目次
概要
第77回は「5フォース分析をしよう~市場を意識した戦略立案のために」です。
塾長、学ぶ、笑みの3人の会話が展開する形でお伝えします。
塾長:笑顔経営塾の主宰者。「あなたの笑顔がみたい」がモットー。
笑み:塾長にいろいろな相談ごとを持ってくる。
学ぶ:塾長の補佐をしているが、勉強中。
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第77回は「5フォース分析をしよう~市場を意識した戦略立案のために」です。
5フォース分析は名前だけ聞いたことがあります。
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市場分析なんですよね。
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中小企業の社長さんは、戦略の立案のところで、市場よりも自社に目を向ける印象があります。自分たちの理念や理想の姿を描いても、相手がある戦いの場面では、成功の確率が低くなってしまいます。
「敵を知り己を知る」の敵を知ることろですね。
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そこのところもう少し詳しくお話していただけますか?
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5フォース分析とは
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5フォース分析とは、マイケル・E・ポーター教授が考案した、外部環境分析のうち「事業環境」の分析を行うためのフレームワークです。経営戦略を考えるうえで、「競争要因」を知ることが重要であり、その「競争要因」には、5つの競争要因(5フォース)があるというものです。市場に働く圧力を5つの力で表しています。一例をあげれば「新規市場には高い参入障壁がある」のような分析です。
自社がこれから参入するあるいは現在参加している市場にはどんな力が存在するのかということですね。
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「力」と考えたところがミソですね。
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5フォース分析の位置づけ
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5フォース分析は以下のような位置づけになります。
1.外部環境分析
(1)PEST(政治、経済、社会、技術)
(2)5フォース分析
(3)アドバンテージ・マトリクス
(手詰まり、規模型、分散型、特化型)
2.内部環境分析
(1)3C(顧客、競合、自社)
(2)戦略キャンバス
(3)バリューチェーン
内部と外部の区別では、外部にあたるわけですね。
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いろいろとやり方があるから、使い分けも必要ですね。
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5フォースの1~5
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市場で働く5つの力は以下のようになります。
1.同業他社との競合
(1)競合数
(2)シェア
(3)戦略
(4)収益構造
2.新規参入の脅威
(1)技術的難易度
(2)法規制や免許
(3)流通の固定制
(4)規模の経済性
3.代替品の脅威
(1)新規技術開発
(2)顧客ニーズ変化
(3)政府規制の緩和
(4)コスト低減傾向
4.仕入れ先の交渉力
(1)受給バランス
(2)希少性・独自性
(3)企業数と寡占度
(4)重要度と地位
5.顧客の交渉力
(1)受給バランンス
(2)コモディティ化
(3)切り替えコスト
(4)ブランド選好
項目だけいわれても、イメージが浮かばないのもあります。
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コモディティ商品かどうかというもは、重要ですね。
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5フォース分析の目的
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5フォース分析の目的は以下のようになります。
1.自社の強みと弱みに気づく
市場を分析することで、他との比較の中で、自社の強みと弱みに気づきます。
2.市場参入の判断
市場に働く力を分析することで、市場に参入すべきか、あるいは撤退すべきかの判断ができます。
3.収益対策
競合との価格競争力や仕入れ先・顧客との交渉力を分析することで、収益の対策がしやすくなります。
4.中長期的な戦略を立案する
以上のことから、市場を意識した根拠のある中長期的な戦略を立案することができます。
たしかに、市場撤退の検討をするときには役立ちそうですね。
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交渉力というのもいい視点ですね。
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5フォース分析の手順
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5フォース分析の手順は以下のようになります。
1.情報の収集
市場のシェア、価格、店舗などさまざまな情報を収集するところから始めます。例えばハンバーガーであれば、競合店だけでなく、代替品として牛丼店の分析も必要かもしれません、
2.横軸の分析
仕入れ先(売手)の分析では、受給状況や寡占状況で値引き交渉ができるかどうかが決まります。
顧客(買手)分析では、コモディティ商品化が進んでいれば、顧客が優位になっていしまいます。
3.縦軸の分析
新規参入の障壁が高ければ既存企業に有利です。
代替品の脅威が強ければ、収益の確保が難しくなる可能性があります。
4.同業他社の分析
同業他社は、同じ環境で戦っているわけですから、その行動・戦略の調査・分析も参考になります。
「強い競合には規模の利益があるので、仕入れ価格が安くて勝てない」のような分析はよく聞きますね。
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DXやネット市場などの時代の変化も大きい要素ですね。
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5フォース分析を事例で紹介
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安い価格の衣料品メーカーを例で紹介します。
1.同業他社との競合
高級アパレル他社には価格で優位も低価格他社との競合は強い。ブランドも力を持つ。
2.新規参入の脅威
参入しやすいといえる
3.代替品の脅威
中古衣料、レンタル衣料など、脅威は強くなっている。
4.仕入れ先の交渉力
アジアの供給先は多く、仕入れる側が優位といえる。
5.顧客の交渉力
低価格を求めるので顧客のほうが強いといえる。
いわれてみるとだいぶわかりやすくなりました。
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代替品の検討のところが、なかなか通常は気づきにくい視点かもしれませんね。
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5フォース分析の成功のために
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ただ、この分析も成功するためには、注意する点があります。
1.分析をもとにして戦略を立案する
分析をいかした戦略を立案することが大事です。分析を読み取り、解釈して初めて戦略に活かすことができます。逆に戦略に必要な分析である必要もあります。
2.客観的な分析をする
自分たちの戦略に合わせるための分析にならないように気をつけます。複数人で客観的な分析になるようにしましょう。
3.SWOT分析との併合など
5フォース分析の向いている場面とそうでない場面もありますので、通常はSWOT分析などと組み合わせるといい戦略立案ができます。
なるほど、結局は戦略立案のためだということを忘れてはいですよね。
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自分たちの立場を守るための分析はだめですね。
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中小企業と5フォース分析
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大企業と比較して、中小企業は、少ない経営資源で運営します。市場では弱い立場になることも多いです。であるからこそ、戦う場を選ぶという戦略も必要になってきます。どの市場が儲かるかを考えないと戦いに疲弊してしまいます。新規市場への参入、新製品の投入、既存製品の市場撤退、仕入れ先との値引き交渉などの判断では有効な分析となります。5フォース分析は中小企業の中長期的な戦略立案に有効です。
中小企業の戦うための武器ですね。
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弱者戦略であり、ニッチ戦略かもしれませんね。
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笑顔経営塾では、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。5フォース分析は、戦略立案のヒントになります。参加する社員にとっても納得性の高い戦略が立案できます。
社員参加もいいですね。
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分析には社員参加が必要です。
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まとめ
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5フォース分析は、ポーターが考案した「事業環境」の分析を行うものです。市場に働く5つの力(同業他社との競合、新規参入の脅威、代替品の脅威、仕入れ先の交渉力、顧客の交渉力)で分析します。新規市場への参入、新製品の投入、既存製品の市場撤退、仕入れ先との値引き交渉などの判断では有効な分析となります。しっかりとした情報収集と5フォース分析で、儲かる戦略を立案しましょう。
今日も難しい課題でしたが、「5フォース分析支援」「5フォース分析からの戦略立案」などでお手伝いさせていただくのが、笑顔の経営には一番大事かもしれませんね。
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これから取り上げる内容も含めて、皆さんからご意見ご要望をいただければありがたいですね。次回も楽しみにしています。
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(了)