行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第16回:現場力つけていますか?~本社と現場

第16回:現場力つけていますか?~本社と現場



概要

第16回は「現場力つけてますか」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第16回は現場力つけてますかです。

現場という言葉はよく言いますけど、踊る大捜査線で青島刑事が「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」っていってましたねえ。

現場力というと、製造現場のQC活動のようなことですか?

経営者の方は、売上計画を作ったり、戦略を練ったりします。このときに、計画どおりに行かないということが多くあります。ここから経営コンサルの出番になるわけですが、まずは、会社の現状をしっかり反映した計画を作ることをお勧めします。と同時に、計画どおりに行くように現場の改善を提案することになります。

織田裕二を理解してくれる、柳葉さんが必要ですよね。

製造現場だけでなく、お客様と接するサービスの現場もありますし、現場を広くとらえて把握することも必要ですね。

会社が発展すると、経営者の方と現場で距離が生まれてきます。代理店や販売店、下請丸投げなどで、お客様との距離も生まれます。それらが、溝にならないようにする必要があります。今はすっかり評判が下がりましたが、昔カルロス・ゴーンは『「現場力」こそが、企業の生命線なのです。ヒーローである現場の人々を称賛し、勇気づけるのが私の責任と考えます。』と言っていました。現場力を強化することが、経営の改善の第一歩であると、経営者の方が決意していただくことから始まると思います。

そういえばある会社で、新しく就任した社長が“現場”“現物”“現実”の「三現主義」を唱えて、びっくりしたことがあります。「今さら何を」って思いましたけど、今から思うととても大事な基本に立ち返ることを言ってたと思います。

そこのところもう少し詳しく教えていただけますか?

現場力とは

現場力は、「生産・サービス現場の力量、常時発生する問題を自ら解決する能力」と定義されています。お客様との接点という意味では、営業の現場力というのもありそうですね。経営の三要素が「ビジョン」「戦略」「現場力」と言われることもあります。3現主義だけでなく5現主義もあります。「現地」で「現物」を見て「現実」を知り、「原理」に則って「原則」を作り問題を解決する=ものです。

なかなか、固い感じの言葉が並びますね。青島刑事の決めゼリフのほうがわかりやすいです。自ら解決する能力といわれてもねえ、そうはいかないから困ってるし。

まずは、問題点が現場にあるかどうかを把握しないといけませんよね。

現場で起こっている問題点を整理すると、以下の2つに分けられます。
1.現場の問題
 ・品質やサービスが劣化しても気づかない
 ・毎日発生する課題に追われて、対症療法ですませる日々
 ・疲弊感などで士気が下がる、悪い雰囲気になる
 ・日常の繰り返しから惰性で抜け出せない  など
2.マネジメントの問題
 ・現場をコストダウンの対象としてしか認識しない
 ・現場を理解していない。改善方法がわからない
 ・現場が優位になり、本社・経営者のいうことをきかない
 ・本社・経営者のやりたいことが伝わっていない

こうやって整理すると、現場にもマネジメント側にも問題があることがわかりますけど、どっちもどっちという感じもありますね。

一体感が必要というのがわかりますね。

現場の理想の姿

理想の現場は、お客様に提供する価値を創造し、会社のビジョンを実現するために、自律的・継続に課題を解決する現場だと思います。前述した課題が全て解決している現場が理想ですね。会社の現状によっても理想のありかたは違うと思います。現場では、目の前にお客様がいたり、製造ラインが流れたりするわけで、いちいち上司や本社の判断を仰げないので、自律的に解決する事も必要です。

なるほどね。理想と現実のギャップを改善していくわけですね。

そこで、改善策にとりかかるわけですね。

ここでも、対策を2つに分けて考えることができます。
1.現場の改善
・作業環境・設備の改善
・正味作業と付帯作業の切り分け
・ムリ・ムダ・ムラの撲滅
・現場作業の見える化
・作業工程や工具などあらゆるものを標準化
・5S。安全対策、危険予知、ヒヤリハット
・QC活動の実践
2.マネジメントの改善
・現場を把握する仕組み作り
・現場の声、お客様の声を吸い上げる仕組み作り
・現場での教育充実
・自律的に改善するしくみ
・小集団活動の導入・褒賞
・現場を踏まえた戦略立案と現場への還元
3.企業文化
トヨタの「ジャストインタイム」「かんばん方式」は、一度はみなさん勉強したことがあると思います。問題を発見したらなぜを5回繰り返すというものもあります。これらは、会社全体で実施していると思います。企業風土の中に、こういう「ものづくりの文化」を埋め込んでしまうことも必要です。

どちらとも分類が難しそうなのもありますね。現場任せにしてはいけない気がしてきました。5Sなんて基本かもしれませんが、意外とこういう基本が大事で、現場の意識改革にもなるんですよね。

企業風土になったら強いですね。

本社がデザインしてサポートする

現場力の改善は、本社が企画して主導して、支援することが重要です。以下の3つが必要となります。
1.変化に対応する力
世の中の変化、市場の変化、顧客需要の変化などを把握し、現場に必要な方向性を決める力が必要です。ここから、現場で発生する課題だけでなく、環境に適応するための課題や、戦略を実現するための課題を設定して解決することになります。
2.改善する力
現場では常に課題が発生します。本社と現場が協力して、対症療法だけでなく、原因療法で根本から解決する必要があります。自律的な改善も必要です。
3.実施する力
現場は実施する場です。実施する力が衰えないように強化します。人員不足や製造設備の劣化などを解決する必要があります。

変化への対応が欠かせないとすると、本社の役割が重要ですね。

横綱には「心技体」が必要と言われますが、本社と現場にはこの3つの要素ですね。

結局は、現場力を強化するために、トップダウンとボトムアップの両方が一体となる必要があります。どうしても、どちらかだけになる傾向があります。

あらためて言われると、本社の役割がわかりますね。

それも含めた企業風土になるといいですね。

まとめ

現場力の強化は、経営戦略実現に不可欠です。現場任せでは、日々の作業と課題改善に追われてしまいます。現場の理想の姿に向かって改善していくためには、本社がデザインしてサポートする必要があります。現場力には、変化対応力、改善力、実施力が必要です。企業風土になれば現場が自律的・継続的に改善していくことも可能です。

今日も難しい課題でしたが、「現場力強化の仕組み作り」「戦略実現のための現場力強化」などでお手伝いさせていただくのが一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

まずはお問い合わせください

今回は、「現場力つけていますか」について、ご理解いただけたと思います。

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(了)