目次
概要
第46回は「心の健康づくりしていますか~メンタルヘルス対策のために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第46回は「心の健康づくりしていますか~メンタルヘルス対策のために」です。
メンタルは大事ですね。心の不調になる人が増えてますからね。
よく聴きますね。
心の健康づくりはメンタルヘルスケアとして厚生労働省が推進していますね。もともと企業においては、労働災害を防止するのが課題でした。その一つとして、メンタル面の健康の重要性が増しました。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」があります。
なるほど。長い間の取り組みがあるんですね。ストレスチェックも制度化されました。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
メンタルヘルスケアとは
メンタルヘルスケアとは、全ての働く人が健やかに、いきいきと働けるような気配りと援助をすること、およびそのような活動が円滑に実践されるような仕組みを作り、実践することをいいます。
すべての人の状態にあったケアをします。
①健康な人・・・健やかに、いきいきと働いている
②半健康な人・・・勤務はしていても過剰なストレス状態
③ストレス状態の人・・・・ストレス関連疾患、精神障害の症状
企業として組織的に取り組むわけですね。
労働環境で見過ごされていた「心の環境」がますます重要ですね。
メンタルヘルスケアが必要な理由
強い不安やストレスを感じている労働者が6割を超えると言われます。精神障害等の労災補償状況も増加傾向にあります。このような中で、心の健康問題が労働者、その家族、事業場及び社会に与える影響は大きくなり、労働者の心の健康の保持増進を図ることは重要な課題となっています。
コロナでは、テレワークが広まり、労働環境が大きく変わりましたから、その配慮も必要になっています。現在、労働者が常時50人以上いる事業場には、ストレスチェックの実施が義務付けられています
昔はシステムエンジニアが多いと思っていましたが、最近は職種にかかわらず配慮が必要な気がしますね。
コロナで不安を感じても、テレワークで相談しにくい状況かもしれませんね。
4つのケア
厚労省の推進するメンタルヘルスケアには4つのケアがあります。
1.セルフケア
自分でこころがけるケアです。自らのストレスに気付き、予防対処します。会社はそれを支援します。
2.ラインケア
上司から部下に行うケアです。職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行います。
3.スタッフケア
専門部署が行うケアです。産業医、保健師や人事労務管理スタッフが行います。上司の支援や、メンタルヘルス対策の企画立案を行います。
4.外部ケア
社外の専門家が行うケアです。会社以外の専門的な機関や専門家を活用し、 その支援を受けます。
セルフもあるんですね。
上司も責任が重いですね。
メンタルヘルスケアの進め方
メンタルヘルスケアは以下のように進めます。
■計画
1.メンタルヘルス指針の制定
2.体制の整備
3.心の健康づくり計画の策定(4つのケア)
4.教育研修等の施策の実施
■施策の実施
1.教育・情報提供
会社はすべての働く人(上司含む)に向けて、メンタルヘルスケアに関する情報を提供し、啓発を行います。
2.環境把握と改善
環境としては、空調や照明、広さといった物理的環境のほかに、作業レイアウトや職場組織、情報の流れ方、労働時間、求められる作業量や責任など多岐に渡ります。まずは作業レイアウトや物理的環境の改善から始めましょう。産業保健スタッフを中心に、人事・労務担当者、上司、働く人が協力しながら、職場環境の改善を図ります。
3.不調の気づきと防止
産業保健スタッフと協力して、部下が上司に相談しやすい環境や雰囲気を整えます。早期発見・早期対応の第一歩は、部下の「いつもと違う」変化にいち早く気づくことです。
例)遅刻欠勤、会話がない。表情が暗い、仕事の成果が下がるなど
4.職場復帰支援
休業中の人が円滑に職場復帰するためには、「職場復帰支援プログラム」の策定や関連規定の整備が必要です。「職場復帰支援プログラム」は衛生委員会での審議や産業医の助言をもとに個々の事業場の実態に合ったものを策定します。
4-1.第1ステップ 病気休業開始および休業中のケア
