行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第86回:ニッチ戦略をとろう~戦わない勝利のために

第86回:ニッチ戦略をとろう~戦わない勝利のために



目次

概要

第86回は「ニッチ戦略をとろう~戦わない勝利のために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第86回は「ニッチ戦略をとろう~戦わない勝利のために」です。

ニッチ戦略はよく聴く言葉ですね。戦わないで勝利できれば一番いいでしょうね。

ランチェスター経営とも似てそうですね。

ニッチ戦略はなんとなくわかるけど、どうしたらいいのかがわからないと思われているのではないでしょうか?

たしかに、やりかたがわからないかもしれませんね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

「ニッチ戦略」とは

ニッチ(niche)は「くぼみ」「隙間」という意味です。ニッチ戦略とは、市場の隙間を狙い、小さな隙間のような市場でシェア、売上を得る戦略のことです。誰も参入しないような小さな市場で独自の価値を提供できれば、戦わないで勝利を得ることができます。

なるほど競争相手がいないところで勝負するわけですね。

マネしてあとから強い相手が入ってくるとニッチではなくなるかもしれませんね。

ニッチ戦略のメリット

ニッチ戦略には次のようなメリットがあります。
1.競争相手が少ない
 競争相手が少ない市場を選ぶわけですから、市場に参入するときには競争相手は少ないものです。
2.価格競争が少ない
 競争相手が少ないので価格競争も少なくなります。
3.収益率が高い
 価格競争も少ないので、収益率も高くなります。

メリットはわかりやすいですね。

どれだけ続くかですね。

ニッチ戦略のデメリット

ニッチ戦略のデメリットは以下のようになります。
1.ニッチ市場がみつからない
 すぐに見つかるニッチはすでに誰かが埋めています。これから見つけるには、それなりの見つける力などの条件が必要になります。
2.他社がすぐに参入する
 最初にニッチ市場を発見しても、すぐに大手企業など他社が後追いで参入する可能性があります。するとニッチ市場ではなくなります。
3.市場が拡大しないで飽和
 やっと見つけたニッチ市場も、ニッチであるだけに拡大しない可能性が高いです。あとおい参入の他社との間で飽和市場となる可能性もあります。
4.先行企業のコストが高い
 市場を作りだすためにはさまざまなコストが余計にかかります。

これだけのデメリットがあるから、ちょっとニッチ戦略を採用できないんですね。

ニッチ市場自体がニッチ市場であるから宿命ですね。

ニッチ戦略の作り方                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

ニッチ戦略の作り方は以下のようになります。
1.企業のコンセプトをつくる
(1)他社との違いを見つける
(2)コンセプトを磨く(革新性はあるかなど)
2.事業の特徴・独自性をつくる
(1)商品
(2)提供方法
(3)価格
3.ニッチ市場の発見・創出
(1)自社の独自性を活かす市場発見・創出
(2)競合との差異
4.ペルソナの明確化
(1)標準的な顧客の購入パターン
(2)顧客の満足するポイント
5.戦わない差別化と参入障壁
(1)非常識に注目
(2)専門化する
(3)ブランド化する
(4)ストーリー化する
6.既存製品を生き返らせる
(1)見方を変える
(2)ネーミングを変える
(3)ニッチ分野の専門商品に特化する

結構むずかしそうですね。

ニッチという言葉のイメージより難しいんですね。

ニッチ戦略の成功事例

ニッチ戦略の成功事例は以下のようになります。
1.ファスナーのYKK
 ファスナーというニッチ市場だけで世界的な企業となったYKKはモデルともいえます。YKKは現地での「一貫生産」にもこだわり、原材料の調達、加工から最終製品の製造まで一連の工程を自社内で行っています。品質面だけでなく知財戦略でも効果的だと思います。
2.高級車のフェラーリ
 フェラーリは高級車の超のつく高級車というニッチ市場で成功しました。そして継続的に地位を保っています。その背景には、徹底して高級ブランド戦略と需要と供給の意図的なアンバランス戦略があるといわれています。市場を飽和させない努力がみられますね。
3.ミドリムシのユーグレナ
 「世界から栄養失調をなくす」大きな可能性を持つミドリムシで500社に飛び込営業してだめで、501社目伊藤忠商事が「ミドリムシをやる」ということになって大成功となりました。
4.コンビニのセブンイレブン
 スーパーの営業時間外というニッチな時間帯を狙い、店名にもなっている朝7時-夜11時営業で成功しました。親会社だったイトーヨーカドーをセブンイレブンが業績規模などで上回るようにもなり、持ち株会社セブン&アイ・ホールディングスに移行しました。
5.フリマアプリのメルカリ
 近年までは、オンラインでの中古品のモノのやりとりといえばオークションがメインでした。仕組みの煩雑さと金銭トラブルが弱点でした。フリマアプリでは、モノの価格は固定であることが基本で駆け引きなく購入できるうえ、支払いに関しても安全措置が取られています。2013年フリマアプリ「メルカリ」の運営を開始以降、成長を続け現在では月間ユーザー2000万人超を誇るサービスに成長しました。

ちょっとした違いから始まって、成功すると大企業になってますね。

メルカリの支払い安全策は強みであり、参考になりますよね。

ニッチ戦略を成功させるためには

ニッチ戦略を成功させるためには、以下の点が大切です。
1.未解決の課題に付加価値を持つ
 顧客が魅力に感じるものがあって初めて成功します。未解決の課題は何か、それに答える付加価値はあるかを見極める必要があります。
2.ニッチ市場を見極め作り出す
 ニッチ市場をマーケット分析で見極める必要があります。以外と競合が多かったりしたら、参入後に気づいても遅くなります。地理的に大手が参入できない地域はニッチとなる可能性があります。また、自社製品の独自性からニッチ市場を作り出すことも可能です。
3.流行を追わない
 流行を追うことはニッチ戦略とはいえません。二番手戦略は大企業が企業の力でやる戦略となります。
4.専門化としてのブランドを持つ
 成功事例はどれもニッチ市場を育てています。参入障壁を高くして自社だけが独占的に収益を確保するためにも、専門化としてのブランドの継続が効果的です。

何でもできる大企業にならないほうがよさそうですね。

市場は創出するのが一番大切ですね。

中小企業とニッチ戦略

大企業と比較して、中小企業は、少ない資本で経営します。ニッチ市場戦略は中小事業に最もふさわしい選択肢ともいえます。とくにスタートアップ企業ではこの視点からの分析は欠かせません。しっかりした事業コンセプトを持てば、製品の付加価値、提供の仕方などで独自性を持って市場を創出・参入することが可能です。また、既存製品を分析しなおして、市場を特化してよみがえらせることも可能です。ネーミングに意味を持たせ、特別の顧客にアピールする方法もあります。

中小企業が最も検討すべき課題かもしれませんね。

スタートアップ企業には欠かせませんね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。ニッチ市場戦略でも、顧客とのコミュニケーションが基本です。社内でも、提供する価値についてよく話しあうことで、顧客満足につなげることが可能となります。

ニッチ参入も楽しいほうがいいですね。

話し合いから以外な強みがうかびあがるかもしれませんよね。

まとめ

ニッチ戦略とは、誰も参入しない市場で独自の価値を提供し、戦わないで勝利を得る戦略です。そのためには、自社製品の分析から独自性(性能・価格・提供方法など)を発見し、他社がまねできないニッチ市場を作りだすことです。専門化・ブランド化も効果的です。ニッチ戦略で戦わない勝利を得ましょう。

今日も難しい課題でしたが、「ニッチ市場戦略研修」「ニッチ市場戦略づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)