行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第80回:ランチェスター経営を学ぼう~効果的な市場攻略のために

第80回:ランチェスター経営を学ぼう~効果的な市場攻略のために



目次

概要

第80回は「ランチェスター経営を学ぼう~効果的な市場攻略のために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第80回は「ランチェスター経営を学ぼう~効果的な市場攻略のために」です。

ランチェスター経営はよく聞きますね。

たしかこれも孫子と同じように戦争の戦い方がもとになっていたと思います。

経営戦略の中では、古典的になりますね。第一次世界大戦での戦い方を参考にしてつくらた法則をもとにしていて、市場分析や市場攻略に特徴があります。

ナポレオンのあとですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

「ランチェスター経営戦略」とは

ランチェスター法則は、イギリスのエンジニア、フレデリック・ランチェスターが第一次世界大戦の際に提唱した数理モデルです。兵隊や戦闘機や戦車などの兵力の数と武器の性能が戦闘力を決定づけるというものです。第二次世界大戦中、コロンビア大学のバーナード・クープマンらよって、ランチェスターの法則は軍事戦略モデルとして発展しました。
日本では経営コンサルタントの田岡信夫氏が「ランチェスター経営戦略」として発展させたといえます。日本発でもあり、多くの企業が導入したり、影響を受けていることから「販売戦略のバイブル」ともいわれます。

たしか書籍類も多数ありそうですね。

日本で発展しているところが面白いですね。

ランチェスター経営戦略が必要とされる理由

ランチェスター経営戦略が必要とされる理由は以下の点が挙げられます。
1.理論的な裏付けがあるので説得力がある
 戦争の実戦をもとにした理論があり、それをもとにしている経営戦略論なので説得力があります。
2.弱者の戦い方を明確にしているので、中小企業の多い日本に適している
 市場での立ち位置から、強者と弱者に分け、それぞれの戦い方を示しています。弱者がどう戦うべきか、また自分より弱いものに対しては強者としてどう戦うべきかを示しています。
3.市場参入のときの指針となる
 スタートアップ企業や新規商品投入の場合には、どのような戦略をとるべきか迷うものです。ランチェスター経営戦略は、市場参入について具体的な指針となります。
4.とくにマーケティングにおいて実践的な経営戦略である
 通常の販売戦略は営業マンにノルマを与えて、出来高報酬でがんばれというのがよく行われているものです。これに対して、ランチェスターでは、地域や顧客層のターゲットを決めて攻撃するので、とても実践的です。
5.強者にも弱者にもあてはまる
 強者と弱者の戦術が裏表ですので、両者とも指針とすることができます。

市場攻略を理論的にできるというのは魅力的ですね。

しかも実戦での理論がもとなんですから、説得力があります。

ランチェスター経営の基本                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

ランチェスター経営戦略の基本は以下のようになります。
1.ランチェスターの第一法則
 狭いエリアで、剣などを用いて接近戦で戦うことを想定した法則です。
 戦闘力=兵力数×武器性能 
 「狭いエリアで接近して戦う場合、兵力数が少なくても武器の性能さえ良ければ勝てる」という法則となります。
 経営戦略への応用としては、狭い市場での接近戦にもちこめば中小企業にも勝機があることを示唆しています。
2.ランチェスターの第二法則
 広いエリアで、銃などを用いて遠距離で戦うことを想定した法則です。この状況下での戦闘力は次の式で算出されます。
 戦闘力=兵力数の2乗×武器性能
 「広いエリアで遠距離で戦う場合、武器の性能より兵力数が左右する」という法則となります。
 経営戦略への応用としては、強者は弱者にたいしては、広いエリアで飛び道具を使った戦いにもちこめば有利であることを示唆しています。
3.経営戦略への応用としては、市場シェアを重視する
 例えば市場を細分化すると、それぞれの市場でのシェアも変わります。店舗数なども強者と対等なあるいは有利にたつエリアを発見することができます。
詳しくはNPOランチェスター協会編著「図解で身につくランチェスター戦略」をご覧ください。

銃を使うのと剣を使うのでは、こんなに差がつくんですね。

中小企業は銃撃戦ではなく、一騎打ちに持ち込むわけですね。

強者の戦略

強者の戦略は以下のようになります。
 「ミート戦略」
 圧倒的な戦力で相手を倒すための戦略です。模倣したり同質化したりします。家電の2番手戦略がこれに相当します。先行して新製品を出した競合に対し、ほぼ同等の2番手製品を投入し圧倒的な販売チャネルを利用して対抗しました。
個別戦略は以下のようになります。
1.広域戦 局地戦を避けます。
2.遠隔戦 広告宣伝の力で顧客と店舗が対面する前に勝負を決めます。
3.確率戦 自社製品を増やしたり、販売代理店を増やすなどして確率を高めます。
4.総合主義 量や品揃え、広域エリアで総合力を発揮します。
5.誘導作戦 都合のよい土俵に誘導します。

