行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第54回:感情マネジメントをしよう~怒りのコントロール

第54回:感情マネジメントをしよう~怒りのコントロール



目次

概要

第54回は「感情マネジメントをしよう~怒りのコントロール」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第54回は「感情マネジメントをしよう~怒りのコントロール」です。

怒りっぽい人対策ですね。

感情はいろいろあるけど、どうしても「怒り」のコントロールはしてほしいって感じますよね。

感情というものを理解すれば、感情の一つである「怒り」をコントロールできると思います。今回は主に「怒り」のコントロールに着目したいと思います。

なるほど、感情(特に怒り)がなぜおこるのかを理解するわけですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

感情マネジメントとは

感情マネジメントとは、感情をコントロールすることです。ちょっと前にEQという言葉がはやりました。EQ(Emotional Intelligence)は感情(こころ)の知能指数と訳されます。EQが高い人は感情をコントロールできる人であるともいえますね。また、感情にはどんな種類があるかというと、「プルチックの感情の輪」というのがあります。基本感情は、喜び(joy)信頼(trust)恐れ(fear)驚き(surprise)悲しみ(sadness)嫌悪(disgust)怒り(anger)期待(anticipation)の8つがあり、これを組み合わせると全部で52種類の感情があるといわれています。

EQが最近はあまりいわれなくなりましたね。

結局認知されなかったのかもしれませんね。感情の輪も、カラフルな輪の絵をみただけでは、「ああそうですか。ずいぶん種類がありますね」で話しが終わりそうです。

怒りのコントロール~アンガーマネジメント                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

やはり、みなさん「アンガーマネジメント」のほうが興味がありますよね。それだけ、職場で「怒る人」の扱いに困っているということですね。
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれ、カウンセラーの間で「怒りの感情と上手に付き合うための方法」とされていました。その後、軽犯罪者の矯正教育プログラムに採用され、2001年のアメリカ同時多発テロ以降は、社会不安の増大を受けて一般にまで普及しました。ジャスティン・ビーバーは、2014年生卵を投げつける事件を起こし、賠償金を支払うと同時に、アンガーマネジメントの受講命令を受けました。
アンガーマネジメントは、怒らないようにするということが本質的な目的ではなく、怒りの感情と上手に付き合うための心理教育・心理トレーニングです。
自分の怒りを感じたら、まず6秒待って怒りを静めるという「6秒ルール」は有名ですね。なぜ、それが効果的かというと、「怒り」は二次的だからです。一次的な感情を引き起こす出来事があって、そこから二次的な感情である「怒り」につながり、三次的なものである暴発的な言葉や行動につながるということです。そこで一次と二次の間で6秒待ちなさいというわけです。

ちゃんとした研修メニューがありそうですね。6秒はちょっと難しく感じますけど。トーマス・ジェファーソンは、「腹が立ったら、何か言ったり、したりする前に十まで数えよ。それでも怒りがおさまらなかったら百まで数えよ。それでもダメなら千まで数えよ。」って言ってますよ。

「6秒」だけきりとって話をすると、全く効果はない感じをうけますが、正規の研修を受けるといいのかもしれませんね。

怒りの原因                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

怒りの原因となるものには、次のようなことがあります。
1.自己愛・自尊心傷つく
2.優越感・注目欲求・自己主張性がある
3.行動を制限・抑圧される
4.怒りを放出する正当性・攻撃性がある
5.指導が行き過ぎる
また、一次から二次へつながるまでには「認知の歪み」「思い込み」「自動思考」(第49回)があるとすると次のような分類をすることができます。
1.「こうあるべき」というルールに抵触してしまい怒りを誘う
2.「レッテル」貼りに該当し、例えば「いつも自分勝手な奴」として怒りを誘う
3.結論の飛躍で、「私のことを悪く言っているはずだ」と決めつけて怒る
などがあげられます。

