行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第84回:プロ野球に学ぼう~強い組織・人材とするために

第84回:プロ野球に学ぼう~強い組織・人材とするために



目次

概要

第84回は「プロ野球に学ぼう~強い組織・人材とするために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第84回は「プロ野球に学ぼう~強い組織・人材とするために」です。

プロ野球ですか。日本ではオリックス対阪神の関西・日本シリーズになりましたね。

ドラフト会議も終わって、戦力外通告も出そろい、悲喜こもごもですね。

日本のプロ野球は長い歴史があります。WBCで日本が優勝しましたが、アメリカのベースボールと日本の野球は違うともいわれます。日本でも球団の栄枯盛衰があります。そして、勝敗で結果が出る厳しい世界です。売上と勝敗の二つの面で経営に結果が出るといえます。

スポンサーが変わって球団名が変わっちゃうこともありますしね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

「プロ野球に学ぶ」とは

もちろん、プロ野球ではお金がある球団が強いかというと必ずしもそうはなりません。ソフトバンクや巨人は年俸総額が多いですが、日本シリーズを戦っているオリックスは10位、阪神は7位です。売上ランキングでは、オリックスは11位、阪神は4位です。また、成績が悪いと監督は交代となります。選手も2軍行きとなります。厳しい世界ですが、そこに経営で参考になる点が多いと思います。

年俸総額が多い球団はいい選手が多いわけですよね。

人気があって、収容人数が多い球場を本拠地にすると売上が多いわけですね。

プロ野球をとりまく環境と進歩

プロ野球をとりまく環境が変わり、日本のプロ野球は進歩しています。
1.ドラフトの功罪
 1965年ドラフト導入後、戦力の均衡化が進み、観客動員は急増しました。ドラフト制度は希望枠など常に改変を加えられてきましたが、アメリカに近い制度におちつきました。
戦力均衡よりも一部球団が強い方が人気が出て、市場は拡大すると言う考えがあります。ヨーロッパのサッカーがそうですよね。しかし、日本プロ野球は戦力均衡と平等な競争が支持されつつあります。また、高校時代に有名だった選手がドラフトで指名漏れすることがあります。そこに企業採用のヒントがあります。有名大学出身者や部活での輝かしい経歴をもった学生が、企業で成功するとは限りません。
2.データ解析による技術の進歩
 巨人がドジャースから学んだといわれるダウンウイングは廃れ、ボールの下を打つ打法が全盛です。米国で主流なように、長打に価値があり、長打の確率を上げるには打球の速度と角度が重要になります。スピードガンやピッチング忍者は投球術も解析してしまいます。企業経営では、新製品の開発などでも、データ解析が必要であることを示唆しています。
3.情報の変化
 NHKは毎日メジャリーグ中継を続けています。多くの青少年に影響を与えています。甲子園の指導者にも球数制限の考え方が浸透しています。情報は重要です。
4.弱小チームが逆転するが続かない
 広島カープは少ない予算で育成からチームを強くしました。とてもいい経営の事例です。しかしその後移籍などで弱体化しています。そこに改善点があると思われます。継続的な企業運営のヒントがあると思われます。
5.役割分担が進む
 球団にGMが設定され、監督は交代の対象となっています。コーチも細分化し、スカウト、データ分析担当、球団スタッフ、裏方など役割分担が進んでいます。いいピッチャーでも分析されてしまうとポカスカ打たれることがあります。バッターには守備シフトやストライクゾーン分けの打率分析が対策です。
6.地域リーグや海外リーグ
 プロ以外は社会人野球一択だった時代から、今は独立リーグや海外のリーグなど選択肢が広がっています。企業の採用においてもヒントになります。

環境が激変していると対応が大変ですね。

情報化時代の環境への順応が生き残りには必要ですね。

プロ野球から得られる教訓

プロ野球から得られる教訓は以下のようになります。
1.FAなどでいい選手を集めても強くなるとは限らない
 いい選手が多いと強くなりますが、必ずしも優勝するとは限りません。4番バッターばかり集めてもだめとも言われます。適材適所は人材育成や採用の大きなヒントになります。
2.常勝は難しい
 優勝するようなチームは分析されて対策されます。弱点もあぶり出されます。経営においても、勝ち続けることは難しいですし、負けても競合企業や製品をしっかり分析することで対策が生まれるのではないでしょうか?
3.コンプライアンス教育
 プロ野球では、ちょっとしたことでも新聞にのります。醜聞は週刊誌の格好の題材です。企業としてもコンプライアンス教育の重要性のヒントになります。
4.指導者像の進化
 高校野球では仙台育英の須江監督は選手時代はベンチに入れず学生コーチになりました。WBCでは栗山監督がコミュニケーションを重視しました。いい選手がいい監督になるとは限りません。企業経営でも同じことがいえるのではないでしょうか?売上ナンバーワンの営業マンを営業部長にしても成功するとは限りません。
5.選手としての最盛期と寿命
 選手には最盛期があります。ピークを過ぎた選手は役割も変わります。会社でも若手とベテランの役割分担は必要となります。