弱者の戦い方の裏表になるわけですね。

2番手戦略が実は強者の戦い方というのは面白いですね。

弱者の戦略

弱者の戦略は以下のようになります。
 「差別化戦略」
 接近戦では武器性能がものをいいます。経営では差別化戦略となります。営業員の質なども含めて、あらゆる場面で少しでも差別化して優位にたつ戦略です。
個別戦略は以下のようになります。
1.局地戦 市場の地域、製品の分野・機能などで狭い戦いをします。
2.接近戦 顧客と接する時間を長くします。
3.一騎打ち戦 競合が一つしかないような戦いに持ち込みます。
4.一点集中主義 限定した戦いに資源を集中することで格差をなくします。
5.陽動作戦 奇襲や攪乱などで有利に持ち込みます。

細分化したところに集中すれば強者と逆転も可能になりますね。

実際にできるかはともかく、とても理論的に正しい戦法にみえますね。

4つの原則

ランチェスター経営戦略の4つの原則は以下のようになります。
1.地域戦略
 地域を分けて把握し、地域ナンバーワンを目指します。
 地域によって特性が異なりますので、そこの特性に合わせて差別化を図る戦略をとります。気候・風土・県民性・消費購買特性などのほか、うちもの地区とよそもの地区、など地域の特性を把握する方法のほか、それに合わせた攻略法も示されています。
2.流通戦略
 弱者は、差別化した新規チャネルの開拓、二次卸の重視、プッシュ戦略となります。
 強者は、一次卸の重視、広告宣伝などのプル戦略、複数代理店特約店となります。
3.営業員戦略
 第一法則では 営業攻撃量=平均訪問時間×平均訪問件数
 第二法則では 営業攻撃量=平均訪問時間×平均訪問件数の2乗
 むやみに営業成績だけで判断しないで、訪問時間や件数などの把握や、訪問の計画的・効果的運用が求められます。訪問の質を高めるため、四回訪問の原則やハッピーコールなどの手法があります。
4.市場参入戦略(時間軸)
 市場参入では弱者の戦略をとります。プロダクトサイクル理論により、導入期は「グー」、成長期は「パー」、成熟期から衰退期までは「チョキ」の戦略をとります。「グー」では、差別化・一点集中戦略でアピールします。「パー」では、拡大路線です。「チョキ」では、集中と選択の場となりますチーム力の向上をめざすことが示唆されています。

網羅した戦術ですね。

営業マンの訪問回数などはかなり具体的ですね。

ランチェスター経営の成功事例

ランチェスター経営の成功事例は以下のようになります。
1.松下電器
 強者の戦略の成功事例といえます。2番手として常に家電業界に君臨しました。
2.H.I.S
 弱者の成功事例です。あまり注目されていなかったバリ島という商品を作りました。
3.その他
 成人式の着付けで地域ナンバーワンになった美容院、相続に特化した税理士など成功事例が多数あります。

そのほかにもたくさんありそうですね。

弱者から強者になってもこのランチェスター経営は活かせるのがすごいところですね。

中小企業とランチェスター経営

大企業と比較して、中小企業は、少ない人数で運営します。市場ではほぼ弱者の立場となることが多いです。ランチェスター経営は、まさに中小企業のためにある経営戦略といっても過言ではありません。もちろん、強者である大企業の戦略を予測することも可能となります。市場での行動や、営業マンの行動など具体的な示唆を与えてくれますので、ぜひランチェスター経営を参考にしてほしいと思います。

ほんとうに中小企業の戦略のヒントが満載されていると思います。

ジャイアントキリングをするためにはそれなりの戦術が大事ですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。ランチェスター経営戦略論は理論的でしっかりした背景をもっています。社員も納得性が高い具体的な戦術です。やみくもなノルマ営業よりは受け入れやすいと思います。

第一法則と第二法則しかないのに、これだけの経営戦略に発展しているのが驚きですね。

理論がしっかりしているから、いろんな応用もできそうですね。

まとめ

ランチェスター経営戦略は、第一法則(狭い接近戦)と第二法則(広い遠距離戦)から、市場における弱者(狭いエリアで差別化)と強者(広いエリアで物量化)の戦略を示唆する経営戦略論です。地域ナンバーワン、営業マンの訪問回数、流通チャネル戦略、市場におけるグー・パー・チョキ戦略など、具体的で効果的な戦術を提案してくれます。ランチェスター経営を学び、効果的な市場攻略をしましょう。

今日も難しい課題でしたが、「ランチェスター経営を学ぶ社員研修」「ランチェスター経営戦略づくり」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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(了)