行政書士霜田眞法務事務所 笑顔経営塾 第12回:効率化していますか?~赤字からの脱却

第12回:効率化していますか?~赤字からの脱却



概要

第12回は「効率化していますか」です。

塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。

第12回は効率化していますかです。

久しぶりに固い話題ですね。会社が効率よく運営されているかどうかでしょうか。

大きい組織になると、組織の効率化・活性化のための組織があるくらいだと思いますが、中小企業でも重要なんでしょうか。

活性化というより、経営状況の中で効率化やコストダウンを強く求めている経営者の方は多いと思います。

コストダウンを進めたいという方は多いですね。

ウチのマンションでも、電気代の値上がりが大きな課題になっています。製造原価でも経費でも世の中の値上げラッシュの影響が大きいですね。

さすがに売上と利益は把握されていますので、損益分岐点はわかっていらっしゃる。しかし、売上が伸び悩んでくるとどうしても経費削減をしなければならなくなります。その場合に、どこに手を付けるべきかが一番悩まれるところです。

必要だと思われて発生している経費がほとんどでしょうから、そこにメスを入れるのは相当勇気がいりますよね。

間接経費が製造原価かでも削減方法が違いますよね。

効率化のプロセス

効率化の依頼をうけた場合は、以下のようなプロセスをとっています。
1.状況の把握
 経理の数字からあらゆる分析をします。現場把握も大事です。
 時系列比較やセグメント分けがポイントです。
2.対策の方向性の提案
 分析結果から、効果の大きい対策の方向性を提案します。
 仮説を立てるわけです。
3.大まかな対策の提案
 決定した方向性をもとに、具体的な提案をします。
4.具体策の実施のフォロー
 具体策を実施していただいたうえで、効果を検証します。
 定着も進めます。

やはり、最初の状況把握が大事ですね。業種でも違いますし、会社ごとの状況も違いますからね。分析すると、経営者の方が手をつけない「聖域」が浮かび上がったりするかもしれませんね。

総資産経常利益率(ROA),自己資本当期純利益率(ROE),総資産回転率、損益分岐点、労働生産性、売り場生産性、労働分配率などの指標を出して分析するわけですね。そこからどういう提案をしていくかですね。

直接経費の削減方法

倒産の危険性などは少なく、効率化に絞って対策をするとして、直接経費の削減策の代表例は以下のようになります。
1.原価となる仕入れの相見積の徹底、仕入先の見直し
2.原価となる残業代の削減
3.現場全体の作業方法の見直しによる時間短縮
4.現場経費(電気代など)の見直し

大企業じゃないと仕入れ先を簡単に切ったりするのは難しいですね。

残業代とはいえ人件費の削減も生活が懸かっているので同じように反発されますよね。

経営者の方との相談どころですね。対策はあるけれど実施困難というのもあります。現場の見える化を最初にするのがいいですね。見える化は、経営者目線だけでなく、現場で作業する人にとっても効率化にもなります。しっかりと分析して、相談しながら最適解をみつけだしていきます。

みなさんの協力が不可決ですね。

何もしないよりは、そういう議論・分析をすると課題が浮き彫りになるので、いいことですね。

間接経費の削減方法

間接経費の削減策の代表例は以下のようになります。
1.人件費とくに役員などの見直し
2.賃貸借料の値下げ交渉
3.間接経費の仕入先の合い見積もり、交渉
4.3Kの見直し(広告・研修・交際費)
5.保険の見直し
6.採用経費の見直し
7.管理部門の人件費の外注化
8.エクセルのロボット化
9.管理部門の帳票の削減・紙の削減
10.昼休み消灯・LED導入・電気契約見直し
11.コストダウン・効率化の社内広報

古典的なものから最新の流行まで、いろいろとバリエーションがありそうですね。会社によっては、エクセルさえ使っていなかったり、あるいはエクセルの処理で長時間をかけていたりと、状況に差があるかもしれません。

漫才のミルクボーイではありませんが、そこのところもう少し詳しく教えていただけますか?

人件費を例にすると、営業マンに歩合制をとっている会社は多いですが、そういうこともやりにくい企業・職種もあります。その場合、業績賞与を活用して、会社の業績に応じて人件費を調整する方法があります。評価の方法から納得性が必要です。残業代を発生させたくないために、管理職に昇格させる例がありますが、「名ばかり管理職」として訴えられる事例もあるので注意が必要です。家賃の減額や取引先の見直しなどは、理解と協力が必要なので、粘り強く交渉します。
また、広告・研修・交際費は効果をよく確認することで見直しにつながります。
ペーパーレス(紙の削減)は、紙を作成したり、受け渡したり、整理・保管したりの工数が削減されますので、全体的に幅広く見直す必要があります。会議のオンライン化、契約書の電子化というのもありますね。エクセルのロボット化を推進するRPAという分野は特に進歩が著しく効果が大きいようです。

今はパソコンだけでなく、各種のクラウドサービスが発達していますので、簡単に書類の電子化や送付・共有・保管ができますよね。

間接部門の経費削減は、業務そのものの改善も含みますから、幅広いですね。

昼休みの消灯などは、社員への経費削減の呼びかけの効果もあります。目に見える形で施策を実施すると、急速な削減実施には効果大です。なんといっても、社員の協力が不可決ですからね。また、具体策を実施した場合は、効果を検証するとともに、定着をはかる必要があります。そのフォローが大事です。

施策とともに会社の状況を説明して、協力を求めると、一人ひとりの創意工夫にもつながりますね。

効果を検証することも大事ですね。つらい施策を効果もないのにやみくもに続けるのは意味がないですね。逆に効果がる施策は定着させたいですね。

戦略との調和

戦略を立てる段階で、売上アップのための経費を見込まないことがあります。その一方で経費削減を呼び掛けて、現場が混乱することもあります。現場の状況を把握したうえで、戦略と調和する効率化策を提案、実施することが重要です。もちろん、断固たる決意で強力に粘り強く推進することも大切です。

今日も難しい課題でしたが、「状況把握からの対策立案」「具体策の実施とフォロー」などでお手伝いさせていただくのが一番大事かもしれませんね。

これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。

まずはお問い合わせください

今回は、「効率化していますか」について、ご理解いただけたと思います。

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(了)