行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第37回:オンボーディングしていますか~育成と一体化のために

第37回:オンボーディングしていますか~育成と一体化のために



目次

概要

第37回は「オンボーディングしていますか~育成と一体化のために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第37回は「オンボーディングしていますか~育成と一体化のために」です。

最近よく聴きますね。いろいろと意味がありそうです。

たしか、人材育成でない意味もあったような。

最近よく聞く「オンボーディング」は二つの意味で使われています。

人材育成以外にもあるんですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

オンボーディングとは

オンボーディングは英語ではon-boardingです。飛行機や船に乗るという意味です。よく使われるのは人材育成ですが、その場合は、船が会社だと考えるとわかりやすいですね。スマホなどのアプリの導入でも使われているようです。こちらは、スマホなどにアプリをインストールしてから、使い続けてもらうための導入のプロセスに使われています。

会社だと入社してかれ退社しないように定着させるのですが、アプリだとインストールしてから離脱しないように使い続けてもらうようにさせるわけですね。

まぎらわしいですね。

この言葉が使われるようになった背景には、就職事情があります。終身雇用からジョブ型雇用へ移行してからは、転職・中途採用も増えました。新入社員研修を4月から集団でやっていれば、それでいいというわけにもいかなくなっています。できるだけ、定着してもらって、戦力になってほしいということです。

中途入社ではいると、即戦力扱いなので、あとは職場でOJTと称して、何も研修しないケースが多かったと思います。

「いやならやめていいよ」みたいな扱いはさすがに今は難しいですよね。

従来の新人研修との違い

従来の新人研修との違いは以下のとおりです。
1.年間を通じてする
4月から一斉に行われる新人研修とは違い、中途採用者も対象者であることから継続的に行われます。
2.人事部門集中とは限らない
人事部門任せでもありませんし、職場任せでもありません。
会社全体が取り組むことが多いです。
3.集合研修主体とは限らない
新人研修は、入社前の通信教育、入社後の集合教育というのが通常のパターンですが、オンボーディングはさまざまなパターンがあります。
4.継続する
配属後は職場任せという新人研修とは異なり、明確に配属後の職場での定着を意識して行われます。
5.個別パターンも多い
メンター制度などで、個別にフォローすることが多いです。

新人研修と似てますが、より職場での定着に意識があるという感じでしょうか。

たしかに、共通の目的もありますよ。

オンボーディングをするうえでのポイント                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

オンボーディングをするうえでのポイントは、以下のとおりです。
1.定着させることが主眼となる
 例えば、信頼関係を築いたり、心理的は安全性を確保することが重要です。
2.戦力とすることが目標となる
 職場で継続することが多いので、ゴールを決める必要があります。
 戦力となるためのゴールがいいでしょう。
3.職場任せにしない
 純粋なOJTではなく、企業文化の浸透などの新人研修のメニューも必要となるため、全社で共通の内容とすることが望ましいです。

新人研修とOJTの中間みたいなところがありますね。

その中に時代を反映して内容が盛り込まれるわけですね。

Z世代

今どきの社員は「Z世代」といわれています。彼らは「真のデジタルネイティブ世代」ともいわれます。価値観も特性も違いますので、一人ひとりが個性を活かして活躍してもらえるようにすることが理想です。
1.集団行動を強要しない
 従来型研修には、集団行動を植え付けるというパターンがありました。大きな声で挨拶させたり、体操、行進などをメニューにいれたりします。多様性の時代で育っていますのでこれらは避けた方が賢明です。
2.圧迫研修しない
 同様に圧迫研修も避けましょう。
3.多様性を認める
 一つの枠に押し込めるのは得策ではありません。
4.共感を大切にする
 命令ではなく、共感で動くと考えたほうが賢明です。

圧迫なんかしたらすぐに、SNSで書き込まれちゃいますからね。

あまり、時間をかけずに一人前にしようとあせらないほうがいいかもしれません。

時間の贈り物                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

ノキアという会社の文化に「時間の贈り物」というのがあります。ノキアでは時間に限らず、ギフトカルチャを重視しています。特に「時間の贈り物」は、上司が部下に対して惜しみなく時間を使うということで、新しい部下を迎えたときに発揮されます。人間関係づくりを大切にしていますので、知っておくべき人物を列挙し、誰とどのような話をすべきかを時間をかけて丁寧に説明します。この「時間の贈り物」は、小さい会社だった頃から始まって、今では文化になっているといいます。オンボーディングにもとりいれるといいと思います。

「時間の贈り物」はすてきな言葉ですね。歓迎されてる気がしますね。

転校生をいじめないことですね。WBCではヌートバーがタッチャンTシャツで歓迎されましよね。栗山監督は選手全員に手紙を書いたり、ちょっとした対話をしたり、全選手をよく気にかけていました。おかげで寄せ集めなのに、一体感がありましたよね。

1on 1

オンボーディングには、1on1も効果的ですね。上司と部下が1対1で話をすることはとても効果的です。ある程度上司の側にノウハウは必要ですが、きめの細かいフォローができます。

上司の人は面倒がらずに、向き合ってほしいですね。

面談を怖がる人もいますけど、聴いてあげるだけでも、効果がありますよね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。心理的なつながりや、共感することをベースにしたオンボーディングは、採用された社員の定着のための効果を発揮します。戦力になるためのプロセスも明確になりますし、一体感も生まれます。

共感による内発的動機付けですね。

しっかりと企業文化も共有できるといいですね。

まとめ

転職・中途採用が増えた今は、定着してもらって、戦力になってほしいということで、オンボーディングが重視されています。そのためのポイントは、信頼関係を築いたり、戦力となるためのゴールを設定したり、企業文化の浸透などを盛り込んだ全社共通の内容とすることです。「Z世代」には、多様性を認めて共感を大切にすべきです。オンボーディングには、1on1も効果的で、きめの細かいフォローができます。ノキアの「時間の贈り物」が理想的な文化ですね。

今日も難しい課題でしたが、「オンボーディングプランの作成」「中途採用を前提とした人事制度の構築」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)