行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第57回:バランススコアカードを活用しよう~バランスのとれた戦略実現へ

第57回:バランススコアカードを活用しよう~バランスのとれた戦略実現へ



目次

概要

第57回は「バランススコアカードを活用しよう~バランスのとれた戦略実現へ」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第57回は「バランススコアカードを活用しよう~バランスのとれた戦略実現へ」です。

BSCですね。難しそうな印象しかないです。

もう流行らないんじないですか?

古い印象ですね。でも、よくできた仕組みではありますので、活用次第ですね。

バランススコアカードのいい点は勉強したほうがよさそうですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

バランススコアカードBSCとは

バランスト・スコアカード(balanced scorecard, BSC)バランス・スコアカードともいわれ、ロバート・キャプランとデビッド・ノートンが1992年に発表した業績評価システムです。それまでの財務の数値目標中心の業績管理手法の欠点を補うもので、4つの視点(財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・人材と変革(学習と成長)の視点)で戦略マップを作り、実現のための指標を設定するものです。連携する4つの視点を持つことで非常にバランスのとれた納得感のある戦略になりますし、それを達成するための数値目標もあるという優れものです。
1.財務の視点:売上と利益の最大化のための課題
2.顧客の視点:顧客満足度向上、既存顧客増、新規顧客の獲得などの課題
3.業務プロセスの視点:営業/開発/製造/購買/物流などのプロセスの課題
4.人材と変革の視点(学習と成長):人的資本の拡充、リスキリングなどの課題

塾長の好きな「学習」もはいってますね。

最後は売上につながるため、ですね。業務プロセスという視点も大事ですね。

BSCの良い点                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

私見ですがBSCの良い点は以下のとおりです。
1.売上至上主義にならないように、財務目標を実現するための経営資源の分野がバランスよく配置されている。
2.戦略マップを実現するための数値目標が細かく設定される。
3.人材→業務→顧客→財務の方向に因果関係でつながるように作成し、四つの視点の結果が財務の視点に表れるように運営することができる。
4.各視点の因果関係をしっかり作ると、わかりやすく納得性の高い戦略となる。

4つの視点が流れるように見えるといいわけですね。

それぞれの目標が実現されると、一番大きな成果につながるわけですね。

BSCの悪い点                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

私見ですがBSCの悪い点は以下のとおりです。
1.管理・統制のイメージが強く、会社の雰囲気を悪くする。
2.財務目標に連携するための各視点を作るという観点が強くなると、夢のある戦略を忘れてしまうことがある。
3.面倒な作業が増える印象がある。
4.数値目標を達成しても、他の視点との因果関係が弱く連動しないことがある。
5.達成できそうなほどほどの数値目標になってしまう。

夢と自由を奪うという印象ですね。

予定どおりにいかないことが多いのが現実なのに、臨機応変の措置がとりにくい戦略かもしれませんね。

BSCの導入手順

BSCの導入手順は以下のとおりです。
1.ビジョン策定
 企業理念(ミッション)を策定し、それを実現するビジョンを策定します。
2.分析
 ビジョンを実現するための戦略を検討します。SWOT分析を利用したうえで、強み・弱みと機会・脅威を掛け合わせたクロス分析をするのが効果的です。例えば、「機会を活かして脅威を克服する」「強みを活かして弱みを打ち消す」です。
 この時点で、4つの視点に分類しておくといいです。
3.戦略マップの作成
 ビジョンを実現するための戦略を、4つの視点ごとの因果関係を明確にして、マップとして視覚化します。因果関係をしっかりしておくといいです。
4.重要成功要因の設定
 戦略目標を実現するために最も注力すべき項目を分析し、重要成功要因として絞り込みます。この絞り込みで納得感のあるものを選ぶといいでしょう。
5.業績評価指標の設定
 重要成功要因毎に、測定可能で明確な業績評価指標を選定し、同時にウェイト付けもします。
6.目標とアクションプランの作成
 目標を実現するためのアクション・プランを個人レベルまで具体的に作成します。指標達成の責任者も決めるといいでしょう。最終的には年間目標だけでなく、月間目標もあるといいでしょう。
7.実績と結果の分析 
 実績が出た段階で集計をしたうえで、分析をします。期の途中で、集計をして反省するのも効果的です。この途中の段階で、バランススコアカードを修正してもかまいません。