同じことがあっても怒る人と怒らない人がいますからねえ。でもこれをいうと怒るというのがわかってくると対処ですきます。

いわゆる「地雷を踏む」ということですね。

怒りの対策~ABCDE理論

相手が怒ることをいわないのが基本かもしれませんが、自分でできる怒りの対策としては、ABCDE理論が有名です。
A きっかけの出来事
 例「私はは急いでいる。前の車が遅い」
B ビリーフ(思い込み)とセルフトーク 
 例「遅すぎる。私を怒らせる気か?」
C怒りの結果
 例「クラクションを鳴らす。」
  「あの車のせいで頭痛がしてきた」
そこでBからCではなくDEに行き、怒りを治めます。
D ビリーフを打ち消す反論
 例「ちょっと待て。遅れると連絡すればいい」
E 落ち着いた結果(効果)
例「イライラにうまく対処できた」

A,Bが起きたらCに行く前に自分で気づいてDに行くわけですね。

自分の心の動きを把握して、自分でなんとかできるといいですね。

個人でできる感情コントロール

ABCDE理論ではないマネジメントもあります。
1.6秒ルール
怒りが湧いたら、6秒数えます。怒りと時間的な距離をとることができ鎮めることができます。
2.怒りの回避
怒りは不快な感情が蓄積されて、一定以上になって溢れることによって生じます。そのため、怒りが湧いてきそうだと感じた場合には、その場から離れてしまうというのも効果的です。
3.怒りが湧いたときのセリフ決め
「いったん落ち着こう」「よくあることだ」などでも良いですし、好きな食べ物やペットの名前などでもかまいません。
4.腹式呼吸法
普段の呼吸法を変えて、腹式呼吸を行うことも効果的です。
5.マインドフルネス
自分の心の状態に気づいて、しなやかに対処できる心の状態を目指します。
また、下記のような段階の分析も効果的です。
1.気づきの段階:日常のストレスは何か
2.知的理解:怒りが生まれる考えの歪みに気づく
3.受容の段階:自分の心の状態を受け入れる。
4.新しい行動パターン:怒りではない新しい行動のスキルを獲得する

認知行動療法の自己受容の考え方ですね。

アンガーマネジメント講習会にいくとこういうことを教えてくれるんですね。

組織にも感情がある

組織に感情があるわけでありませんが、組織の構成メンバーの感情が組織の雰囲気を作りだすことがあります。ギスギスした職場は改善したいものです。
リーダの役割が大きく、対策として次のようなことが考えられます。
1.リーダーも含めてメンバー全員の感情マネジメント研修をする
2.挨拶の励行や、対話の推進を図り、いい感情を交換しあう
3.発言や行動だけでなく、表情や態度などからメンバーの不満を見逃さない
4.行きすぎた指導にならないように、正しい指導法を研修する

パワハラをしている上司の人は自分では気づかないこともありますよね。

メンバーの感情、つまり表情に着目するのが大事ですね。表面上はうまくいっていて、陰口がすごい職場もありますからね。

中小企業と感情マネジメント

起業して社長になる人は、社員教育のしかたを学んだことがない人もいます。社員に指示するときに命令してしまったり、強く指導してしまうこともあります。過去の成功体験を部下にあてはめて不満を感じることもあります。社長に限らず、上司となる人が自分の感情をコントロールしないと、組織の雰囲気が悪くなりがちです。社員のモチベーショも下がります。逆に人数が少ない分、感情コントロールの効果も大きく、うまくすればいい雰囲気をつくやすいともいえます。

チーム作りがうまい人もいますけどね。

こころとこころの問題なので、信頼関係をつくるのがいいと思います。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。感情マネジメント、特に怒りのマネジメントは会社の雰囲気をつくるうえで大切です。正しい感情マネジメントができる職場では、雰囲気もよくなり業績もあがります。

時代の波に乗るのも必要ですね。

研修を受けたあと転職されると困りますけど、逆に研修がないから転職することもありますしね。

まとめ

感情マネジメントとは、感情をコントロールすることです。なかでも怒りの感情は多くの弊害を生みます。アンガーマネジメントは、怒りの感情と上手に付き合うトレーニングです。対策としては、思い込みが怒りの原因であることに気づいて、考えを改め、怒らない行動習慣を習得することです。出来事から時間や距離を置く方法もあります。正しい感情マネジメントで雰囲気のいい職場をつくりましょう。

今日も難しい課題でしたが、「アンガーマネジメント研修」「職場の感情マネジメント研修」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)