行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第43回:人間力ありますか~魅力あるリーダーになるために

第43回:人間力ありますか~魅力あるリーダーになるために



目次

概要

第43回は「人間力ありますか~魅力あるリーダーになるために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第43回は「人間力ありますか~魅力あるリーダーになるために」です。

人間力というと何か偉大な人のような・・・

魅力ある人でいうとスポーツ選手なら、大谷選手がまず思い浮かびますね。

経営者の方は、あまり普段意識してないかもしれませんね。経営がうまくいって「名をあげたあとに考えること」というイメージもありますね。ただ、同じ仕事をするなら「楽しく仕事をしたい」とか、「この人と一緒に仕事をしたい」とかそういう社員の気持ちを考えると、とても必要な要素になってきますね。
ドラッカーは、「経営者が学びえないが、どうしても身につけていかなければならない資質がひとつある。それは品性だ」と言っています。

なるほど。大谷選手の行動の一つ一つに周囲への感謝が感じられますから、将来はいい監督になるかもですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

人間力とは

人間力という言葉には、定義がないかもしれませんね。あえて言えば、「人間的、人格的な総合力」でしょうか。魅力ある人、尊敬できる人、信頼できる人といい変えることもできます。経営の立場からいえば、例えば、リーダ教育の中に組み込むとすると、理想とするリーダーにふさわしい内容で定義することになると思います。
つまり、「業績さえあがればどんなリーダーでもいいのか」というような立場から考えることになります。リーダーは、「仕事力」と「人間力」が必要で、これらが「リーダーシップ」とともに発揮されるとみることができます。

逆にいうと「こうなってほしくはないリーダー」のような観点から出てくることになりますね。

たしかに、功なり名をあげた方を賞賛する言葉としていわれるよりは、「これからのリーダーにふさわしい人」という観点がいいですね。

ヒューマンスキル                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

ロバート・カッツはビジネススキルが3つあり、それぞれ低いマネジメント層(課長クラス)、中間マネジメント層(部長クラス)、高いマネジメント層(役員クラス)で求められるスキルの割合が違うことを示しました。
人間力はヒューマンスキルの一つといえますが、コンセプチュアルスキルもあるといいと思います。
1.テクニカルスキル(低い層で求められる割合が多い)
 実務知識や専門知識、技能といわれるスキル
2.ヒューマンスキル(各層で求められる)
 折衝力、交渉力、コミュニケーションスキルなど
3.コンセプチュアルスキル(高い層で求められる割合が多い)
 概念化する力、創造力、戦略的思考力、問題解決力など

日本では「伝える力」などが重視されますから、ヒューマンスキルは高いかも知れませんね。幼少期から「協調性」が一番大事だというのもあります。欧米では「独自性」ですから、コンセプチュアルスキルでしょうか。

コンセプチュアルスキルが足りない人はよく見ますけど、本人も含めて気づきにくいですよね。テクニカルスキルやヒューマンスキルが足りない人はわかりやすいと思います。

人間力を要素で考える

リーダーに必要な人間力は「総合的な力」だとすると、要素で考えるのは危険ですが、あえていうと以下のようになります。これらを総合的に発揮するということでしょうか。
1.達成をする力
 目標に向かって仕事を最後まで達成する力
2.率いるリーダーシップ
 共通の目標を掲げて、グループを率いる力
3.ストレスに耐える力
 さまざまな障害やストレスを乗り切る力
4.戦略を考える力
 チームの方向性を総合的・戦略的に計画する力

「魅力ある人」というと、外見や容姿などの要素が入っちゃいますしね。

結局は、要素で考えると仕事力になりますね。

人間力を包括的に考える

包括的なものだと考えて定義すると以下のようになります。
1.人の話をよく聞く人
 話を聞く時に、相手を承認する必要もあります。
 そのうえで、様々な立場が考えの人から公平に情報を収集することになります。
2.他者をリスペクトする人
 相手を承認したり尊重したりする人
3.他者のために行動する人
 私利私欲でなく、他者優先で貢献する人

ヒューマンスキルと言われるものが、高いレベルできる人でしょうか?

そこですよね、コミュニケーション力が高い人が、人間力が高いかといわれると、かならずしも同意義ではない感じですね。

人間力を高める行動

人間力はその人に備わった魅力と考えることもできますが、その魅力を高めるための行動はあると思います。
1.高い理想と思い
 限界をもたずに、高い理想をもって思いを伝える
2.信念を貫く
 ゴールに向かってぶれない信念を持ち行動する
3.情熱と意欲
 情熱と強い意欲を示し、周囲を巻き込む
4.日々の行いで示す
 日々の行いで努力を示す
5.周囲に配慮する
 感謝・利他・貢献を忘れない

行動で示すことが大事ですよね。

「どんな行動をする人に魅力を感じるか」ですね。

一皮むける経験

「一皮むける」体験に関する研究があって、様々な大きな経験で飛躍的に成長することががわかっています。
例えば、「初めての配属」「初めての管理職」「初めての海外勤務」などの前向きな経験が、チャンスになりますから、こういうときに成功した人は何かしら、他では得られない経験を乗り越えています。
逆に「悲惨な部門・業務再構築」「降格・左遷を含む困難な環境」なんかも「一皮むける」体験ですし、スキャンダル、訴訟、業績不振などから立ち直った場合には、大きな経験になります。いわゆる「修羅場をくぐる」ですね。
こういう「一皮むける」経験は、人間力の形成に大きく影響しますから、自分がそういう立場だと思ったら、是非力強くのりこえてほしいですね。

ストレスを乗り越えるとたくましくなりそうですね。

色んな人からアドバイスを受けたりすることが大切ですね。

中小企業と人間力

中小企業のコンサルでは、経営者の方に「人間力が経営の要です」と言って「研修」をコンサルすることが多いと思います。
これまで、お話したように「人間力」が「魅力あるリーダーの総合力」だと考えれば、やはり、中小企業の経営にとっても重視すべき課題になりますね。毎日、売上や資金繰りに奔走していても、その中で、社員が「ついていきたい」と思うだけでも違いはでます。

人はパンのみにて生くるにあらずといいますからね。

「人間力はあとまわし」とはいかない気がしますね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。リーダーに「人間力」があると、社員が明るく仕事をすることが可能になります。さまざまな社員をうまく使いこなす=長所を引き出すことも可能でしょう。情熱を示せば、共感して協力する社員も増えると思います。

「熱血漢」は魅力を感じますね。

静かな情熱でもいいですね。

まとめ

人間力は、「人間的、人格的な総合力」、魅力ある人、尊敬できる人、信頼できる人といい変えることもできます。リーダーは、「仕事力」と「人間力」が必要で、これらが「リーダーシップ」とともに発揮されます。人間力を高める行動としては、「高い理想と思い」「信念を貫く」「情熱と意欲」「日々の行いで示す」「周囲に配慮する」ことがあげられます。「一皮むける」経験も、人間力の形成に大きく影響します。社員が「リーダーについていきたい」と思うだけでも業績に違いはでますから、人間力は中小企業の経営にとっても重視すべき課題になります。

今日も難しい課題でしたが、「人間力研修」「人間力あるリーダーの育成」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)