目次
概要
第83回は「場をつくろう~知を創造する組織とするために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
第83回は「場をつくろう~知を創造する組織とするために」です。
場づくりですか。
場造りが大事なのはわかっていますけどね。
「場」は、会社で仕事をするうえで、何かを伝えたいときなどに「場を設ける」という使い方をします。この場合は接待やおもてなしの意味も含まれてしまいますね。ただ、一般に「場づくり」というと、会議や打ち合わせなどの「場」を意識的につくる場合に使われることが多いですね。
その「場」が組織づくりの鍵になるわけですね。
そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
「場」とは
「場」には定義がありません。会社の中では、「人と人が接する場面」でしょうか。「場つくり」という場合には、その場所の設定だけでなく、議題の選定から、雰囲気づくりまで含んだ意味になりますね。会社の中であらゆる会話があるところが「場」であるということもできます。「指示命令する場」もあれば、「技術を教える場」もあるかもしれません。もちろん「研修の場」もあれば「面談の場」もあります。
笑顔経営塾でいうと、第20回「いい会議をしていますか」第25回「いい対話していますか」第27回「いい研修していますか」第44回「いい1on1していますか~組織と個人の活性化のために」第60回「褒める面談をしよう~評価と育成のために」第67回「ゲームをしよう~実りあるワークショップのために」第68回「フレームワークを使おう~実りあるワークショップのために」が関連しますね。
これまで何回も出てきたことをまとめて「場」といえるわけですね。
現状ではどんな「場」があるのか
通常ある「場」は以下のようになります。
現状を分析して改善点をみつけることも大事です。
◇業務で行われるもの
1.会議
フォーマルで定例で行われることが多いです。オンラインもあります。
2.打ち合わせ
フォーマルな会議でなく、その場で何人かで相談する場合です。
3.指示命令・伝達
個別に口頭で行うこともあります。
メールなど対面でない場合は「場」とはいえないかもしれません。
4.朝礼・小集団活動
現場作業のあるチームではさまざまな目的・形式で行われています。
◇業務外で行われるもの
1.研修・ワークショップ
教育のために行われます。ワークショップは業務として行うこともあります。
テキスト教材で自習するオンラインは「対面の場」とはいえないかもしれません。
2.面談、1on1
人材育成のために行われます。
3.雑談。飲み会
業務外であってもコミュニケーションとして重要な役割を果たすこともあります。
コミュニケーションの場ですね。
たしかにこうしてみると、それぞれの場でどんなやりとりが行われているかが気になりますね。
なぜ「場」を大切にするのか
場とくに対面の場を大切にする理由は以下のようになります。
1.情報は伝え方で変わってくること
場では、意識して行えば伝える人の熱意・思いも伝わりやすくなります。
2.共感しやすいこと
その場の空気や雰囲気を共有すると、共感しやすくなります。
3.反応(伝わったことも伝わっていないことも)がわかること
反応がわかるので、質疑で補足もでき、お互いに満足度が高まります。
4.準備・仕掛けができること
あらかじめ準備したり仕掛けをつくることで、成果が高まります。
5.新たな知を創造すること
話あいから新たな知が生まれます。場を繰り返し行い、改善して効果をためることもできます。
計画的に場をつくるわけですね。飲み会での説教はだめですけどね。
業務上発生する「場」もあれば、計画的につくる「場」もあるわけですね。
場の役割
場(とくに対面の場)の役割は以下のようになります。
1.企業理念・目標などを思いをもって伝える
企業理念などを作っても伝わらないと実現できません。その背景や作るにいたった経緯なども含めて、経営者も思いとともに伝えることが効果的です。
2.双方向のコミュニケーション
伝える側と伝えられる側がお互いの意見を出すことにより、理解度や共感が高まります。
3.通常では伝えにくいことを伝える
さまざまな理由で伝えたいのに伝わらないという事象がある場合は、「場」を設けることで、伝えてもらいます。
