目次
概要
第14回は「見える化していますか」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第14回は見える化していますかです。
大企業では、現場が見えていないという課題がありそうですが、中小企業だと全部見えているはずなのではありませんか?
改めて、「見えていますか」って聴いたら意外と見えていないという答えになるかもしれませんね。
経営者の方も正しく会社の実態を把握しているか自信がない場合もあります。お話を聞きながら、「見える化」の実態を把握し、さらなる改善が必要かを検討していきす。
第三者の目で客観的に把握することが重要ですね。日本人は、家族経営、家族意識などという安心感や信頼感がある分、意外と主観では見えていても、客観的には見えていない状態が多いかも知れませんね。
例えば、数値化というのがありますよね。サッカーなんかでも、走行距離やダッシュの回数、パス成功率などの数値データがどんどん普及しています。漠然と、いい選手だなあというのが、リーグで一番のデュエル勝率といったら全然違いますよね。
わかりやすい「たとえ」でありがとう。トヨタの現場改善が発祥のようなので「現場の見える化」といいますが、会社経営では下記のように分けて考えることができます。
1.管理部門の見える化
2.営業部門の見える化
3.サービス部門の見える化
4.設計開発部門の見える化
5.製造部門の見える化
基本的には、「見える化」ができない場合の弊害から対策するのがわかりやすいですね。共通していえるのは、プロセスの標準化・図式化と情報把握の迅速化でしょう。PDCAのサイクルも効果的です。
製造現場で始まった考え方を経営全体に拡大するわけですね。サッカーでいったら、選手を分析するときに使う数値を標準化していって、その場で数値を出してあげるという感じでしょうか。そうすると、解説を聞く側にも理解の共通認識が生まれていきますよね。サッカーは選手個人の分析が進んでますが、戦術や戦略の分析数値もあるといいですね。
そこのところもう少し詳しく教えていただけますか?
管理部門の見える化
管理部門の見える化
管理部門は、経理や社会保険などの専門分野になると属人的になってしまう弊害があります。税理士さんなどに処理を丸投げして、リアルタイムでの状況把握ができていないケースもあります。また、非定型の業務が発生したり、同時並行処理が多くなることも課題です。紙の処理が多いと、データの共有化もできません。
対策としては、処理プロセスの分析と標準化です。しかし、本来は各社共通の処理をしている分野でもあります。今は、クラウドサービスが安価ですから、是非クラウドサービスを検討していただきたいですね。そして、クラウドに合わない処理を思い切ってやめることで、業務が定型化される好結果も期待されます。
戦略部門の場合は、BSCやKPIでの目標管理の導入が見える化を推進できます。全社員が、戦略をどう推進しているのかを把握することを目指します。人材育成も計画的な見える化が望ましい分野です。
属人的というのはよく聴きますね。標準のプロセスが世の中にあるので、それに合わせちゃうのがいいんですね、独自処理や例外処理をそぎ落として、標準プロセスに合わせるとことが難しいいところで、コンサルなど第三者のサポートが必要なんでしょうね。
戦略部門は効果が多そうですね。
営業部門の見える化
営業部門の見える化
ここでは、営業マンのノウハウの属人化が典型的な課題となります。簡単にいえば、ベストプラクティスという形で、営業成績のよい営業マンのノウハウを標準化して他の営業マンと共有することが考えられます。もうひとつ重要なのは、顧客の見える化です。まずは、BtoBとBtoCの違い。そしてなぜ、この顧客は当社製品をこの営業マンから買ってくれたのか、という部分の見える化です。製品の良さなのか、営業マンのサポートなのか、というようなことを明らかにしていきます。ここで出てくるのが、顧客の変化の見える化です。ネットの時代では、顧客側の情報量が劇的に増えています。顧客の行動の変化にも注意が必要です。
対策としては、CRMなどのIT化が基本です。販売管理の安価なクラウドもあります。無料の名刺管理アプリ(共有可能)もありますね。IT化が出来ない場合は、紙でやるしかありませんが、例えば、顧客アンケートを実施して、見える化を行うことが考えられます。
この分野の見える化も、いろいろな種類の施策がありそうですね。
