目次
概要
第60回は「褒める面談をしよう~評価と育成のために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第60回は「褒める面談をしよう~評価と育成のために」です。
たくさん褒めてもらいたいですね。
評価と育成のためにというのが気になります。
褒めることは重要だと思っていても、実際に部下を目の前にすると小言が先にでてしまいますよね。そこで、意識して褒めてもらいたいということです。
「褒めて育てろ」ですね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
なぜ褒める必要があるのか~二宮尊徳の教え
相手に伝えなければならない場合というのは、小言や叱責あるいは、教育的指導が多いものです。評価面談が典型です。しかし、相手の部下が「聴いてないなあ」と思うことが多いと思います。人は小言や叱責は、頭にはいって来ないのです。
つまり、信頼関係を先につくる必要があります。相手を承認することです。そのためには、「褒める」ことが効果を持ちます。
よく「3回褒めてから1回叱れ」ということがあります。これは、二宮尊徳の教えから来ています。「可愛くば、五つ数へて三つほめ、二つ叱って良き人となせ」
たしかに、褒められると認められた気分にはなりますよね。
褒めると叱るをセットにする方法が、二宮尊徳の時代からあるなんて、驚きですね。
褒める面談の役割
会社の中では、個人の評価を伝える必要があります。評価を伝えて、成長してもらわなければならないからです。それを、「褒める面談」にしてほしいのが、私からの提案です。次のような役割があります。
1.褒めることで、自分の長所やできているところを知ってもらう。
2.相手を自分が認めていることを伝える。
3.信頼関係を築く。
4.評価を伝える。
5.自分の短所やできていないところを知ってもらう。
6.成長のための目標を確認する。
7.目標達成のためのサポートを約束する。
8.モチベーションをあげる
9.会社が奨励する行動が本人の行動として明確になる。
評価面談はモチベーションを下げてしまいますからねえ。
しっかりと、二宮尊徳の原則を守って、伝えるのがよさそうですね。
褒める方法
褒める面談での褒める方法は以下のとおりです。
1.感謝とねぎらいを伝えましょう
2.相手の行動をしっかりと観察して、観察に基づいて個別具体的に褒めましょう
3.結果より、プロセスや行動に注目して褒めましょう
具体的なほうが見てもらってるようでいいですね。
たしかに結果に注目されるより、結果に至る過程を褒められるほうが嬉しいですね。
褒める3原則
褒める面談とは少し異なりますが、褒める3原則以下のとおりです。
1.時間をおかない
何を褒められてのか、わからないのがよくありません。褒めるのも叱るのも、その行動からなるべく時間をおかないほうが効果的です。
2.具体的に褒める
具体的にどういう点がよかったのか、わかりやすく褒める必要があります。褒められた行動は繰り返して行ってほしいからです。
3.心の底から褒める
真剣に心の底から褒めると、気持ちが伝わります。
何か、言葉は悪いかもしれませんが、ペットの飼育方法に通じるものがありますね。
人間の本能的な部分に近いんでしょうね。
育成のために褒める
女子マラソンのQちゃん(高橋尚子さん)を育てた、故・小出義雄監督は褒めることで有名でした。育成のために褒めることは以下のような意味があります。
1.夢を持たせる
褒めることで大きな目標に負けずに粘り強く向かうことができます。
2.長所を伸ばす
長所を意識することで、さらに磨きをかけることができます。
3.萎縮させない
萎縮してしまうと伸びない人がいます。褒めることで萎縮しなくなります。
4.一人一人を認める
「世界に一つだけの花」と思って育てましょう。
小出さんは、Qちゃんの性格に合わせて、褒める作戦にしたみたいですね。
なかなかできないことですよね。
評価のために褒める
評価のための褒める方法は以下のようになります。
1.成長、変化を認める
成長や変化は、部下をよく日頃から観察してなければ気づきません。観察に基づいて、成長や変化を褒めましょう。
2.努力を褒める
結果を褒めるよりは努力を褒めるほうが再現を期待できます。
3.小さなことも褒める
小さなことに思えても、褒めることで何かが伝わります。
また、してはならないのは以下のようになります。
1.結果だけに注目する
結果には、その人の責任がない部分が含まれていることがあります。
2.他人と比較する
比較すると、その相手そのものをみていないように感じます。無力感につながることもあります。
他人との比較はありがちですよね。
そして結果だけで評価されるのがおちですね。
褒める弊害
褒めるときに注意するのは以下のようになります。
1.相手を操作しようとする意図が見える
相手を操作するために褒めていると思われると逆効果です。
2.もっと要求する
褒めておきながら、「もっと」要求してしまうと、褒められた気がしません。さらに上を狙うのは自発的にめざすほうがいいです。
褒める意図が見透かされるというパターンですね。
「さらなる要求」もやってしまいがちです。
中小企業と褒める面談
中小企業では、少ない人数で成果を出す必要があります。社員を褒めることはその分効果的です。目が行き届くことも多いので、成長や努力に気づくことも多いはずです。成果に追われると、結果だけに目が行きがちですが、課程も大事にして、褒めることが効果的です。
褒められるとモチベーションがあがりますから、わかりやすいですよね。
評価面談で暗くなる会社とは、真逆の結果になりそうですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。褒める面談は雰囲気をよくします。褒めることで、会社が奨励する行動が明確になります。「3つ褒めて1つ叱る」の要領で、伝えるべきことも伝えると、行動が改善し、業績にも寄与します。もちろん、褒める面談だけでなく、日常的に褒める文化もおすすめです。
信頼関係がこわれないように、会社が奨励する行動と奨励しない行動が明確に伝わる気がします。
日常的に褒める文化、感謝しあう文化はいいですね。
まとめ
会社では、評価と育成が重要です。それを「褒める面談」で実現するのが、私の提案です。方法は「感謝とねぎらいを伝える・個別具体的に褒める・プロセスや行動を褒める」です。時間をおかないで行うのも効果的です。会社が奨励する行動が明確になり、「3つ褒めて1つ叱る」の要領で行うと、行動改善にも寄与します。日常的に褒める文化がおすすめです。
今日も難しい課題でしたが、「褒める面談のしかた研修」「褒める風土づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)