4.一体感が生まれる
チームとして一体感を生むことも可能です。
5.新たな知を創造する
いままでできなかったことの解決策を作り出したりして、新たな知を生み出すことができます。
対面の場をあえて作ることでさまざまな効果が期待できますね。
日常業務の中でできないことを実現できるといいですね。
ワークショップの企画のしかた
ワークショップは研修だと思う人も多いと思いますが、業務の中に取り込むことで成果を生み出すことができます。ワークショップはある程度の型をもって企画するといいと思います。
1.オープニング
本日のゴール、ルールの確認などを行います。
主催者挨拶がはいることもあります。
自己紹介、近況報告としてチェックイン、ゲームなどで場を温めます。
2.本体
そのワークショップの目的に沿ったものを用意します。
適宜フレームワークを使用します。
長期にわたる場合は、適宜休憩、昼食などをはさみます。
二日間にわたる場合は、1日目の夜に懇親会などもありえます。
3.クロージング
終了後の業務分担を決めた場合など、成果を確認します。
チェックアウトとして感想を話し合います。
主催者からの挨拶、お礼がはいることもあります。
最後にアンケートを配付します。
型を決めておけば、企画もしやすいですね。
本体に相当する部分を目的によって変えるわけですね。
ワークショップの目的ごとの本体部分の設計例
ワークショップの目的ごとの本体部分の設計例は以下のようになります。目的にそってしかけをすることで、参加者から多くのことを引き出すことができます。新たな知の創造の場となります。
1.課題を発見するワークショップ
・現状報告
・改善点のアイデアだし、各自複数ポストイット、フレームワークKPT
・全体討議でしぼりこみ、今後1ヶ月は何に注力するか
・成果確認
2.チーム力を高めるワークショップ
・チームについて考える、理想のチ-ムとは
・メンバーが信頼を感じるしかけ(ペアオークなど)と感想の話し合い
・どんなチームになりたいか各グループで討議して発表(寸劇もあり)
3.部門のビジョンを定めるワークショップ
・リーダーズインテグレーション
・不安を吐き出す
・資源を確認する(親和図法)
・方向性をそろえる
・グループごとに部門もビジョンを討議し発表
・全体討議で決定
・自分の貢献を各自発表
時間がかかりそうなものも多いですね。
日常の業務で解決できないことをとりあげるわけだから、時間はかかるよね。
「場」で知を創造する組織とするために
これまでみてきたように企業にはさまざまな場があります。これらの場を大切にすることで知を創造する組織とすることができます。そのためには、双方向の話あいとすることと、経営者や上司の思いを伝えることが大切です。
この場にこだわるといい会社になりそうですね。
そのためには、適宜必要なワークショップの活用がいいですね。
中小企業と「場」づくり
大企業と比較して、中小企業は、少ない人数で運営します。大きい組織の弊害は少ないかもしれません。しかし、なかなか経営者の思いが伝わらないと感じている経営者の方が多いのも事実です。仕事が忙しいとそこのところがおろそかになりがちです。場を大切にすることで、経営者の思いが伝わるとともに、今までにない知を創造する組織にすることは可能です。
ちょっとした工夫の積み重ねですね。
意識した場作りですね。
笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。適切な場を作ることで社員の満足度は向上します。経営者の思いも伝わりやすくなります。納得感も高まります。新たな知も生まれます。
これまで繰り返していろいろな場の大切さをお話いただいた理由がわかりました。
ワークショップの企画も有効そうですね。
まとめ
会社では「対面で話す場面」がたくさんあります。その場を、双方向で思いが伝わる場とすることで、社員の満足度は向上し納得感も高まります。うまく練り上げたワークショップを実施することで知を創造することもできます。適切な場をつくり、経営者の思いが伝わるとともに、知を創造する組織にしましょう。
今日も難しい課題でしたが、「適切な場造りの研修」「ワークショップの企画とサポート」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)