行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第38回:SWOT分析していますか~よい戦略のために

第38回:SWOT分析していますか~よい戦略のために



目次

概要

第38回は「SWOT分析していますか~よい戦略のために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第38回は「SWOT分析していますか~よい戦略のために」です。

SWOT分析はよく聴きますね。コンサルタントは必須かもしれません。

事業計画にいれるのは必須ですね。

よく聴く言葉です。企業だけでなく、自治体や、個人の目標でも使われています。しかしあまりしっかりと活用できていない例もあります。企業では、形のうえで作って、あとはそれを生かせずに売上数字だけの経営計画にしてしまう例もあります。

「作り方が問題なのか、活用のしかたが問題なのか」でしょうか。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

SWOT分析とは

このSWOT分析は、アルバート・ハンフリー教授が開発したもので、当初は「SOFT分析」(S=satisfactory, O=opportunity, F=fault, T=threat)という名称でしたが、FをWに変更し、「SWOT分析」という名称になったとされています。SWOT分析は、企業の社内資源について強み(Strength)と弱み(Weakness)に2分類し、また企業を取り巻く外部環境については影響を機会(Opportunity)と脅威(Threat)に2分類することで、2×2のマトリックス分析から適切な戦略案を見出そうとするものです。
中小企業庁でも解説しています。マンガでわかる「SWOT分析」
問題点があるという指摘もあるので、作り方と活用のしかたをしっかり理解してほしいですね。

補助金申請などでは定番になっていますね。

必ず作ることになっていても、何かしっくりこないケースが多いですね。

S(強み=Strength)

内部環境の分析です。ヒト、モノ、カネ、などの要素ごとに検討します。自社の長所です。
ここで、注意したいのは、「思い込み」です。「自社の製品がなぜお客様に受け入れられているのか」を把握しないで、勝手に長所だと思い込んでいると、戦略に誤りが生じてしまいます。「他社ができないことは何か」「なぜ他社と違うのか」というように掘り下げましょう。

長所だと思っていても違うこともありそうですね。

ここで、たくさん出てくると希望がもてますね。

W(弱み=Weekness)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

内部環境の分析です。自社の短所です。
ここでも注意したいのは、「分析不足」です。対外的に公表するという前提で行う場合には、どうしても本当にだめな点は避ける傾向があります。非公表という前提でも考えるといいかもしれません。また、人間関係や上司の指導不足などの目にみえにくい問題点もあります。コンサルなどの外部の視点も必要です。改善可能かどうか、改善が容易かどうかも一緒に検討しておくといいですね。
強みと弱みはウラハラなので矛盾しないように気をつけます。

これから改善すべきことを分析するわけですから、重要ですね。

経営者の問題点などはなかなか指摘しづらいですね。

O(機会=Opportunity)

外部環境の分析です。自社の機会(追い風・チャンス)について、マクロ環境(業界、国など)とミクロ環境(直接関係する市場、顧客、競争相手など)とで検討します。
業界全体では脅威でも、自社にとっては機会である場合は、自社の強みと関連付けて記載するといいでしょう。
マクロ分析では、第35回でお話したPEST分析、ミクロ環境では「5フォース分析」と組み合わせると効果的です。

対象の幅が広いので、どうやって調べるかも問題ですね。

機会はたくさんあっても、実現性も課題ですね。

T(脅威=Threat)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

外部環境の分析です。自社の脅威(向かい風・リスク)について、マクロ環境(業界、国など)とミクロ環境(直接関係する市場、顧客、競争相手など)とで検討します。
業界全体では機会でも、自社にとっては脅威である場合は、自社の弱みと関連付けて記載するといいでしょう。
機会と脅威はウラハラなので矛盾しないように気をつけます。

機会も脅威もあまりにも自社とかけ離れていると意味がありませんね。実現しそうな内容に絞ったほうがいいかもしれません。

影響の大きさが鍵ですね。

クロスSWOT分析

分析から戦略を作るプロセスとしてクロスSWOT分析があります。
1.強み×機会
 強みをいかしてチャンスをものにする戦略です。
2.強み×脅威
 強みをいかして、脅威をうけないようにする戦略です。
3.弱み×機会
 弱みを克服して、チャンスをものにする戦略です。
4.弱み×脅威
 弱みを克服して、脅威をうけないようにする戦略です。

4つに分類して、しかもそれを掛け合わせると戦略ができるというのは面白いですね。

そこなんですね。とてもわかりやすいし、整理されてるので普及したんですね。

SWOT分析の問題点

広い範囲で使われれば使われるほど、逆に問題点が指摘されるようになっています。
1.結果がしっくりこない
 機械的に整理してできあがる戦略が、納得性が高くないケースがあります。
2.項目が不明確
 分析する分野はわかるのですが、それらの項目が統一されていません。作る人によってばらつきがでます。
3.主観的になりやすい
 強みや弱み、機会や脅威は、相対的なこともあり、主観が強くでやすいです。
4.もれがありそう
 もれなく分類して整理しているのですが、結果として漏れがでてきます。
5.クロスが不自然
 どうしてクロスするのかが不明確です。単純に「強みを伸ばす戦略」でもいいと思われます。

汎用的なしくみだからこそ、改善点があるわけですね。

安易に主観的に使ってしまうのが、しっくりこない原因ですね。

SWOT分析の生かし方

今申し上げたように戦略が機械的にできあがると考えるのは大変危険です。ただ、「強み」「弱み」「機会」「脅威」という視点があるのはよい点です。外部環境も内部環境もしっかり掘り下げることが可能となります。この論点から、戦略をつくるときのチェックポイントとして使うのが有効です。特に、数字だけの事業計画にはこういう視点がありませんので、計画の改善のために大変効果的です。

「ハサミは使いよう」ですね。

4つの視点でうまくチェックできれば、計画のよしあしが判断できますね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。内部環境や外部環境を意識した納得性のある事業計画は、社員も共感しやすいものとなります。単なる数字だけの机上の計画では、それが難しいです。社員が納得する「強み」「弱み」「機会」「脅威」を明確にすることが大切です。

となると、社員で話しあって作るというのもいいですね。

お互いに理解すると改善も可能ですね。

まとめ

SWOT分析は、社内資源について強み(Strength)と弱み(Weakness)に、外部環境からうける影響について機会(Opportunity)と脅威(Threat)にそれぞれ2分類することで、2×2のマトリックス分析から適切な戦略案を見出そうとするものです。広い範囲で使われていますが、問題点もあります。戦略が機械的にできると考えるのは危険です。4つの視点を、戦略のチェックポイントとして使うのが有効で、社員が共感しやすい納得性のある事業計画の作成に役立てることができます。

今日も難しい課題でしたが、「SWOT分析の作成」「SWOT分析をもとにした事業計画の作成」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)