目次
概要
第89回は「倒産企業から学ぼう~失敗しないために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
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第89回は「倒産企業から学ぼう~失敗しないために」です。
たしかに倒産企業から学ぶことはありそうですね。
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実際のお話は聞く場は少ないですけどね。
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3冊もあるんですね。昔の有名な倒産もはいっているんでしょうね。
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そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
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「倒産」とは
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倒産とは、経営がうまくいかなくなり債務の支払いが不能になり、経営を続けることができなくなる状態を指します。再生することもあるので必ずしも破産ではありません。法律上の倒産もあれば事実上の倒産もあります。パターンとしては、銀行の取引停止処分を受ける、私的整理をする、裁判所に会社更生手続、民事再生整理、破産手続、特別清算などの開始を申し立てる場合です。
2023年度上半期(4-9月)の企業倒産は4208件で前年同期より1000件以上多く、2年連続で前年を上回りました。コロナ対策で導入された「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したなか、「物価高」「人手不足」「事業承継」問題が中小企業の経営に影を落としているということです。
倒産企業数は増加傾向ですね。
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インボイスも心配ですね。
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倒産企業から学ぶ理由
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「失敗は成功のもと」と言われます。また「成功から学ぶことは少なく、失敗から学ぶことは多い」とも言われています。そういう意味では倒産という企業経営における最悪の事態から、その原因を探り、類型化することで、企業経営のうえで学べることは多いと思います。倒産企業から学ぶ理由は下記のとおりです。
1.倒産という事象は明確なのでその原因をたどりやすい
資金が不足するという現象が起きていますので、その時点からきっかけとなる原因を遡ることで類型化できます。「あのときこういう判断をすればよかった」という運命の分かれ目がわかると、対策につながります。
2.成功はアートで失敗はサイエンス
成功に比べて失敗は科学的に分析することに適しています。
3. 勝ちに偶然あり、負けに偶然無し。
野村克也監督の言葉ですが、倒産を偶然とすることでは進歩がありません。倒産を必然とした理由をつきとめ、他山の石として反省するところから進歩が生まれます。
4.似た境遇になりうる
企業のスタートから栄枯盛衰を経る過程をたどると、いずれの時点でも倒産する事例があることがわかります。自分の企業の比べると、判断の指針を示してくれます。
豊富な事例もあり学ぶことが多いので統計データも作られているんでしょうね。
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有名企業の倒産というと大きく新聞にでますから、「なぜ?」という興味はありますよね。
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倒産企業のタイプ1=成長期
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成長期の倒産は以下のようになります。
1.急成長で資金繰りに失敗
(1)店舗を増やしすぎるが売上が伴わない
(2)過大な設備投資が足かせ
(3)慢心となり勢いを抑えられない
2.社員が退職あるいは人材難
(1)激務で社員が退職
(2)指導者役社員が不足してまわらなくなる
3.画期的な技術で話題先行も赤字のまま
(1)画期的な技術でも黒字化は別問題
(2)話題だけでは売上はあがらない。
急成長でバランスが崩れるわけですね。
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話題先行もよしあしですね。野球でもドラフト下位指名のほうが活躍したりしますからね。
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倒産企業のタイプ2=停滞期
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停滞期の倒産は以下のとおりです。
1.ビジネスモデルの陳腐化
(1)硬直化した経営陣が陳腐化に気づかない
(2)成功体験にしがみつく
2.新規施策に失敗
(1)新規施策への過大投資が裏目
(2)新規施策が遅すぎて成長がまにあわない
3.企業内部に問題を抱える
(1)内部の確執
(2)社内抗争にエネルギー
停滞期にもバランスを崩すのはよくないですね。
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内部に問題を抱えてしまうと、危険ですね。
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倒産企業のタイプ3=リスク破綻
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リスクによる倒産は以下のとおりです。
1.粉飾決算型
経営陣が自ら指示する場合はどうしようもありませんが、経理部門だけの判断で粉飾決算を行うこともあるので要注意です。発覚後のダメージも大きい類型です。
2.取引先の倒産が引き金
取引先についても日頃から健全経営を行うよう注意する必要があります。
3.突発的な事象
リーマンショック、コロナ危機、円安、円高、インボイス制度など外部の事象が原因で倒産に至るケースも多いです。リスク管理をしっかりする必要があります。
4.大手顧客の方針変更
売上の大半を占める顧客の方針変更で売上が激減し倒産に至るケースもあります。
5.社員の不満
経営陣と工場現場が対立し、ストの状態になり倒産の引き金となっってケースもあります。
6.詐欺被害
詐欺にあい、倒産に至るケースもあります。
7.知財
知財の権利侵害が発覚し倒産の原因となるケースもあります。
不況がやはり多いですね。
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不正も要注意ですね。
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倒産の原因の整理
