行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第41回:いいパートナー関係していますか~共に成長するために

第41回:いいパートナー関係していますか~共に成長するために



目次

概要

第41回は「いいパートナー関係していますか~共に成長するために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第41回は「いいパートナー関係していますか~共に成長するために」です。

下請け外注のお話ですか。

ネットワークの時代なので、販売代理店も増えてますよね。

お客様は神様ですといいつつ、下請け、外注という発想の時代が続きました。今でも、平気で下請け取引先に毎年20%のコストダウンを指示する会社もあります。それに対して、企業をとりまく関係者を「パートナー」と位置づけるところが変わってきた点ですね。

「パートナー」になると対等以上の関係ですよね。それだけ重要性が増しているんですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

パートナーとは

ビジネス上の「パートナー」は、取引先を「対等な相手」として認識するところから使われるようになってきた言葉です。経営資源やビジネスプロセスでいえば、あらゆる場面でアウトソーシング=外部に資源を求めることは可能です。原材料の調達、製造の委託、マーケティングと販売の委託、出荷・物流の委託、アフターサービスの委託などがありますし、事業支援活動の人事・経理などでも委託は可能です。そういう意味では、かなり広い分野で「パートナー」もありうることになります。実際には、部品などの仕入れ先と、販売代理店が大半になります。

外部に委託するという意味では、かなり広いですね。

そうはいっても、ビジネスの上で大きな意味を持つのは、やはり仕入れ先や販売代理店なんでしょうね。

アウトソーシングの背景

アウトソーシングが進む背景には次のようなことがあげられます。
1.人材不足とジョブ型雇用
 人材不足も深刻なうえ、定年まで抱えた人材で自前で解決する時代ではなくなっています。
2.インターネットの進展とグロ-バルな競争
 グローバルな規模で迅速な情報のやりとりが可能となっています。
 オープンな環境で
3.ローカライズの必要性
 インターネット時代だからこそ、顧客に近いサービス機能ももとめられています。
 zoomはアメリカ企業ですが、日本での展開では、販売代理店が大きな成果をあげましたね。
4.リスク分散
 変化の激しい時代なので、外部にリスクを分散するメリットがあります。
5.自社の強みに投資を集中
 競争においてコアとなる自社の強みに投資を集中するメリットがあります。

古い下請け体質からの脱却の時代でもありますね。

DX自体もそうでしたが、アウトソーシングも急激な時代の変化の現れでもありますね。

仕入れ先の選定と仕入れ先に求めるもの

大切なパートナーの一つに仕入れ先があります。
原材料や部品供給の形もあれば、製造委託もあります。程度は違いますが、製品の品質に大きな影響があります。
仕入れ先の選定では、この品質を保てるかどうかを吟味する必要があります。
仕入れ先に求めることは、納期、品質、価格において満足できることです。
ここで重要なのは、低価格だけを求めるのではなく、品質も含めて継続的に評価する必要があるということです。
サプライチェーンの考え方からいうと、必要なときに必要な量だけ素早く供給できるかがカギになります。

「仕入れ」はいつでも手に入るという考えを捨てる必要があるかもしれませんね。半導体不足もありましたしねえ。

長期的な関係になることが多いからこそ、しっかりと品質管理したいですね。

販売代理店の種類                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

もうひとつの大切なパートナーである販売代理店は、顧客と直接接する大事な役割です。以下のような種類があります。
1.仲介するだけ
 契約をとってくるだけで、製品の在庫をもちません。
2.製品を買い取ってから売る
 代理店がいったん製品を買い取ります。在庫をもつことになります。

そのほかのパターン
1.OEM販売
 製造する側ではなく、販売する側のブランドで売ります。
2.製品連携販売
 販売する側の製品と連携した形で売ります。

販売代理店というのは、ある地域に強いのもあれば、ある業界に強いというパターンもあるんでしょうね。

不動産や生保の営業マンは歩合制の給与が多いですね。それと同じ理屈ですね。

アライアンスの成功

パートナーに関する戦略については、広い意味では企業提携=アライアンス戦略とも言われます。
アライアンスのパターンは以下のとおりです。
1.資本提携
2.業務提携
3.技術提携
4.産学連携

