行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第51回:学習する組織をめざそう~自ら進化し続けるために

第51回:学習する組織をめざそう~自ら進化し続けるために



目次

概要

第51回は「学習する組織をめざそう~自ら進化し続けるために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第51回は「学習する組織をめざそう~自ら進化し続けるために」です。

学習する組織って学校みたいですね。

勉強好きな人が多い会社ですか?

組織の成長のために、組織全体が学習し続けるというイメ-ジかな。

成長のためといわれると、面白そうですが、組織が学ぶと言わても具体的なことがピンと来ませんね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

学習する組織とは

学習する組織とは、組織の構成員に自主的な学習を促し、その成果を組織全体で共有することにより、高い競争力を実現する組織のことです。従来の権威主義的な組織に対する対概念として置かれる組織モデルの一つです。学習する組織は、ピーター・センゲが提唱したものです。自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」の理論を提唱し、20世紀のビジネス戦略に最も大きな影響を与えました。組織もやはり生き物と同じように、学習して進化していかなければ、生き残っていくことはできないという考えかたですね。今では戦略論の基本のキかもしれません。

生物の「進化」を組織でするためには、学習し続けなさいということですか。

進化のためには、変革ですよね。変革のための学習?

学習する組織をめざす理由

変革が必要だと気づいてもどういう方向にどうやって変革するのかも大事です。学習する組織がめざしているのは、厳しい環境の変化に対応して生き残るために学習し続ける組織です。企業が変革するための手段でもあり目標にもなります。環境の変化を認知したり、自らの経験を反省したりしながら、新しい知識、技術、行動パターン、思考方法、態度、価値観などを獲得したり生成したりできる組織です。

本を読んだり、セミナーを受講したりする学習という概念よりかなり広いですね。

企業の成長のため、ひいては変革のために必要なことだとなれば、そのやり方をとても知りたくなります。

5つの原則                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

ピーター・センゲは5つの原則を示しています。
1.自己マスタリ
 自分が望むものは何かを明かにすることです。
2.メンタルモデル
 自分の固定観念を明らかにして改善することです。
3.共有ビジョン
 組織の人全員がめざすものを共有します。
 その目標にむかって自己啓発を進めることができます。
4.チ-ム学習
 チームのメンバーが望むものを実現するために、対話で学習をひきだし、チームの高い能力を作りだします。
5.システムシンキング
 問題が複雑にからみあうことを認識して考える手法です。
1から5をまとめると、ここで気づくのは、一人一人がも望むものを踏まえたうえで、チームとして「あらかじめあるもの」を学ぶというよりは、学ぶものを「生成する」ということです。「志の育成」「複雑性の理解」「共創的な会話の展開」が求められます。

最初に個人があるのが面白いですね。決められた研修にいくと、「自分は違うなあ」と思ってしまいますからね。

答えがないところに答えを出そうとする理論がすごいですね。

社会的構成主義の学習                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

そうなんですね。「構成主義」という考え方があります。知識は客体として存在するのではなく、学習者が構成すると考えます。学習者が自分の言葉で理解したり、腑に落ちたと感じられたり、自分一人で実践できるようになったりするときに、学びが起きるのです。この知識の構成が、社会的な関係性における相互作用によって起こるとする立場がヴィゴツキーによる「社会的構成主義」になります。「学習する組織」の根底にはこの考え方があると思われます。

相互作用で得られる、実践できる学習ですね。

お互いに学び会う関係ですね。

現場から学ぶアクションラーニング

研修という形では、「ケーススタディ」よりは「アクションラーニング」がふさわしいですね。「ケーススタディ」は、企業で起きた事例を題材に学ぶものです。一方、これまで経験したことのない課題について解決を求められる場面もあります。そのようなときに社員や組織が対応できるよう、自社が抱えている課題を題材に解決手法を考え、振り返りを行うことで問題解決能力やリーダーシップを養成するのが「アクションラーニング」です。現場でおきていることを直接とり入れて学ぶのがいいですね。

ちょっと紛らわしいですが、現場から学ぶわけですね。

単純にOJTといって現場まかせではうなくいかないでしょうね。

ダブルル-プ学習

ハーバード大学のクリス・アージリスによると、現在の企業の経営環境は変化が激しいため、既存の枠組みの中だけで振り返るシングルループ学習のみでは環境適応が難しいと指摘しています。ダブルループ学習では、既存のプロセスを学習棄却し、新たな枠組みややり方を取り入れてシングルループ学習をより強化・改善することになります。この際に分析すべきなのが「結果」ではなく「既存の枠組み」自体であり、今やっていることを俯瞰するという「メタ認知」の視点です。学習する組織と密接に関係しています。

バッグのブランドかと思いました。

これも有名な理論なんですね。「そもそも」論というのが時には大事ですね。いつも「そもそも」論を言って議論を振り出しに戻す人は困りものですけど。

ダイアログ(対話)

学習する組織を実現するうえでは、ダイアログが有効だといわれています。ダイアログは、情報のやりとりにとどまらず、話す側、聞く側がお互いに理解を深め、行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーションを指します。対話(ダイアログ)を通して、関わり合いを築き、情報を共有し、学びを深めていきます。従って、ダイアログの場を設定していくことが大切ですし、その場でのファシリテーションも大切です。

ダイアログはルール作りをしないと雑談で終わりそうですね。

議論ではないので相手を言い負かそうとしないことですね。

中小企業と学習する組織

中小企業といえども激しい変化にさらされています。従来の考え方や教科書通りの答えでは、組織内の課題が解決できない場面が増えています。学習する組織は、社員の力を合わせて自らその変化の中で学び成長するという考え方です。その企業にふさわしい成長戦略を自ら作り出していくことも可能となります。学習する組織は中小企業こそめざすべきと考えます。

中小企業こそ現場から学ぶことが多いですよね。

その会社が抱えている問題を解決することができる組織になるといいですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。学習する組織では、社員同士が学び会うことをめざしています。現場で起こることから学ぶ姿勢は、社員のモチベーションも高まり、雰囲気もよくなります。うまくいけば、日常の答えの出ないストレスから解放されるでしょう。

組織が一体化するといいですね。

問題解決の答えを自分たちで生成できるといいですね。

まとめ

学習する組織とは、組織の構成員に自主的な学習を促し、その成果を組織全体で共有することにより、高い競争力を実現する組織のことであり、変化に柔軟に適応し、進化し続けることができます。組織も生き物と同じように、自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」にならなければ、生き残れないという考え方です。5つのディシプリンの中で、「志の育成」「複雑性の理解」「共創的な会話の展開」が求められます。現場の課題をとりあげるアクションラーニングを採用したり、社員同士の対話を重視したりしながら実現します。学習する組織は、その企業にふさわしい成長戦略を自ら作り出していくことも可能となります。

今日も難しい課題でしたが、「学習する組織づくり」「現場の課題を解決するアクションラーニング」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)