それと同時に、大きな成果にもつながる可能性があります。
サービス部門の見える化
サービス部門の見える化
製品を提供したあとのアフターサービスは、組織的に行っていないケースが多いです。大きなクレームだけに注目したり、謝罪することに重点が置かれたり、対応にバラツキが出たりする弊害が考えられます。長期的にお使いいただく形の製品の場合には、特に顧客へのサポート体制の見える化と改善が大きな鍵となります。
顧客からのクレームの進捗状況を見える化することは、顧客サービス改善の第一歩です。組織として対応するために、対応方法のマニュアル化や、社内監査体制も必要です。お客様からのクレームを、社員自ら申請することを奨励する仕組みを構築している企業の例もあります。
新規顧客を増やすのも大事ですが、既存顧客にリピートしてもらうのも重要ですよね。
社員が隠ぺいしないような仕組みが必要ですね。
設計開発部門の見える化
設計開発部門の見える化
設計開発部門の課題は、属人化、開発の遅延、製造部門や営業部門との連携不足、無駄な機能の開発などがあげられます。
対策としては、スケジュールの見える化、思考プロセスの見える化、トラブルの見える化、情報共有の見える化が考えられます。
スケジュール管理では、PERT( Program Evaluation and Review Technique)が代表的です。
思考プロセスでは、QFD( Quality Function Deployment)が効果的です。
トラブル管理では、FMEA(Failure Mode Effects Analysis)が挙げられます。
情報共有では、DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)があります。
難しすぎれば、必要な事項をエクセルなどで書き起こして管理するだけでもだいぶ違います。
気難しい研究者はアンタッチャブルになりがちですが、組織としてしっかりと見える化するのがよさそうですね。
プロダクトアウトの発想で、いいものを作れば売れるというのは危ないですね。開発者こそ、コミュニケーションの中から、顧客の満足につながる創造的なヒントを見つけてほしいですね。
製造部門の見える化
製造部門の見える化
トヨタの製造現場が発祥といわれるように、この分野は充実しています。ただ、経営者からは一番離れている場合が多いので、自主管理・現場任せ的に放置されるケースもあります。課題としては、コストダウンの要請、現場のトラブル処理の未報告、社員の高齢化・流動化が挙げられます。
対策としては、QC工程図、作業標準書、重点管理点の設定、5Mの変化点の管理、モチベーションの見える化などがあります。
現場の特長は、掲示板など「本当の意味の見える化」の効果があることです。異常検出時のパトランプの点滅が代表的ですね。「色を分けて誤操作を防ぐ」などその現場にしかできないが、共通の発想で工夫できそうなことも多いです。
QC七つ道具というのがありましたねえ。共通のヒントがありそうです。
小集団活動が効果がありそうですね。
見える化の推進
見える化の推進
見える化は組織的に継続的に実施することで効果が上がります。経営トップが主導する全社改革活動の一環とする例があります。また、定着が必要ですから、PDCAサイクルが必要です。社員教育の内容にもとり入れるべきでしょう。
特別なことをするわけではないけど、しっかりと継続したい活動ですね。
社員の理解と協力を求める体制も必要ですね。
まとめ
見える化は、可視化でプロセスや現況課題を把握するだけではなく、プロセスの標準化、効率化にもつながります。現場だけでなく、会社全体にわたる「見える化」が大事です。管理部門、営業部門、サービス部門、設計部門、製造部門ごとに適切な見える化を実施することで、全社的な経営改善が見込まれます。
今日も難しい課題でしたが、「部門ごとの見える化」「見える化推進体制の構築」などでお手伝いさせていただくのが一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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今回は、「長所を見ていますか」について、ご理解いただけたと思います。
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(了)