目次
概要
第96回は「上手に叱ろう~より良い成長のために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
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第96回は「上手に叱ろう~より良い成長のために」です。
叱るというのは上司になる人の特権ですかねえ?
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上司でなくても先輩なら必ず指導はしますからね。
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今はやさしい上司の時代ですからね。家庭内でも叱られない子供が増えているかもしれません。でも、会社では目に余るときは叱りたくなるし、叱らなければと思ってしまう。だからこそ、叱るほうも叱られるほうも、一番悩んでいるかもしれません。
世代のギャップが問題を大きくしてそうですね。
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そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
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「叱る」とは
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叱るとは、目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめることです。よく「怒る(おこる)」と混同されますね。「叱った」のに「おこられちゃった」と思われたりします。「怒る」だと怒りの感情が優先してますが、「叱る」のほうは、指導の要素がはいっています。しかし「指導」だけではありません。だからこそ、「叱る」必要性に迫られることになります。でも叱らない上司は6割だそうです。
なるほど、感情もはいってくるから誤解しやすいですね。
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叱ることもためらうわけですね。
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失敗する叱り方
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失敗する叱り方は以下のとおりです。
1.大声で叱責する。
2.大勢の前で叱責する。
3.かんしゃくを起こすなど、感情をぶつけて叱る。
4.時間がたってから叱るために、相手がピンとこない。
5.くどくど繰り返す。
6.暴言や侮辱をする。
7.べらんめえ口調になる。
8.「おまえ」「貴様」「この野郎」
9.差別発言をする。男のくせに、女のくせに・・など
10.きめつけをする。
11.理由もなく叱る。
12.人格を否定する。
13.相手の意見や事情、行動の理由などを聞かない。
14.相手は「ごめんなさい」の繰り返し
15.反論されると答えられない。
失敗例も多いですね。
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パワハラに該当しそうですね。
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「怒る」「叱る」「指導」の違い
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怒る、叱る、指導の違いは次のとおりです。
1.強い口調の強さは「怒る」>「叱る」>「指導」
2.感情の強さは「怒る」>「叱る」>「指導」
3.業務内容の濃さは「指導」=「叱る」>「怒る」
4.受け入れやすさは「指導」>「叱る」>「怒る」
5.失敗やミスを前提にしているのは「叱る」「怒る」
「指導」は必ずしも前提にしていない。
受け止める側の捉え方も違いますよね。
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指導のつもりが叱られたと思ったり、怒られたと思ったりですね。
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世代間のギャップ
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昭和などと比べたZ世代の特徴は以下のとおりです。
1.義理人情、滅私奉公、精神論、根性論は通用しない。
2.残業より私生活が優先する。
3.多様性を前提にしている。
4.転職に抵抗はない。
5.親からも叱られる経験が少ない。
6.パワハラなどに対する抵抗感が強い。
7.自分と自己実現が一番大切である。
8.先輩の常識は偏見である。
9.叱るー叱られるで成り立つ権力構造は過去の遺物。
トリセツですね。
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昭和のおじさんのトリセツもありますよね。
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上手な叱り方の方法
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上手な叱り方は以下のとおりです。
1.会社全体で叱り方の方針、ルールをつくり徹底する。
2.叱る原因となる「ミス」「失敗」の原因を叱る前にヒアリングする。
技術不足、知識不足、うっかりミス、怠慢、業務に対する姿勢の違いなどを見極める。
3.何が問題か、なぜ叱るのかの理由を明確に伝える。
4.なるべく時間をおかないで叱る。
5.個別に呼び、公然とは叱らない。
6.繰り返す場合は、原因と対策を伝える。
7.行動を変えることをめざす。
8.フォローする言葉を忘れず、サポートする姿勢を示す。
9.相手の事情や能力のレベルなどに応じて変える。
10.心理状態をみながら叱り、追い込まない。
11.叱る側が真剣であることを伝える。
12.言い訳や不満な態度などが多い場合は、その点も注意する。
13.毅然とした態度をとり、優しくなり過ぎない。
14.「自分の若い頃は」というのは逆効果。