4-2.第2ステップ 主治医による職場復帰可能の判断
4-3.第3ステップ 職場復帰の可否判断および職場復帰支援プランの作成
4-4.第4ステップ 最終的な職場復帰の決定
4-5.第5ステップ 職場復帰後のフォローアップ
情報の提供というのが効果が大きいですね。今では気にしなかった言葉が、相手を傷つけているかもしれないと、反省する機会になりそうです。コンプライアンスなどで世の中の常識が変わっていていますからね。
学校では、「いじめ」を「ふざけていた」「遊んでいた」といいわけするように、会社でも、一見明るい職場なのに、心を痛めている人がいるケースもありますからね。不調に気づくことが大切そうです。
留意しなければならないこと
留意しなければならないことは次のようなものがあります。
1.個人情報の管理
健康に関する情報は厳重に管理すべき個人情報です。特にメンタルヘルスに関する健康情報は、誤解や偏見を招きやすいデリケートなものですので厳格に保護しなくてはなりません。
2.不利的取り扱いの禁止
メンタルヘルスに関する情報で不利益な取り扱いを行ってはいけません。
3.家族の協力とサポート
家族が果たす役割はとても重要です。家族は「いつもと違う」状態に気づきやすく、受診を勧めたり、休業中や職場復帰のサポートをしたり、速やかな回復のために家族の協力は欠かせません。 家族がストレスとなることもあるので注意しましょう。
4.産業保健総合支援センターの活用
「産業保健総合支援センター」では、産業保健スタッフ向けにメンタルヘルス対策をはじめとする産業保健に関する相談、研修、情報提供等の支援を原則無料で行っているほか、事業主を対象とした産業保健の課題と対策等に関するセミナー、労働者を対象とした啓発セミナーなどを開催しています。
ずいぶんいいことが多いですね。
うまく機能すると効果が大きそうですね。
メンタルヘルスケアの効果
次の効果が期待されます。
1.メンタルヘルスの直接的な効果
・社員のメンタルヘルスを促進するとともに、未然防止効果もあります。
・従業員満足度(ES)向上
・企業経営・収益に寄与
・社員のモラル向上・ハラスメント防止
・モチベーションUP、労働能率の向上
・組織への帰属意識の向上
・離職率の低下・定着率UP
・すぐれた人材の確保・技術の伝承
・生産性UP、 業績UP
・医療費の削減、傷病手当金の削減
2.採用
取り組みを公表することで、採用面ではプラスに働きます。
3.社外の評価
ホワイト企業として認知されます。
働く人のメリットだけじゃあないんですね。
会社のイメージもよくなりますね。
中小企業とメンタルヘルスケア
中小企業では、少ない人数ですから、メンタルの事例がない場合も多いと思います。しかし、メンタル疾患にかかる可能性はありますので準備をしましょう。
1.社内規定の整備(欠勤、長期休暇、休職、復帰、半日勤務、就業制限など)
2.上司への教育で不調発見と未然防止をする
また、社内で体制が整備できないときは、産業保健総合支援センターを活用するといいでしょう。
ストレスチェック義務がないといっても、メンタルヘルスケアは重要ですね。
人数が少ない分、一人でも長期休暇、休職になると戦力減ですから、未然防止が必要ですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。メンタルヘルスケアを組織的に取り入れることで、社員の心の健康を保つとともに、社内のハラスメンントを防止するなどの効果が期待でき、社員は楽しく仕事をすることができます。
上司も含めてハラスメント的な行為は減るといいですね。
外見だけ明るい職場ではなく、本当にメンタル面でもよい職場が理想ですね。
まとめ
労働者の心の健康の保持増進を図ることは重要な課題となっています。メンタルヘルスケアは「メンタルヘルス指針の制定」「体制の整備」「心の健康づくり計画の策定」「教育研修等の施策の実施」という手順で進めます。実施の段階では、「教育・情報提供」「環境把握と改善」「不調の気づきと防止」「職場復帰支援」というプロセスです。メンタルヘルスケアを組織的に取り入れることで、社員の心の健康を保つとともに、業績面でも様々な効果が期待でき、外部からの評価も高まります。
今日も難しい課題でしたが、「メンタルヘルスケアの導入」「メンタルヘルスケア研修」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)