行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第81回:期待と貢献を一致させよう~組織強化のために

第81回:期待と貢献を一致させよう~組織強化のために



目次

概要

第81回は「期待と貢献を一致させよう~組織強化のために」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第81回は「期待と貢献を一致させよう~組織強化のために」です。

期待と貢献がずれているというお話ですね。

期待ばかりしないで貢献もしなさい、というのも狙いですかね。

組織内では、お互いにああしてほしい、こうしたいというような「期待」がうまく伝わらずに、不満が残ってしまう状態になりがちです。また、不満ばかりで自分は努力をしているの?と聞きたくなることもあります。

欲求不満で他人批判はよくないですね。

そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?

期待と貢献一致の「ウォント・コミットメントフレームワーク」とは

そこで活用したいのが、期待と貢献を一致させる「ウォント・コミットメントフレームワークWant-Commitment Framework」です。テーマを持ったワ-クショップを開催し、そのテーマに「期待すること(ウォント)」と「貢献できること(コミットメント)」を一覧表(W/Cシート)に書き出し、それぞれが一致することを探し出します。一致したものはすぐに実行に移します。一致しないものは、一致させるための方法を参加者で協議します。

参加者が「もやもや」と考えていることを、書き出すわけですね。

貢献も書き出すところが鍵ですね。

ウォント・コミットメントフレームワーク活用場面

ウォント・コミットメントフレームワーク活用場面は以下が挙げられます。
1.新規プロジェクト
 新規プロジェクトでは、参加者同士がお互いのことをしらないことが多いです。お互いに思っていることや、各自の得意なことを知ることを目指します。これを新規プロジェクト開始前にしっかりすることで、円滑な運営が期待できます。
2.組織間連携
 組織ができると対立してしまうことがよくあります。対立までいかなくても不満を抱えることもあります。組織同士では、「相手に期待すること」「自分たちができること」を書き出すことで、お互いの理解が深まります。
3.リーダーズインテグレーション
 ウォント・コミットメントフレームワークの応用です。社長やリーダーには、孤独感や悩みがあります。部下は「上司にこうしてほしいのにいえない」という状態になりがちです。リーダーズインテグレーションでは、そのもやもやを吐き出させて、お互いによく理解しあうことを目指します。もちろん、部下として貢献できることを書き出させることも目的の一つです。

3つともうまくやると効果があがりそうですね。

リーダーズインテグレーションもうまくいくと効果が大きそうですね。

実施の手順~新規プロジェクト                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

新規プロジェクトの実施手順は以下のようになります。
下記の候補からテーマに沿って絞って出させます。
1.新規プロジェクトへの期待の書き出し
 ・やりたいこと
 ・やらなければならないこと
 ・期待していること
 ・知りたいこと
2.新規プロジェクトへの貢献の書き出し
 ・自分で可能なこと
 ・自分が貢献できること
 ・自分の知識、特技、スキル、経験
3.期待と貢献の一致
 ・一致するものは実行します
 ・一致しないものは、実行する方法を協議します

新規プロジェクトのテーマをしっかりと把握したうえで、参加者のモチベーションを挙げるためにもよさそうですね。

結局は参加者のスキルや協力が鍵になりますからね。

実施の手順~組織間連携

組織間連携の手順は以下のようになります。
対象となる部門を選定し、参加させます。
「納期短縮のため」のようなテーマがあってもかまいません。
1.相手への期待の書き出し
 ・相手部門にしてほしいこと
 ・相手部門になってほしいありかた・関係性
2.自分の貢献の書き出し
 ・自部門ができること
 ・自部門がこれからなろうとするありかた・関係性
 ・自部門の技術、スキル、ノウハウ
 (・自部門ができないこと)
3.期待と貢献の一致
 ・一致するものは実行します
 ・一致しないものは、実行する方法を協議します
 ・部門間連携では主催者が第三者・調整役としてはいることも効果的です。

部門間の連携が深まるように運営する必要がありますね。

調整役も大事ですね。

実施の手順~リーダーズインテグレーション

リーダーズインテグレーションの手順は以下のようになります。
応用編になります。
1.主催者・ファシリテータから趣旨説明
2.リーダーから挨拶
 自己紹介と目標などを語ってもらいます
3.リーダー退席
4.部下たちの期待の書き出し・話し合い
 ・リーダーになってほしい姿
 ・リーダーにしてもらいたいこと
5.部下たちの貢献の書き出し・話し合い
 ・部下たちが貢献できること
 ・部下たちがリーダーのためにできること
6.リーダーのみ入室、部下たちが退席
7.ファシリテータがリーダーに説明
8.全員入室後、リーダーからコメントや回答
 お互いに実行できることを確認しあう
 ファシリテータが総括する
9.懇親会

これは相当注意深くやらないと逆効果になりそうですね。

リーダー退席後の部下たちからの引き出しで「忖度」があってもいけないし、そのあとリーダーが自分への意見を受け止められるように運営したいですね。

実施するうえで注意すること

実施するうえで注意することは以下のようになります。
1.テーマに沿った論点を与える
 「○○のために期待すること」のように論点を与えるといい意見がでます。
2.一致したら実行に移すこと
 一致する結果が出たらすぐに実施することが大切です。
3.一致しないこともよく協議すること
 一致しなくても、期待があることがわかっているのですから、なんらかの対処が必要です。期待を解決する方法を前向きに協議することが大切です。
4.率直な意見を出させる
 せっかくの機会ですから、なるべく多くの率直な意見をだしてもらうように工夫しましょう。

やりっぱなしはよくないですね。

想定内の意見しかでないと面白くないですよね。

中小企業とウォント・コミットメントフレームワーク

大企業と比較して、中小企業は、少ない人数で運営します。大きな部門間対立もないかもしれません。しかし、人間関係が固定化することがあるのは中小企業の短所です。お互いに意見がいえなくなってしまうこともあります。そういうときに、ウォント・コミットメントフレームワークを活用すれば、率直な意見交換ができます。社長と部下に距離を感じたら、是非リーダーズインテグレーションを検討してみたください。

自分の貢献もいうことで、相手批判ではない建設的な話し合いになりますね。

中小企業だからこそ、うまくいけば効果も大きいですね。

笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。ウォント・コミットメントフレームワークを活用すれば、率直な意見交換ができます。しかも、実効性もあります。建設的な話し合いで効果を高めましょう。

お互いに意見が言える場を作ることですね。

しかも前向きになれるからいいですね。

まとめ

ウォント・コミットメントフレームワークは、「期待」と「貢献」を書き出し、一致させるよう協議します。自分の貢献も出すことで、他人批判ではない建設的な話し合いになり、モチベーションもあがり実効性もあります。部門間や社長と部下の話し合いに応用することで、組織を強化しましょう。

今日も難しい課題でしたが、「ウォント・コミットメントフレームワークを利用した組織間連携ワークショップ」「リーダーズインテグレーションの実施」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

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今回のお話はいかがでしたでしょうか?

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(了)