事情の聞き取りから始めるんですね。
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最後にフォローですね。
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叱り方を成功させるポイント
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これからのの叱り方のポイントは以下のとおりです。
1.話を聴くこと
相手の話を聴くことで、理解度や納得度が大きく変わります。
2.尊重すること
相手を尊重する姿勢を示すことで、定着率もあがります。
3.適切なタイミング
時間をおきすぎると叱られる理由が納得できなくなります。
4.指導の一環とする
指導により行動や意識を改善することが目的です。
5.世代の変化を肯定する
ライフワークバランスなどの考え方を受け入れる姿勢を示す
6.良心を形成させること
罪悪感ではなく、理想に向かうという良心で行動を変える。
人材確保が目的ですね。
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たしかに基本を守ることですね。
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注意点・デメリット
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叱る注意点とデメリットは以下のとおりです。
1.パワハラにならないように注意する。
パワーハラスメントは、組織での地位の優位性を利用して、嫌がらせをしたり、苦痛を与えたりすることです。 暴力、言葉での侮辱、適正な業務範囲を超えた仕事の強制、逆に仕事を与えないなどの行為もあてはまりますので、要注意です。
2.誤解されるとブラック企業とされる。
ブラックと誤解される危険性があるので、よく納得させることが必要です。
3.要求水準を合わせる。
過度な要求は本人に負担となります。
4.イジメにならないように注意する。
不合理な要求、過度な要求、執拗な要求などは、イジメと受け止められかねません。
5.自分の欲求不満解消にならないようにする。
指導の名のもとに欲求不満のはけ口にしないようにしましょう。
デメリットをしっかり対策して、勇気をもって叱りたいですね。
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パワハラにされないようにですね。
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叱る必要性
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叱る必要性は以下のとおりです。
1.成長を促す
褒めるだけでは成長は難しいこともあります。悪い点も指摘しましょう。
2.人間関係をよくする
わがままが横行すれば人間関係は壊れます。適切に叱ることが必要です。
3.良心を形成する
会社の中に良い行動をとるという観念を作ることで、良い行動が生まれます。
4.驕りを戒める
個人の自由にすると驕りがでます。第三者が戒める必要があります。
5.自己中心だけでは会社がうまくいかない
自己中心が多くなっていますので、叱る必要性があります。
6.考え方の違いを乗り越える
私生活を優先する世代が怠慢に見えることもあります。ただ、不満に思うのではなく、上手に叱ることで相互理解を深めることができます。
やはり叱る必要性はありますね。
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良心を形成できるといいですね。
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中小企業と上手に叱る
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中小企業は、少ない人数で運営します。現在はパワハラなどの被害意識も高くなっています。また、世代間の考え方の違いも拡大していて、相互理解が難しくなっています。そのために、叱れない上司もいれば、叱りすぎる場合もあります。つまり、会社内でコントロールすることが困難になりがちです。上手に叱ることを会社全体で意識統一することが効果的です。
たしかに叱ることも対話の一種ですね。
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企業の文化としてなかなか重要な課題ですね。
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笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。上手に叱ることができれば、上司と部下の相互理解も深まり、部下も納得して行動を改善します。雰囲気をこわさない上手な叱り方が成長のためにも必要です。
お互いを尊重することが前提で叱る叱られるの関係が成り立ちますね。
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楽しい前向きな叱り方ですね。
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まとめ
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叱るとは、言動の悪い点を指摘して、とがめる指導です。パワハラを恐れ叱れない上司が増えていますが、行動を改善し、良心を形成させ、人間関係をよくするために必要です。上手な叱り方は、傾聴のうえで、目的と理由を明確にして適切なタイミングで叱り、サポートします。会社全体で統一して、よりよい成長をさせましょう。
今日も難しい課題でしたが、「上手な叱り方研修」「上手に叱る育成の方針づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
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これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)