第44回は「いい1on1していますか~組織と個人の活性化のために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第44回は「いい1on1していますか~組織と個人の活性化のために」です。
1on1(ワン・オン・ワン)は1対1ですか。ゲームでもあるけど、企業でもよく聴く言葉ですね。
流行はしてるけど否定的な話も聞きますよね。
1on1というのは、やることが個人面談とほぼ同じですから、すぐに導入しようと思って、あまり準備しないで導入して失敗というパターンがあるんでしょうね。
なるほど。個人面談や1on1は、その場の会話を上司に任せるわけですから、実施する側の準備をしっかりしないと危険ですね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
1on1とは
1on1とは、上司と部下で行なう定期的な1対1の面談=ミーティングです。シリコンバレーを中心に、アメリカでは数多くの企業が実践しています。日本では、ヤフーが全社約7000人規模で実施しているので有名ですね。
個人面談と同じような気もするのですが名前が違うので違いはあるんでしょうね。
アメリカで始まった制度だとすると、日本に導入するときに工夫しないと難しいかも。
1on1が導入される背景
1on1が普及した背景は以下のようです。
1.コロナでオンライン面談が普及して1対1が容易になった
2.コロナで大勢が集まるのが難しくなった
3.労働力不足で社員を大事にする必要が出てきた
4.働き方の多様化で個人の事情を把握する必要が高まった
5.企業の目標をブレークダウンして実行する場としても有効
6.個ではあるが上司とのつながりを強めてチーム力向上にも有効
目標管理制度で始めた評価面談とは背景が少し違いますね。
とはいっても、会社側がやりたいけど社員が迷惑という構図はにてますね。
1on1がうまくいかない例
1on1がうまくいかない例が多いです。
1.仕事を指示する場にしてしまう
2.部下を否定したり、批判したりする
3.話題がないので沈黙する
4.忘れて毎回同じ質問をしてしまう
5.かえって信頼関係をなくしてしまう
6.時間のムダと思わせてしまう
「あるある」ですね。
たしかに、しっかりとやり方を決めたほうがよさそうですね。。
1on1に必要な上司のスキル
1on1は準備が大事です。そういう意味では上司にあらかじめ必要なスキルを習得してほしいですね。
1.話を聞くスキル
コーチングのスキルが有効です。コーチングのスキルはいい質問をして相手に気づかせるのが基本ですが、「傾聴」がありますし、「承認」もあります。顔を見て話しを聴いてうなずいてください。
2.意見を伝えるスキル
指示や命令でなく、アドバイスとしてフィ-ドバックするスキルが必要です。
相手が受け入れようと思わないと意味がないです。尊重したうえで意見をいいましょう。
3.信頼関係を築くスキル
雑談もいれながら信頼関係を築く必要もあります。心理的な安全性を確保します。自分から信頼していると伝えるほうがいいですね。
上司の方がパワハラの場にしたりしないようにしないといけません。
立場というかスタンスというか、そもそもの基本線を間違えると逆効果ですね。
1on1の「べからず集」
失敗例からできるのが「べからず」集ですね。
1.上司風を吹かせない
命令、指示の場にしてしまったらいやになるのがあたりまえです。
2.だらだらと無意味にしない
話す項目を決めたり時間管理や記録をしっかりしたいですね。
3.否定、批判しない
すぐに否定・批判する人がいます。自分が言われたら嫌なことはやめましょう。
4.評価面談と一緒にしない
評価面談を毎回されるとつらくなります。分けるほうが賢明です。
5.相手に関心がない
業績にしか興味がなく、一人一人に興味がないと、相手にわかってしまいます。
6.話を聞かない、うけとめない
話すことに夢中になり、聞くことを忘れると逆効果です。
聴いた話を流さないでまじめに受け止めてください。
べからず集があると、注意点もはっきりしますね。
結局は相手を尊重するのがいいですね。
1on1を成功させるために
成功させるためには「べからず」の逆になります。
1.制度の目標をはっきりさせる
(1)企業目標の達成
(2)社員の育成とモチベーション向上
(3)上司の育成
(4)チーム力の向上
(5)社内のコミュニケーション向上
(6)心理的な安全性を確保する
(7)退職を防ぐ
目標に沿って質問項目表などで管理するのも有効です。
2.上司側のスキルを向上させる
研修などの事前準備が効果的です。チェックシートなども効果があります。
3.継続するためのマネジメントをする
やりっぱなしではなく、記録をとったり、報告をさせたりして、マネジメントすることが有効です。
4.時間管理をする
お互いに貴重な時間ですから、決められた時間どおりに行う必要があります。
5.フィードバックをする
1対1で行う内容に関し、第三者が不満などを聴く制度も効果的です。
6.秘密厳守などのルールを設ける
会話内容が周囲にもれないように注意します。「この件は上にあげてもいいね」といような確認をするクセをつけましょう。
7.ITツールの活用
1on1のツールが販売されています。専用ツールでなくても、IT活用は有効です。
会社の制度として管理することが大切そうですね。
不満を増やすなら「やらないほうがいい」となってしまいますからね。
中小企業と1on1
中小企業では、少ない人数でやっているために、お互いにわかり合えていると思いこむ危険性があります。しかし、実際には普段は人前ではなかなか話せないけどわかってほしいことがあったりします。時間をとって1対1で話すことは中小企業でもとても有効です。使い方次第でモチベーションをあげることも可能ですし、少ない人数だからこそ効果が大きいともいえます。
たしかにそうですね。「人」が大きい資源ですからね。
「限られた資源を有効にする」というのがいいですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。1on1を定期的に行うことで、ちょっとした不満や疑問の解決、わだかまりの解消にもつながります。社員は安心して発言し、仕事に向き合えます。社員を中心にしたスタンスでマネジメントしながら進めることで、社員の継続的な育成、モチベーションの向上、心理的安全性の確保、ひいては業績向上にもつながります。
「心理的な安全性の確保」がいいですよね。
1on1は形の上では「場の提供」にすぎませんから、効果的な制度になるような運営をする必要がありますね。
まとめ
1on1とは、上司と部下で行なう定期的な1対1の面談=ミーティングです。うまくいかない例もあるので、上司側のスキル向上などの準備をして、制度を導入する必要があります。成功のためには「目標明確化」「継続マネジメント」「時間管理」「フィードバック」「秘密厳守などのルール」が効果的です。社員を中心にしたスタンスでマネジメントしながら進めることで、社員育成、モチベーション向上、心理的安全性確保、ひいては業績向上にもつながります。
今日も難しい課題でしたが、「1on1制度設計」「1on1導入研修」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)