だんだん息が詰まりそうですが、最初はよく話し合って時間をかけて作るほうがいいかもしれませんね。

中小企業の目線からすると、ちょっと重たい感じがありますね。

KPIの作り方

KPI( Key Performance Indicators)業績評価指標は、戦略戦略目標を評価するための具体的なものさしです。 4つの視点から、財務的業績評価指標だけではなく、重要な非財務的業績評価指標についても設定します。業績評価指標を設定する際、定量的な評価を優先しやすい傾向にありますが、定性的ではあるけれども重要と思われる要素を省かないよう注意することも大切です。
各視点ごとのKPIの事例=ライブラリを活用すると手軽に作れますね。

ライブラリの活用はしてみたいですね。

ライブラリには普通は気づかないようなアクションプランもありそうですね。

BSCの活用方法

BSCはこれまでお話したように問題点もありますので活用方法が肝心です。私見ですが以下のような活用方法が考えられます。
1.4つの視点とその因果関係で戦略を作る点を採り入れる。
2.重要成功要因の考えを採り入れる。この話し合う課程で多くの気づきがある。
3.KPIの考えを採り入れる。ライブラリなどから、多くのアクションプランの気づきが得られる。何をしていいかわからないと悩む人もいる。目標で締め付けを厳しくしなくても、行動の方向性を示すだけでも大きな効果がある。
4.見える化の効果が大きい。柔軟性のある運用をすれば、活気も失われない。

なるほどですね。バランススコアカ-ドの形や仕組みの「いいとこ取り」をしたいんですね。

あまり、網羅的に運営しなくても、導入するだけでいろいろと気づきを与えてくれそうですね。

中小企業とBSC

中小企業では、効果的な経営戦略の立案に悩む方も大勢います。バランススコアカードは、導入の壁を高く感じるかもしれませんが、その考え方を採り入れいるだけでも、非常に大きなヒントを与えてくれます。売上至上主義ではなく、バランスのとれた戦略の立案と、その目標実現のための社員の協力も得られる制度です。また、バランススコアカードは、「中小機構」の支援機関指導員が分析業務等で活用したり、企業スタッフと一緒になり活動内容を議論する際の課題の整理や活動促進のためのツールとしても提供されています。

中小機構のツールも便利そうですね。

ツールはあるわけですから、いかにその会社の実情に合わせて導入して活用するかですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。バランススコアカードは、売上至上主義ではなく、財務、顧客、業務プロセス、人材と変革という視点からバランスよく戦略を組み立てます。人材を育てる視点も含まれます。運用次第では、活気を失うこともなく、話し合いで納得性の高い目標実現が期待できます。

楽しい雰囲気とは真逆にいくリスクがあるのはわかっていますから、やはり導入のしかたをしっかりとサポートする必要がありますね。

ただ、そこさえうまくやれば、とてもバランスのとれた経営ができそうですね。

まとめ

バランス・スコアカードは、従来の財務の数値目標中心の欠点を補うもので、4つの視点(財務・顧客・業務プロセス・人材と変革)で戦略マップを作り、実現指標を設定するものです。「バランスがとれる」「重要成功要因の気づき」「アクションプランの気づき」「見える化」というメリットがあり、柔軟性のある運用をすれば、活気も失われません。効果的な経営戦略の立案に非常に大きなヒントを与えてくれます。

今日も難しい課題でしたが、「バランススコアカード導入研修」「BSCを活かした戦略作りと運用」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)