アライアンスの成功のためには、以下の点が上げられます。
1.相乗効果があること
2.パートナーが儲かること
3.パートナーが売りやすいこと
4.自社の足りない部分を補うこと
5.しっかりとガバナンスできること

お互いにメリットがあって、適切に管理できれば長続きしますね。

資本提携なども強化策の一つですね。

アラインアンスの選定

アライアンス先の選定には次のような点の注意が必要です。
1.戦略や企業文化でも適合すること
2.リスク分散しても耐えうる体制であること
3.品質向上など成長についていけること
4.自社を補うこと=自社にない顧客層を持つなど

長いおつきあいするためにも、企業文化なども適合するほうがいいですね。

「グループ力」のようなところまでいくといいですね。

ガバナンス                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

アライアンスに関しては、失敗する例も多いため、ガバナンスが求められます。
ガバナンスの方法は,3つあります。これらが、関連しながら、補完的にあるいは、代替的に機能します。アライアンス運営チームの機能も大切です。
単なる仕入れや販売代理の取引関係であっても、そのパートナーが自社の業績に大きな影響を与えますので、しっかりとガバナンスのできる関係を築く必要があります。
1.契約的ガバナンス
 明示的な意思決定ルールやプロジェクト組織体制などを規定します。
 パートナー間の権利と義務の配分を契約書に取り決めます。
2.関係的ガバナンス
 信頼関係や一体感といった,お互いの関係性に基づいてパートナーを統治します。
 ・頻繁なコミュニケーション
 ・経営者どうしの交流
 ・共同での問題解決などの取り組み
3.資本的ガバナンス
 出資比率に応じた利益があるため、利益に結びつく行動をとるため、ガバナンス効果があります。役員の任命権もあります。

ガバナンス体制まであるといいですね。

個別のパートナーに関してはそこまでできないかもしれませんね。

パートナーシップ構築宣言

政府と民間で作る「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」はパートナーシップ構築宣言」の仕組みを、2020年5月に創設しました。「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、「発注者」側の立場から企業の代表者の名前で宣言するものです。
「パートナーシップ構築宣言」では、
・サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携
・親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守を宣言します。
登録企業をポータルサイトに掲載することで、各企業の取組の「見える化」を行います。(現在の登録会社数22,324社)建設業と金属製品加工業が多いようです。

宣言だけでなくプライバシーマークのような監査制度もあるといいですね。

技能実習生の制度もそうですが、建前と実態がずれることが多いですよね。

中小企業の取り組み

中小企業は大企業のパートナーとなることも多いです。その場合には、保護されるべき弱い立場のこともあります。また、中小企業同士でパートナーということもあります。いずれにしろ、パートナーを活用することは重要な戦略となります。
仕入れは品質に影響がありますし、販売代理は顧客満足度に影響します。トータルのグループ力という捉え方が大事です。
逆に自社が仕入れ先にあたる場合には、顧客の顧客(最終顧客)の満足度まで見て考える必要があります。
また、ファブレスという製造をもたないビジネスモデルの検討なども必要です。

中小企業こそパートナーといい関係が必要ですね。

なんでもいえるような信頼関係も必要ですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。取引先を「パートナー」と考えることで、いい雰囲気の信頼関係をもとにした協力体制をつくることができます。業績向上にもつながりますので、「パートナー」とともに成長するという目標をたてることができます。

不満をぶつけて、コストダウンの対象とするだけでは、そうはいかないですね。

パートナーの可能性を引き出すことも必要ですね。

まとめ

「パートナー」は取引先を「対等な相手」として認識した言葉です。「パートナー」は自社の足りない部分を効率よく補うだけでなく、品質向上や顧客満足向上の鍵をにぎります。パートナーの選定と評価も重要です。ガバナンスをもとに協力体制をつくることで、業績向上と相乗効果にもつながり、「パートナー」とともに成長することができます。

今日も難しい課題でしたが、「パートナー戦略の構築」「パートナー・ガバナンス体制の整備」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)