行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第52回:いい話をしよう~エピソードで伝える

第52回:いい話をしよう~エピソードで伝える



目次

概要

第52回は「いい話をしよう~エピソードで伝える」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第52回は「いい話をしよう~エピソードで伝える」です。

第50回ストーリーの続きですか。

エピソードはたしかにパワーポイントなどの説明資料づくりでも、何かいいものはないかは検討しますね。

お客様のお話を聞いて、「これはこういうことですか?」などど言うときに、たとえ話をその場できるのが、一番いいけど、それは誰でもできるわけじゃあないですよね。あらかじめ自分の引き出しにいくつかエピソードを持ってると、雑談などでも力を発揮すると思います。また、経営者の方でいうと、自分の体験談はできるが、あまり聴いてもらえないという方もいます。どうしても自慢話になるのです。そこで、誰もが共感できる形のお話にして伝えるということも有効かもしれません。

なるほど、早く、わかりやすく伝えるためにはいい方法かもしれませんね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

エピソードの力

論理的に説明しても難しくてわからないことがあります。一方でよく「直感」でわかることがあるとも言います。アナロジー思考とは「似ている経験、知識を基に判断する思考法」です。人はアナロジー思考によって物事を理解することが多いから「直感」でわかるのです。
たとえ話ができる人は、内容を理解して、別の似ている経験などから説明するという課程を経ています。たとえ話にはならなくても、一般的に使えそうなエピソードを今日は紹介したいと思います。

エピソードトークは自分の体験が多いですよね。自己紹介などでてきるといいですけど。

今回は、自己紹介でなくビジネスで使えそうなお話ですよね。

石切工~高い目標

<話のあらすじ>
童話風でもありますが、ドラッカーが言い始めたと言われています。
教会の建築作業をしている三人の石切工(レンガ積み職人もあり)に旅人が何をしているかを質問します。
一人目「カネを稼いでいるんだよ」
二人目「私は、国一番の石切工になるために、技術を磨いているのです」
三人目「私は、皆さんのために教会を建築しているのです」
<教訓>
同じ作業でも高い目標があるのとないのとでは、作業の質もモチベーションも変わる。会社の経営でも、ビジョンに賛成してもらえる社員を増やそう。
<補足>
最近は四人目がいて、「みんなの心のよりどころを作っている」。ここまでくると、建物の目的まで理解しています。高い使命感を持ってはたらく社員というわけです。

このお話はよく聴きますね。あまり何回も聴くと、「またか」と思っちゃいます。

逆にこういう話は、補足説明を工夫しないと面白くならないかもしれませんね。

ウエストミンスター寺院の墓碑~自分を変える                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

<あらすじ>
ウエストミンスター寺院の英国国教会の主教の墓碑を要約しました。
若かりし頃、私は世界を変えることを夢見ていた。
世界は変わらないことに気づいて自分の国から始めることにした。
だが国も変わらなかった。最も近くにいる家族を変えることにした。
だが、悲しいことにままならなかった。
死の床について初めてわかった。変えなければいけないのは、自分自身だったのだと。
自分が変われば、家族も国もやがては世界を変えることすらできたかもしれない。
<教訓>
自分を変えることが唯一できることです。企業の研修では、研修を受講する方に自分が変わることをお願いします。経営者の方にも、社員を変えるより前に自分が変わることを考えていただきます。
<補足>
いい対話をすることで、お互いに影響しあい、変わることができるともいえます。「相手を変える」のではなく、「相手に変わりたいと思わせる」でしょうか。

主教様の墓碑というと、重みがありますね。死ぬ前に読めてよかったです。

他人を変えようとする人には、効果的な教訓ですね。

ナイキの広告~パーパス経営                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

<あらすじ>
元NFL49ersのQB、コリン・キャパニックを広告起用したNIKEの話です。
2016年、人種差別抗議のためキャパニックは、試合前の米国国歌演奏中、膝をついた姿勢で抗議行動をとり、「国歌を侮辱した」と非難され事実上の解雇となります。
19年、NIKEは、〈Just Do It.(ためらわずやろう)〉の30年記念キャンペーンにキャパニックを起用しました。巨大なビルボードに、キャパニックの顔とともに「何かを信じたら、たとえそれがすべてを犠牲にすることであっても、ためらわずやろう」と書かれました。
猛烈に批判されますが、NIKEを支持するユーザーが次々と現れ、驚異的な売り上げ、株価となりました。パーパス経営のお手本となりました。
<教訓>
企業は売上や利益のためだけに存在するのではないという姿勢が共感を呼びました。
<補足>
今はなんでもSDGSです。子供の頃から教えていて、強迫観念に近いものもあります。しかし、流れには逆らえませし、地球の住民ですから、企業の姿勢として取り込めるといいですね。

