行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第55回:モチベーションアップをしよう~やる気が成果を上げる

第55回:モチベーションアップをしよう~やる気が成果を上げる



目次

概要

第55回は「モチベーションアップをしよう~やる気が成果を上げる」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第55回は「モチベーションアップをしよう~やる気が成果を上げる」です。

やる気元気ですね。

やたら元気で空回りは困りますけどね。

経営者の方とお話をすると、社員のやる気を引き出したいという方が多いです。

社員からすると頑張ってるのに、経営者からすると物足りないというケースもありますね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

モチベーションアップとは

「モチベーション」とは、人が目標や対象・方向に向かって行動を起こしたりそれを維持したりするための原動力・動機・やる気となるような目的やきかっけのことで、「モチベーションアップ」はモチベーションを上げることです。
ビジネスでは仕事への意欲を引き出す「動機付け」として用いられます。個人の目線でいうと、「モチベーションアップ」は目標達成を目指す原動力や主体性発揮の源になります。管理職や人事部門の目線でいうと、社員の「モチベーションアップ」の取り組みが求められます。

やる気を出させると業績があがるというわけですね。

上司が命令したり指示しても、思うように部下が動いてくれないという現象から、「モチベーションアップ」をどうすればいいのかが、課題となるわけですね。

モチベーションが下がる原因                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

通常は、新入社員はやる気まんまんに見えます。そしてベテランになると、手を抜いているようにも見えてしまいます。まずは、以下のようなさまざまなきっかけでモチベーションが下がる現象があるので要注意です。
1.変化・・・人事異動、家庭の事情、ワークライフバランス
2.惰性・・・仕事に慣れ、飽きる、昇進したくない
3.過剰・・・高い理想、自信喪失
4.差異・・・年齢の違い(上下逆転)、女性上司、外国人への偏見
5.意思疎通・・・コミュニケーションがうまくとれない

これだけ、原因になりそうなものがあると、何もしないとモチベーションを下げる要因だらけで、困ったことになりそうですね。

企業が成長しているときは、あまり問題はなさそうですが、成長が止まると問題が噴出する危険性を感じます。本人任せは無理かも。

モチベーションのタイプ                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

モチベーションは個人の持つものなので、人によって違いが生まれます。人によって「ガンバル」ポイントは違っていて「競争になるとがんばれる人」「自由になるとがんばれる人」「計画をたてるとがんばれる人」「褒められるとがんばれる人」「追い込まれるとがんばれる人」がいます。
主に4つのタイプがあるといわれています。
1.成功が好きなタイプ
 何事かを成し遂げることが生きがい
2.貢献タイプ
 他人や組織に貢献して役立つことが生きがい
3.論理タイプ
 論理的に正しいことをつきつけたい
4.芸術家タイプ
 芸術的なこと、美しいこと、人と違うアイデアなどが好み

一人一人のモチベーションが違うことを理解する必要がありますね。

自分自身がどんなタイプかも理解していないといけません。

動機付け理論

動機付けは古くから研究されています。
1.マズローの欲求階層説(1942)満たされると移る
 生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、自尊欲求、自己実現欲求
2.ハーツバーグの二要因理論
 衛生要因を充足しても不満足がなくなるだけ
 (会社の方針と管理、監督、労働条件、給与、人間関係)
 動機付要因は満足感が高まる
(達成感、承認、責任、成長、仕事)
3.ダニエルピンクのモチベーション3.0(2009)
 1.0=生存が目的
 2.0=アメとムチ
 3.0=内側からでるやる気

「自己実現欲求」は今でもいわれますよね。

動物的な欲求より高度な欲求という説明ですね。

外発的と内発的

第11回「励ましていますか」でお話したように、モチベーションアップでは外発的動機付けと内発的動機付けの違いがあります。
1.外発的動機付け
 金銭的報酬(給与、賞与、昇給、報奨金など)
 非金銭的報酬(昇進、表彰、賞賛、承認、パーティ、旅行)
2.内発的動機付け
 達成感、成長感、有能感、自己実現
 内発的に動機づけられた行動とは、人がそれに従事することによって、自らが有能で自己決定的であると感知することのできる行動である(デシの定義)
※外発的動機付けには弊害があります。例えば、勝敗で関係悪化するとか、報酬が目当てになってしまうとか、結果重視で手段を選ばなくなりがちということです。そこで組織内には内発的動機付けが必要だといわれています。
7つの習慣のスティーブン・コヴィーは「信頼されることは人間にとって究極の動機づけである。」といっています。