常勝できないというところがいいヒントですね。

指導者のタイプも変わってきましたから、いいヒントですね。

ドラフトと戦力外通告から考えること                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

現在ドラフトが終わり、戦力外通告がたくさん出ています。ここから学ぶべきことはたくさんあると思います。ドラフトと戦力外通告、年俸更改でいい人材を常に持ち続けることが大事です。ドラフトではそのチームが必要とする人材を指名します。甲子園で活躍しても指名もれになることがあります。そのチームに必要とされるかどうかです。
逆に既存の選手は細かく査定され、年俸に反映します。いい選手はもっとがんばろうと思います。球団から改善点も指摘されるでしょう。それでもだめな選手は戦力外となります。
企業では社員の解雇は自由にできませんが、あえて、立ち上げ時には定着率が悪くてもいい人材だけ残す戦略をとる企業もあります。契約更改や年俸制度は企業にとっても大きなヒントになります。

人材を考えるうえではいいヒントですね。

やめてもらいたい人ほどやめないのが現実ですけどねえ。

強いチームの作り方

プロ野球から学ぶ強いチームの作り方は以下のようになります。
1.役割分担といい経営者
 データ分析や社員育成などの分担をはっきりとさせ、そのうえでいい経営者を置くことで、チームが機能します。
2.市場分析・競合分析をしたうえで戦略・戦術を練る
 分析をすることで、戦い方が変わります。良い分析から良い戦略・戦術を練ることができます。
3.適材適所の人材活用
 環境の変化に順応しながら、今必要とする役割に適する人材を確保します。
4.継続的な強化戦略
 一定の方向性をもって継続的にチーム作りをすることが重要です。お金に任せて毎年戦力を入れ替えるチームはなかなか結果が出ません。チームカラーと戦術にあった選手を集めて育てることが求められます。

根性論から科学的な方向に来てますね。

変化が早いところは経営と同じですね。

会社経営との違い

会社経営とスポーツは違うところがありますので注意は必要ですね。
1.プロ野球は同一ルールであるから戦略戦術は限定されている
 ルールがはっきりしています。企業経営では、法的な規制以外はルールはないようなところがあります。
2.プロ野球は同じ人数で戦う
 あたりまえですが、企業経営では規模に差がでます。小さな企業は差がでない局地戦を挑むことが重要です。
3.プロ野球は同じ道具で戦う
 企業経営では、道具の制限がありません。差がでやすい理由になります。
4.学生からの育成が機能しているとは限らない
 プロ野球では予備軍的な位置づけの高校野球、大学野球が盛んです。プロに通用することを前提にしているところも多いです。しかし、今の学生は企業経営の予備軍という意味は、まだまだ育成力が弱いです。人材採用では企業側の見極めが求められます。

企業経営では資本力の差がでやすいわけですね。

中小企業は、差がでにくい戦い方が必要ですね。

中小企業とプロ野球

大企業と比較して、中小企業は、少ない人数で運営します。プロ野球とは異なり、同じ人数で戦うわけではありません。それでも、弱者の戦い方はヒントになります。プロ野球はある同じ人数、同じ道具で戦うことで、ある意味局地戦を示唆しています。少ない予算で強いチームを作るところもあります。WBSC U-18ベースボールワールドカップでは、馬淵監督はスモールベースボールを徹底しました。相手のピッチャーが良かったので、弱者の戦い方を選択したのだと思います。広島が強かった頃は、少ない予算で育成に成功していますね。

弱者の戦い方ですね。

戦い方がヒントになりますね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。プロ野球でもベンチの雰囲気は大事なことがわかります。チームが、負けているときも元気を出す必要がありますからね。

盛り上げ役がいることで、局面で一喜一憂しないことができますね。

適材適所ですね。

まとめ

少ない予算で強うチームを作るプロ野球は環境変化に順応し、進歩していますので学ぶところがたくさんあります。プロ野球から学ぶ強いチームの作り方をまとめると、「いい経営者が役割分担を活用すること、データ分析をしたうえで戦略を練ること、採用・契約更改・年俸制などで適材適所の人材活用をすること、チームカラーと継続的な強化戦略」が挙げられます。4番バッターばかり集めてもだめです。弱者の戦い方はヒントになります。プロ野球に学び、強い組織・人材をつくりましょう。

今日も難しい課題でしたが、「プロ野球に学ぶ経営戦略研修」「プロ野球に学ぶ人材戦略」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)