パーパス経営のお話は何回か聞いたことがあります。最近はやりましたよね。

SDGSも大切にしましょう。

スターウオーズ~エレベータピッチ

<あらすじ>
スターウオーズの映画の企画を無名のジョージ・ル-カスが売りこんだお話です。
当時全く無名だった、ジョージ・ルーカスは映画の企画を敏腕プロデューサーに売り込もうと考えます。彼がとった作戦は、ビルの同じエレベータに乗り合わせることです。エレベ-タで、プロデューサーが乗ってから降りるまでの1分間が勝負です。
「映画監督をしています」と挨拶。「実はすばらしい企画があります」「この映画なら大ヒット間違いなしです」と言います。相手が興味を持って「どんな企画なの?」と聞かれたときに、「スペース・ウエスタン!」と答えます。「企画書を送ってくれ」といわれ大成功になります。
<教訓>
入念な準備と、企画を表す「スペース・ウエスタン」という一言です。どんな企画書より強力なメッセージ力がありますね。エレベーターに乗っているくらいの短い時間で自分自身や自社のビジネスなどについてプレゼンする手法のことを、エレベーターピッチといいます。
<補足>
30秒で話せるのは250語と言われています。

今ならスマホで写真とか動画とか見せちゃいそうですね。

言葉を要約するのは練習が必要ですね。

小林三郎先生~一言でいう

<あらすじ>
エアバッグの開発者で、ホンダの教えを講演会で広めている小林三郎さんのお話です。
小林さんは本田宗一郎さんの教えとして三つのといかけを常に意識しろと言っています。
一、A00(エーゼロゼロ)はなんだ?
ニ、あんたはどう思うんだ?
三、ひと言でいってなんだ?
上司から部下に問いかける形になります。
<教訓>
私の解釈はこうです。
一つ目の「A00」というのは「基本要件・目的」という意味の軍事用語ですが、根本となる本質的な目的を明確にしなさいということ。
二つ目の「どう思うか」は、自分の意見を持てということ
三つ目の「一言で」というのは、本質的に理解して話せということ。
<補足>
説明すると長くなって聞きたくないことがあります。説明する側も理解してないようにも聞こえます。また、自分の意見として言わないと、本気度が伝わりません。

小林さんのような上司がいるといいですね。

ホンダの企業文化でしょうね。

めぐみちゃんの靴~他人に感謝する

<あらすじ>
 お父さんが入浴しているところへ、娘のめぐみちゃんが靴を持ってきて洗い始めました。「おばあちゃんが洗ってくれたけど、ちっとも汚れがおちてないの」と、不平を言いながら洗っています。お母さんは「なんで最初から自分で洗わないの」としかっています。しかし、入浴していたお父さんのしかり方は、お母さんとは違っていました。
「そのまま二、三日はいてから洗いなさい。一度もはかないで洗っちゃだめ。めぐみも自分で洗った靴を一度もはかないで洗われたらイヤな気持ちがするでしょう。まして歳をとったおばあちゃんが洗ってくれたのだから、ありがとうと言って、二、三日はいてからにしなさい・・・」さらに、「おばあちゃんに、歳をとって靴も満足に洗えなくなったとがっかりさせてはいけないよ。おばあちゃんが歳をとっても靴を洗ってくれるなんて、めぐみがかわいいからだよ。本当ならめぐみがおばあちゃんの仕事を手伝ってあげるのが人の道ではないの?それをおばあちゃんの洗ってくれたものが気に入らないからといって洗い直しをするというのでは、おばあちゃんに悪いじゃないか。人の好意は素直に受け取るものだよ」めぐみちゃんは泣きながらうなずいて、お風呂場から出て行きました。(林覚乗さんの講話)
<教訓>
子育てのお話になっていますが、会社でもベテラン社員がいて同じようなことがあるかもしれません。感謝の気持ちが大切です。
<補足>
相手の気持ちを考えることが大切です。

父親の気持ち、おばあちゃんの気持ち、めぐみちゃんの気持ち・・・を強く感じます。いろいろなことが伝わってきますね。

ベテラン社員に対するいじめみたいなものがあったりして。。教訓ですね。

中小企業とエピソード

中小企業こそわかりやすく伝えることが必要です。体験してきたことやエピソードを上手に語ったり、より伝えたいことを的確に伝えるために組み立てることです。聴く人に興味をもってもらい、“最も伝えたいこと”につなげるために「共有できるストーリーやエピソード」が効果的です。例えば、小林さんの「一言でいう」という文化を会社に浸透させるだけでも大きな効果があります。

たとえ話もできやすそうですね。

一般論でも、わかりやすいと伝わりますよね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。伝えたいことをわかりやすく伝え、同じ考えに共感できるとまとまりも良くなります。せっかく作った経営理念も長すぎると読まれません。「スペースウエスタン」のようなわかりやすいキャッチフレーズも効果的です。

とにかく伝えるための工夫ですね。

経営理念や創始者の教えを伝えることは大切ですね。

まとめ

エピソードやお話は、誰もが共感できる形で伝える有効な手段です。人は似ている経験、知識を基に判断することが多いと言われます。聴く人に興味をもってもらうために「共有できるストーリーやエピソード」が効果的です。「石切工」「ウエストミンスター寺院の墓碑」「ナイキの広告」「スターウオーズ」「小林三郎先生」「めぐみちゃんの靴」を紹介しました。ご活用ください。

今日も難しい課題でしたが、「エピソードの紹介」「エピソードでつくる社風」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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今回のお話はいかがでしたでしょうか?

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(了)