成果を出したら、ボーナスが増えるのは、よくあるお話ですよね。でもお金で釣るのはよくないんですね。

「衣食足りて礼節を知る」「人はパンのみにて生くるものにあらず」ともいいますね。

リーダーの役割

内発的動機付けを進めるのが、リーダーの役割です。
1.ビジョンを示す
 会社のビジョンを魅力あるものとして社員に伝えるのが効果的です。
2.模範を示す
 リーダーとしての模範を示すことで、社員がめざすべきロールモデルとなります。
3.創造性をもたせる
 継続的に創造的な思考を支援して、惰性を排し、挑戦意欲をわかせます。
4.個性を尊重する
 オンリーワンの価値を認めることが重要です。
5.目標に向かわせる
 会社の戦略にそった行動を促し、自己効力感をサポートします。

金銭的報酬や非金銭的報酬ではないということになると、上司の承認が効果的そうですね。

人は他人に認めてもらって、役にたつと思うのがいいですよね。

目標とマイルストーンとフィードバック

目標をもち、実現するプロセスが大事です。
1.ゴールの設定
 会社の戦略に沿った自分のゴールを設定します。本人にあった、適度なものがいいでしょう。
2.マイルストーン
 ゴールを分割して、マイルストーン達成を確認しながら進めます。
3.フィードバック
 ゴールやマイルストーンにたどりつく時点やそれまでの中間においても適切なフィードバックが重要です。「承認欲求」を満足させることです。褒めるのも効果的です。できなかったことへのアドバイスにおいても、頭から否定しないで、できていることを認めましょう。

ゴールまでのプロセスをしっかりとフォローしてもらえるとうれしいですね。

評価面談のたびにモチベーションが下がるという最悪のケースは避けたいですね。

達成感・自己肯定感・自己効力感

達成感は、何かを達成したときに感じる感覚です。
自己肯定感は、目標の達成如何にかかわらす、自己を受け入れ認める感覚です。
自己効力感は、「目標を達成できるか」「遂行できるか」について、その人が抱く自信です。達成感や自己肯定感は、感情であるのに対し、自己効力感は、自分に対する認知や判断になります。モチベーションアップのためには、最終的には「自己効力感」を高めることが重要です。そのためには「達成経験」「社会的説得」「代理体験」「生理的感情的状態」の4つが必要だといわれています。
私見ですが簡単にいうと、小さな成功を積み重ねて、他人に認めてもらい、誰かの成功をマネして、心身の健康を保つことで、自信を深めるということです。

難しい理論を作った人がいるんですね。でも、要するに「自信」を深めるとモチベーションアップにもいいんですね。

上司と部下の会話にとりいれてほしいですね。

ベテラン社員

ベテラン社員のモチベーションで悩んでいる経営者の方も多いですね。昇進などが見込めないうえに、長い間やってきた仕事のやり方に抵抗を示すケースがあります。
ベテラン社員の場合も、内発的動機付けを考えるといいでしょう。例えば、その社員の能力や適性によりますが「経営者が認める・尊重する」「若手に技術の伝承を依頼する」「新しいプロジェクトを任せる」などが考えられます。

腫れ物にさわるような扱いはやめたほうがいいですね。

ベテラン社員の活用もできるといいですね。

モチベーション調査

会社全体のモチベーションが高いかどうかはわかりにくいので、モチベーション調査をして、時系列的に比較すると、いろいろな施策の効果がわかりますね。従業員満足度調査でもいいですね。離職率が高い場合には、一度調査してみると不満点がわかるかもしれません。

スマホで簡単にできるといいですね。

結果を分析して、対策までできるといいですね。

中小企業とモチベーション

中小企業はモチベーションが大きな経営資産になります。特に経営者との距離が近いですから、経営者の果たす役割も重要になります。経営者あるいは経営陣が、いいモデルになるとモチベーションアップになりますね。逆もあるわけですから、要注意です。

経営者の方が率先して引っ張る会社は業績もあがりますね。

人数が少ない分まとまりはよくできそうですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。モチベーションアップは、社員の尻をたたくことではありません。社員との対話を通じて、内発的動機付けを行えば、自己効力感を持つ社員の雰囲気も明るくなり、業績も向上します。

社員に発破をかけたくなりますけどねえ。

お互いに信頼すれば、内発的動機付けにつながりますね。

まとめ

「モチベーションアップ」は仕事への意欲を引き出す「動機付け」です。金銭的報酬や非金銭的報酬などの外発的動機付けより、達成感、成長感、有能感、自己実現などの内発的動機付けが推奨されます。「ビジョンを示す」「模範を示す」「創造性をもたせる」「個性を尊重する」「目標に向かわせる」などで内発的動機付けを進めるのが、リーダーの役割です。「自己効力感」を高めるためには小さな成功を積み重ねて、他人に認めてもらい、誰かの成功をマネして、心身の健康を保つことで、自信を深めるということが必要です。社員との対話を通じて、内発的動機付けを行えば、自己効力感を持つ社員の雰囲気も明るくなり、業績も向上します。

今日も難しい課題でしたが、「モチベーションアップ研修」「リーダーの動機付け研修」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)