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倒産の原因をまとめると以下のようになります。
1.資金繰りの失敗
2.採算のとれない新製品の失敗
3.過度な新規出店が負担
4.過度な設備投資が負担
5.金融機関から見離される
6.不正・粉飾など内部の問題
7.顧客・取引先など外部の変化
8.不況など社会情勢の変化
内外ともに過度・過大なことが原因になっていますね。
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予想はしていても対策がおいつかないんでしょうね。
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倒産しないための対策
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倒産を防ぐ対策は以下のようになります。
1.財務管理で資金繰りに余裕を持つこと
2.設備投資や出店は財務状態からみてバランスよく行うこと
3.顧客や取引先の依存を分散すること
4.製品の陳腐化に注意すること
5.リスクに関する管理・対策をしっかり行うこと
6.専門家のチェック・アドバイスを仰ぐこと
7.日頃の社内外の変化を見逃さないこと
なにごともバランスよくですね。
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資金繰りといわゆるリスク管理の徹底ですね。
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再生の手続き
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倒産すると債務者への影響も大きいので再生の手続きがあります。
1.私的整理
私的整理とは、法的整理によらずに債権者と債務者との自主的協議により倒産処理を図る手続きです。会社を整理する方法の1つで、対象債権者となるのは一般的に金融機関のみです。債権者と債務者が直接交渉を行い、債権金額の減額や返済条件の変更を決定します。交渉に参加していない債権者は、債権の減免などの影響を受けることはありません。実際には私的整理にはいくつかのスキームがあり、そのスキームにしたがって進めます。全銀協は私的整理に関するガイドラインを公表しています。
2.法的整理(民事再生法の適用など)
①民事再生、②会社更生、③破産、④特別清算、の4種類の手続があり、法律で定められています。清算型手続は、債務者の資産を処分して債権者に平等に配当することを目的としていて、③破産、④特別清算が該当します。再建型手続は、債務者の事業を再建し、再建された事業等から生じる収益・収入を債権者の弁済の原資とするもので、①民事再生②会社更生が該当します。
民事再生法を申請した企業の生存率は26.7%でした。(2000年4月1日~22年12月31日に民事再生法の適用を受けた1万963社(負債1000万円以上)個人企業などを除く7988社)消滅企業は合併・解散、破産、特別清算、休廃業、再倒産などです。
3.破産
再生計画案作成の見込みがなくなったり、期限までに再生計画案が提出されなかったり、再生計画が債権者の決議で否決されたりすると、裁判所は、再生手続廃止の決定をします。二度目の再生は難しいです。再生手続廃止決定の確定後、裁判所は、職権で破産手続開始決定をするのが通常です。
私的整理でよく銀行と話し合うわけですね。
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民事再生も生存率が低いのがしょうがないんでしょうか。
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中小企業の倒産
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中小企業は資本金も少ないので倒産の危険性が大きくなります。中小機構の経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できる税制優遇も受けられます。中小企業庁の中小企業活性化協議会(前身は中小企業再生支援協議会)では、財務上の問題を抱えている中小企業者の再生を支援しています。2022年3月に「中小企業活性化パッケージ」を公表しました。全銀協は「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」を策定しています。
いろいろな制度が用意されていますね。
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倒産の防止は重要課題ですね。
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笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。倒産しては社員の暮らしも困ります。倒産防止対策をきちんとすることで、安心して社員も働けます。賃金をカットする必要がある場合も説明と話し合いが必要です。また、急激な拡大路線や売上至上主義は倒産の原因となります。社員にも無理のない拡大路線をとることが重要です。
たしかに社員が不幸せになれば、企業が成功したということにはならないんでしょうね。
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倒産を防止するためには社員の協力が必要ですね。
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まとめ
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倒産企業から、原因を探ると、学べることは多いです。成長期には急拡大でバランスを崩し、停滞期には陳腐化の対策が遅延します。慢心経営などの内部要因も不況などの外部要因もあります。対策は「財務管理で資金繰り、バランスのよい設備投資や出店、顧客や取引先の分散、製品の陳腐化回避、リスク管理・対策」などです。失敗しないために倒産企業から学びましょう。
今日も難しい課題でしたが、「倒産企業から学ぶ研修」「倒産しない体制づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
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これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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まずはお問い合わせください
今回のお話はいかがでしたでしょうか?
経営コンサル、社員育成は当事務所・リーガルフロネシス株式会社にお任せください。
経営理念の展開を通じての売上・業績向上、社員の育成を通じての組織改革には、計画的・長期的な改革推進が欠かせません。まずは、現状把握から始め、お客様にぴったりの方法をご提案します。
まずはお問合せください。より良い経営のために、戦略経営・人材育成のお手伝いをいたします。
(了)